空は薄曇りだが青空も見え、時折明るい太陽の光が地上まで届いていた。我々は懐かしい宮守の街の散策へ向かった。
目抜き通りは釜石街道よりも高台にあり、街の至るところから街道を見下ろせる。かつては宮守の街を抜けて行く道がメインの道だったのだろうが……。
街には酒屋や電器屋、衣料品店など、生活に必要な店がひととおり揃っている。そんな生活の合間に、昔からこの場所にあるのであろう古い建物が混在している。
街外れに一軒の食堂跡がある。看板には「御食事 出前迅速の店 たも乃木屋」と書かれている。もう営業を終えてからかなりの年月が経っていそうだ。
この建物が一時期、150万円で売りに出されているという情報が市の空き家バンクに登録されていた。かなり本気で購入するか迷っていたのだが、そのうちに売れてしまったのか情報が抹消されてしまった。かわいいブタの宮守移住計画は幻に終わった訳だが、今この建物はどうなっているのだろうか。
この先へ行くと街を出るだけなので、このあたりで引き返すことにした。
宮守の街にはまだ目抜き通りよりも高い場所があるので、今度は其処に行って見る。