本当に目を向けるべきはその先 | 欧州野球狂の詩

欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 この「欧州野球狂の詩」とは相互リンクの関係にあり、管理人同士もTwitterなどで交流のある「世界の野球 」ブログさん。もともと、国際野球を扱うブログとしては彼が先輩格だけど、現在ネットで検索すると、うちのブログが先方とともに「要チェックブログ」として名を挙げてもらっていることが多いようで、執筆者の俺としては同列に挙げてもらって、非常に光栄に思っている。


 そのブログ「世界の野球」、普段は当然マイPCのお気に入りから行くんだけど、例えば学校の端末など(Wi-Fiを買ってないので、出先でネットにつなぐ際には、他の端末から接続しないといけない)で見る際には、いちいち検索をしないといけない。少々面倒だけど、「世界の野球」でYahoo!の検索をかけると、結構それ以外にもいろいろなページが出てくるんだよね。


 そうして出てきたページ(たとえばYahoo!知恵袋など)を見ると、やはりWBC効果もあってか、結構世界の野球事情に興味を持つ人が、一般レベルで出てきている。これまで日本国内の野球しか見ていなかった人が、世界では他にどこが強いのかとか、そういう質問をよくしてるんだ。「中だけじゃなく、いよいよ外にも目を向けるようになってきたか。いい傾向だな」なんて思うわけだけど、知恵袋の質問で必ず出てくる答えが「野球は日本やアメリカ以外だと、キューバとかベネズエラ、ドミニカなんかでは盛んだけど、ヨーロッパやアフリカではほとんどやってないマイナースポーツです」というものだ。


 確かに、その答えは半分は正しい。(実質的なものも含めて)国技にしている国も多く、メジャーリーガーの数なんかも少なくない環太平洋エリアに対して、一般的にヨーロッパだのアフリカだのといった地域に野球のイメージを持つ人は少ないだろう。実際、色々な地域からワールドカップの出場国が集まって、ヨーロッパや南米、アフリカに強豪国が点在しているサッカーに比べると、野球界の「グローバル感」はまだまだ低いのが現実だ。現地でのインフラや人気度にしても、日本のように何万人も入るスタジアムはないし、サッカーに見劣りしてしまう面があるのは事実だろう。


 けど、ちょっと待ってもらいたい。日本ではあまり知られてこそないが、以前紹介した動画のように、ヨーロッパにも熱い野球ファンは大勢いるし、国内リーグの歴史だって、どの国も大体半世紀以上はある(オランダなんて、もうそろそろ協会設立100周年を迎える位だ)。それに、仮にヨーロッパやアフリカではマイナースポーツだったとしても、肝心の野球ファンが「野球は国際的にはマイナーです(キリッ」で片づけてしまっていいんだろうか。


 以前「いい加減、喧嘩はやめにしないか 」という記事を書いたが、野球ファンに対して見下すような態度を取るサッカーファン(他競技を目の敵にしてる時点で、スポーツファンとは正直呼べないが)が野球を叩く時の言い分も、平たく言えば「野球なんて所詮日本でしか盛んじゃないくせに、そんなもんに一生懸命になってんじゃねーよバーカww」というものだ(敢えて相当憎たらしい書き方をしています)。「国際的なスポーツだから好きだ」という理由はなんか違う気もするけど、もし野球ファン以外の目に、野球界の現状がそのように映っているのであれば、やっぱり今の野球界のあり方には、一度疑問を持ってみるべきじゃないんだろうか。


 一方野球ファンの間でも、アジアシリーズ実施の是非をめぐって意見が正反対になることがよくあるけど、大体そこで反目しあうのは、「日本シリーズ終了後にも試合しなきゃいけないなんて、NPBの選手にとっては単なる罰ゲームだ」と言い張る、国内野球が好きな「NPBオタク」と、「アジアの野球発展のため、将来的にリアルワールドシリーズやるための布石として必要なんだ」と主張する、国際野球が好きな「国際野球オタク(俺含む)」の両勢力だ。ただ、本当ならこういう争いがあるのは、至極バカらしいことだと思う。国内野球の延長戦としての代表戦という図式が野球にもできた以上、国内のことも国外のことも、本来は同じように考えないといけないと思うからだ。


 「野球は国際的にはマイナーだ」という前提が仮にあるなら、「じゃあなぜ国際的にはマイナーなのか」とか、「野球を国際的にメジャーにしていくためにはどうすればいいんだろうか」といった疑問が、次に出てきてしかるべきだと俺は思う。それを考えたり議論したりするのは、別に俺や2chのWBCスレの住人たちだけの役割じゃないはずだ。上から目線にはなってしまうかもしれないけど、もっといろいろな野球ファンに、広い視野を持って野球というスポーツを語れるようになって欲しいな。


※追記※

 なお世界野球兄貴だけど、なんかTwitterでの本人いわく体調を崩しちゃってるそうです。「同業者」として早く復活してほしいな。皆さんも体調管理には十分気を付けましょう。