アレバ社とキュリオン社の高濃度汚染水処理装置は 当初からトラブル続きで、
なぜこんなポンコツ装置を入れたのか?と非難されていた。

 アレバ社製?の装置は、使用説明書がイタリア語で書かれていたらしいが、
おそらくアレバ社が、イタリアから買い付けた装置と、自社製の装置を繋ぎ合わせたため、
アレバ社の技術者でさえ,設定方法が判らずに苦戦したのではないかと想像する。

 キュリオン社については、その実体すら謎の会社で、なぜ採用されたかはまったく判らない。

しかし、この度めでたく二軍落ちになったようなので、これからは順調に高濃度汚染水の処理が行われるものと思われる。
 
 低濃度汚染水を自然界に放出する計画もあるようだが、その際は、極限まで浄化しなければ、自然界への放出は許されないことは言うまでもない。

 日刊工業新聞より
【東京電力は福島第一原子力発電所の高濃度汚染水処理で、10月から東芝などが設置した浄化装置
「サリー」の単独運転に切り替える。現在は仏アレバと米キュリオンの水処理装置を中心に稼働しているが、
より安定度が高いサリーをメーンに位置づける。水処理の主役が外国産から国産に交代する。

 すでに低濃度汚染水の処理でも日本の水処理専業企業が活躍しており、事故半年を経て、
ようやく日本の技術力の存在感が高まってきた。(編集委員・大橋修)

 「運転実績を見ても、稼働後1カ月で大きなトラブルがない。
今後はなるべくアレバの装置は使わず、キュリオンの装置とともに、サリーのバックアップに回す」。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理はこう述べ、「サリーの方が運用しやすい」と評価する。

 東電では10月から汚染水処理の運用を変更。 これまで順調に減らしてきたタービン建屋地下のたまり水を一時的に一定量に保持。その上で、原子炉への注水量を増やし、冷却効果を高める。
同時にサリーの運転を1系列から2系列にし、1時間当たりの処理能力を25トンから50トンに倍増させる。

 当初、サリーはアレバ・キュリオンの装置のバックアップとして導入された。だが、8月中旬の運転開始以降、立ち上げて間もないにもかかわらず、アレバ・キュリオンに迫る稼働率を記録。直近の1週間(13日まで)の実績ではアレバ・キュリオンの83・3%に対し、92・1%をたたき出し、2週続けて90%を超えた。

 アレバ・キュリオンは「とにかく汚染水処理を急ぐため、時間優先で開発した」こともあるが、
装置が複雑で、作業員が弁の開と閉を誤って操作し、運転停止に至ってしまったほど、やっかいな設備だった。

 これに対し、サリーは米国企業の技術をベースにしているが、東芝が主導してシステムを開発。
「ポンプが2機あるだけで動的機器が少ない設計になっている。モーター類が少ないため、
自然とトラブルも減る。とにかく機器が単純で扱いやすい」(同)と言うように、基本設計から大幅に改良された。

 一方、比較的、低濃度の汚染水処理では、オルガノや荏原グループの水ing(東京都大田区)など
日本の水処理専業企業が活躍中。東電では「いずれ新たな水処理計画が必要になる」(同社幹部)として、
高濃度汚染水でも東芝や日立製作所とともに水処理企業に期待を寄せる。

 現在、低濃度汚染水は仮設タンクなどにためているが、貯蔵には限界があり、将来はさらに浄化した上で自然界に放出しなければならない可能性もある。

 それには「地元自治体や漁協など関係者との協議、了解が必要」(同)で当面は発電所内に保管するが、
「水処理企業には放射性物質を検出限界値未満まで下げる技術力がある。それはよく理解している」(同)
として、今後も重要な役目を求めていく方針だ。】