部員減少などで衰退傾向にある中学・高校の「科学部」のテコ入れに、科学技術振興機構(JST、北澤宏一理事長)が乗り出す。意欲的なプロジェクトを公募し全国100の科学部に3年間、最大150万円の活動資金を支援する計画で、来年度予算に4000万円を盛り込んだ。「クラブ活動から、世界で活躍する独創的な人材が育ってほしい」と期待している。

 科学部は天文部、生物部、地学部、数学研究会などさまざまな名称で活動する部の総称。高校の文化部の全国組織「全国高等学校文化連盟」(高文連)の08年の実態調査によると、全国の高校の約3割に当たる1836校に科学部があり、部員は計約1万8000人(推定)。しかし地味なイメージに加えて活躍が目立つ運動部に生徒が流れがちで、部員不足が慢性化。配分される部費も相対的に少なく、活動しづらい状況がある。高文連の06年の調査では「顧問が運動部と掛け持ちで積極的にかかわれない」「入部者が少なく休止状態」「運動部の部費は年70万円なのに科学部はわずか1万円」などの声が寄せられた。

 計画では、3年かけて取り組む研究テーマやプロジェクトを、全国の科学部を対象に公募。専門家による委員会が100件を選び、高校で年50万円、中学で30万円を3年間支給する。近隣の大学や博物館、他校や地域のNPOなど、他団体と連携することが条件だ。

 高文連自然科学専門部事務局長を務める北海道札幌北陵高校の八重樫和寿教諭(理科)は「活動を通して養われる自然観や探究心、考える力は、進路にかかわらず大切な素養。パッとしない科学部が活性化するきっかけになってほしい」と話す。【元村有希子】

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