欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪


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(1)ボローニャがアジアシリーズに向け、更なる補強を敢行

 11月に台湾・台中で行われるアジアシリーズに向け、精力的に補強を行っているUGFフォルティチュード・ボローニャ1953(イタリア)。既にパット・ベンディット(28)、アレクサンダー・バーカード(24)、ダリル・トンプソン(27)の3投手を獲得していますが、このたび更に2名の新加入選手の顔ぶれを明らかにしました。


 マルコ・ナニ監督率いるチームが今回迎え入れたのは、ボビー・ブレビンス投手(28)とクレイグ・ジェームス・ジーグラー内野手(28)の2人。ブレビンスは元ドジャース傘下のマイナーリーガーで、最高でAAA級まで上り詰めた経験を持っています。今季は独立系のアトランティックリーグとカナディアン・アメリカンリーグの2リーグでプレーし、合計で22試合に登板して10勝11敗、防御率4.29という成績でした。一方のジーグラーも、AAA級の経験者でプロでの経験は豊富。今季はアメリカンアソシエーションのウィチータ・ウィングナッツでプレーし、100試合出場で打率.318、出塁率.408、長打率.645、30本塁打、81得点、99打点と強打者ぶりを発揮しました。


 ブレビンスは先に加入したトンプソンとともに、先発2枚看板の一角を務める見込み。今年のボローニャは先発投手のやりくりに苦労しただけに、チームからの期待度も高そうです。一方のジーグラーは、言うまでもなく主砲としての活躍を期待。大ベテランのクラウディオ・リベリザーニ外野手(38)や、イタリア代表の切り込み隊長でもあるファン・カルロス・インファンテ内野手(32)らとともに、打線の中心として大暴れしてもらいたいところです。独立リーグとはいえ、ほぼ1試合に1打点のペースを維持したように勝負強さは申し分ないだけに、前にどれだけ走者をためられるかが問題になるのかも。


ソース:http://www.mister-baseball.com/fortitudo-bologna-adds-bobby-blevins-craig-ziegler-asia-series/


(2)アリゾナ秋季リーグでヨーロッパ勢が活躍

 現在、アリゾナ州を舞台に6チームで争われているアリゾナ秋季リーグ。今回も将来のMLBにおけるスター候補生たちが顔を揃えていますが、その中にはヨーロッパ球界とのつながりを持つ面々も少なからず含まれています。それでは、各選手の活躍に目を向けてみましょう。


 イギリス代表のマイケル・ロス投手(メサ・ソーラーソックス)は、14日のスコッツデール・スコーピオンズ戦に登板。2回2/3を投げて被安打3、3失点(自責点0)という成績で初勝利をマークしました(試合はソーラーソックスが7-6で辛勝)。それを上回る好投を見せたのが、19日に行われたソルトリバー・ラフターズ戦でのこと。この試合、チームは9回に大量7点を奪われて逆転負けしたものの、ロス自身は4回を投げて被安打1、与四球2、無失点という素晴らしい好投ぶりでした。19日の試合が終わった時点で、ロスの今リーグでの防御率は4.15となっています。


 14日に行われたグレンデール・デザートドッグス-ピオリア・ジャベリナス戦では、ドイツ代表のマックス・ケプラー=ロシツキー外野手(デザートドッグス)とアーロン・アルサー外野手(ジャベリナス)の直接対決が実現。ケプラーは一塁手として単打2本を放ち、4打数2安打1得点。一方のアルサーは4打数無安打2三振で、この試合ではケプラーに軍配が上がりました。ケプラーは今回、本職ではない一塁を守りながらも打撃は好調で、16日のラフターズ戦では2点適時二塁打を放つなど4打数2安打2打点の活躍。これで5試合に出場して打率は.300、出塁率も.348となっています。一方のアルサーも、同日行われたソーラーソックス戦で二塁打1本を放ちました。


 チェコ代表のアレックス・ソガード投手(ジャベリナス)は、15日のデザートドッグス戦で2回を投げて被安打2、1失点という投球内容でした。この試合では1失点によりセーブ機会を不意にしてしまったものの、打線の援護によって白星は何とか手にすることに成功しています。ただ19日のスコッツデール・スコーピオンズ戦では、1イニング1失点(自責点0)という投球内容で負け投手になってしまいました(チームは7-12で敗戦)。これで、ソガードの今季リーグ戦での防御率は3.86となっています。


ソース一覧

http://www.mister-baseball.com/arizona-fall-league-update-october-14/

http://www.mister-baseball.com/arizona-fall-league-update-october-15-2013/

http://www.mister-baseball.com/arizona-fall-league-update-october-16-17-2013/

http://www.mister-baseball.com/arizona-fall-league-update-october-19-2013/


(3)欧州野球連盟が「ハビア・マテウ賞」を新設

 欧州野球連盟(CEB)は、今年6月に心不全で死去したスペイン野球・ソフトボール連盟(RFEBS)のテクニカルディレクターで、CEBでも専務理事を務めた故ハビア・マテウ氏の名にちなんだアワード「ハビア・マテウ賞」を新たに設置すると発表しました。


 CEB理事会が新たに設置を決めたこの賞の対象となるのは、その年におけるヨーロッパ野球の発展という面において、特に優れた功績を残したと理事会が判断した個人若しくは団体。生前のマテウ氏は様々な国際大会で技術委員会のコミッショナーを務めた他、国際野球連盟(IBAF)においても非常に重要な役割を担っていました。連盟ウェブサイトのスペイン語ページの制作、あるいは英語で書かれたニュースのスペイン語への翻訳は、その多くが彼によってなされたもの。こうしたマテウ氏の功績は、国際球界においては非常に高く評価されていました。


 母国であるスペイン、そしてヨーロッパ全土の両方において野球コミュニティの発展のため尽力したマテウ氏。新たな賞にその名前が冠されるということから、如何に生前の彼がかの地において重要な人材だったのかがうかがい知れます。本人も空の向こうで喜んでいるでしょうか?彼の姿を受け継ぐような熱意ある人材が、今後もヨーロッパの地において少なからず登場してくることを祈りたいものです。


ソース一覧

http://www.mister-baseball.com/ceb-honors-xavier-mateu-award/

http://www.ibaf.org/en/news/2013/06/06/xavier-mateu/94f5df4a-3949-4f4e-8002-1f20c5cb8cd5

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(1)フロリダ州で12月に「ウィンターショーケース」を実施

 来月15日から21日までの1週間にわたって、アメリカはフロリダ州フォートローダーデールにて「エクストリームライン・ベースボールスクールキャンプ」というミニキャンプが開催されることになりました。


 今回のイベントは、北米のプロや大学でのプレーを目指すヨーロッパ各国の選手たちに対して、それぞれのスキルを披露する機会を提供する目的で行われるもの。期間中は各大学やプロチームのスカウトが訪れ、金の卵のありかを探し求める予定とのことです。かつて、元オランダ代表のリック・バンデンハーク(現三星ライオンズ)のマーリンズ入りを手引きした人物でもある、フレッド・フェレイラ氏が主催するこのイベントには、ジャスティン・プリンスタイン氏もコーチとして参加するとか。


 プリンスタイン氏はヨーロッパの中堅レベル、特に中欧から東欧にかけての国々を「根城」とする野球素浪人として、ヨーロッパ球界では選手や指導者としてよく名が知られた人物。かつてはハンガリー代表の投手コーチや監督にも任命された彼は、今季はチェコのフロッシ・ブルノで選手兼任監督としてプレーし、最近アメリカに戻ったばかりでした。彼の存在は、北米行きを夢見る選手たちにとって大きな追い風となりそう。このイベントは昨年第1回が行われたばかりにもかかわらず、20人以上をプロや大学チームに送り込んだという実績も有しており、若い選手たちにとってはビッグチャンスとなりそうです。


ソース:http://www.mister-baseball.com/winter-showcase-european-players-fort-lauderdale-december/


(2)2014年ユーロの大会フォーマットが決定!!

 来年チェコとドイツの2か国共催で行われる、第33回ヨーロッパ選手権の開催概要がこのたび明らかになりました。


 来年度の大会は9月11日から20日までの10日間の日程で開催されます。1次ラウンドは既報の通りオストラヴァ(A組)とレーゲンスブルグ(ドイツ、B組)で行われ、A組にはクロアチア、スペイン、ギリシャ、オランダ、チェコ、ロシアが、B組にはドイツ、ベルギー、フランス、イギリス、イタリア(前回大会王者)、スウェーデンがそれぞれ配属されることが決まりました。また、2次ラウンドからは舞台がブルノとトレビシに移り、全試合がチェコ国内で行われることに。試合方式については情報源では特に言及がないものの、「6チームずつに分かれて1試合総当たりのリーグ戦→両組上位3チームずつが2次リーグで1試合総当たり→その上位2チームが決勝で激突」という従来の形が踏襲される見込みです。


 前回の2012年大会と全く同じ顔ぶれによって争われることになった2014年大会ですが、今回もやはり最大の注目はイタリアとオランダによるタイトル争いでしょうか。過去2大会を連覇しているイタリアに対して、オランダは自国開催の前回大会も準優勝に甘んじるなど悔しい結果に。世界レベルでは既に最大のライバルを実績で凌駕しているものの、今回こそはお膝元のヨーロッパでタイトルを手にしたいところです。


 この両国の争いに待ったをかける国が出てくるのかも注目ポイント。順当ならば、その役割を担うのは前回大会で華麗に復活を遂げたスペイン、あるいはこれまでの大味なブンブン丸野球から堅実な方向性にシフトし始めているドイツということにやはりなりそうですが、イギリス、フランス、チェコもWBCでトップレベル相手に経験値を積んでおり侮れない存在。特に、チェコは開催国だけに気合を入れて臨んでくるはずで、他国にとっても厄介な存在になるかもしれません。


ソース:http://www.mister-baseball.com/2014-european-championship-played-september-11-20/


(3)ロイヤルズのバッテリーがスペインでクリニックを開催へ

 MLBのロイヤルズでバッテリーを組んでいるジェレミー・ガスリー投手(34)とサルバドール・ぺレス捕手(23)が、今月26日と27日にスペイン・バルセロナで無料のクリニックを実施することになりました。


 今回のクリニックは、MLBとスペイン野球・ソフトボール協会(RFEBS)の共催により行われるもので、スペイン国内の投手や捕手を対象に実施されます。会場には国際大会でおなじみのモンジュイックスタジアム(ベースボールバルセロナの本拠地)ではなく、C.B.サンボイのホームスタジアムが使われる予定とか。ガスリーは2009年WBCでアメリカ代表の一員にもなったロイヤルズのエースで、オリオールズ時代には(1)にも登場したリックバンデンハークが主催した「ヨーロッパビッグリーグツアー」にも参加するなど、国際野球にも理解がある人物。一方のペレスはベネズエラ出身の新鋭で、今春のWBCでは母国の代表にも選ばれた期待の若手プレーヤーです。この2人に直接、それも無料で指導を受けられるというビッグチャンス。是非とも参加者たちには大きな糧にしてもらいたいところですね。


ソース:http://www.mister-baseball.com/mlb-clinic-barcelona-jeremy-guthrie-salvador-perez/


(4)マイク・ニッケアスがブルージェイズの40人ロースターを外れる

 イギリス代表の正捕手であるマイク・ニッケアス捕手(30)が、所属するブルージェイズの40人ロースターから外されたことが明らかになりました。メジャー公式戦出場の前提となるリストから外された格好で、今後は他球団への移籍を目指した自由契約、若しくはブルージェイズのマイナーへの配属のどちらかの道を歩むことになります。


 ニッケアスは今シーズン、一軍では1試合1イニングを守備固めとしてプレーしたのみ。AAA級バッファローでも極端な打撃不振に苦しみ、58試合出場で打率.166、出塁率.255、長打率.251と、捕手とはいえ散々な成績に終わってしまいました。2010年から2012年までは、メッツの一員として一軍公式戦73試合でプレー。イギリス代表唯一の大リーガーとして君臨した彼も、年齢的にもそろそろ後が無くなってきました。果たして今後の彼のキャリアがどうなるのか、少々心配です。


ソース:http://www.mister-baseball.com/catcher-mike-nickeas-longer-40man-roster-toronto-blue-jays/


(5)クロアチアとブルガリアの国内王者が決定

 東欧では、クロアチアカップとブルガリア国内リーグが全日程を終了。2013年度のそれぞれのチャンピオンが出揃いました。


 まずクロアチアでは、国内リーグと東欧地域国際リーグの2冠を獲得していたオリンピア・カルロヴァックが、カップ戦の決勝でBKザグレブを破って見事3冠を達成しました。準決勝でライバルのナーダSSMスプリットを破ったオリンピアは、決勝ではエースのスロボダン・ゲールズを先発に立てるものの、ザグレブ先発のエルネスト・ペレイラ(元中日育成)の前に打線が沈黙、ゲールズを援護することができません。しかし、ザグレブ守備陣のエラーとブランコ・ネナディッチのソロ本塁打で奪った2点が最後まで物を言い、結局2‐1でオリンピアが辛勝することになりました。


 一方ブルガリアでは、ソフィア・ブルースが決勝でデュプニツァ・デビルズをスイープしてリーグ優勝を果たしました。6チーム中4チームがソフィアに本拠を置くチームとなった今シーズン。昨年、ブルガリア勢として史上初めて東欧地域国際リーグに参加したブラゴエフグラード・バファローズは、昨シーズンの快進撃から一転4位に甘んじることとなっています。シーズン順位は下記の通り。


1.ソフィア・ブルース

2.デュプニツァ・デビルズ

3.ソフィア・アスレチック

4.ブラゴエフグラード・バファローズ

5.ソフィア・アカデミックス

6.ソフィア・ユナック


ソース一覧

http://www.mister-baseball.com/olimpija-karlovac-wins-croatian-cup/

http://www.mister-baseball.com/sofia-blues-win-bulgarian-championship-2013/

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 その国の野球界の発展に多大な貢献をした選手や球界関係者の名を称え、彼らの功績を刻み込む場所である野球殿堂。日本の野球ファンにとっては、東京ドームに併設されている野球殿堂博物館や、ニューヨーク州クーパーズタウンに併設されているMLB野球殿堂が有名かと思います。しかし、こうした殿堂を設けているのは実はこの両国だけではありません。


 のちにIBAFワールドカップの第1回大会として認定されることになる、1938年のアメリカとの対抗戦「ジョン・ムーアズ・トロフィー」を制したイギリスもそうした国の1つ。先日、イギリス野球殿堂(BBHoF)の第5回選考が行われ、その結果ピーター・クルック、レイ・レイノルズ、ブラッド・トンプソン、ウィリアム・モーガンの計4氏が選ばれました。モーガン氏は野球ジャーナリストとして、それ以外は選手としての選出になります。この4名が加わったことにより、BBHoFに名前が刻まれたのは計22名となりました。今回は、この誇るべき栄誉を手にした4名の経歴を紹介したいと思います。


(1)ピーター・クルック

 ピーター・クルックは過去60年もの長きにわたり、選手や指導者として南イングランド地域における野球発展に貢献してきた人物である。現役時代は一塁手だった彼は、第2次世界大戦終結後間もない1948年にダルウィッチ・ブルージェイズに入団、ここでまず1959年までの12シーズンにわたってプレーする。彼のキャリアはイギリス陸軍砲術部隊への招集により、たびたび中断することを余儀なくされたものの、彼は軍人としての職務に当たる間もなるべく多くの試合をプレーするよう努めた。


 クルックは元来の武器であった堅実な一塁守備に加え、打線の中核を担うスラッガーとしても頭角を現すようになり、1959年にはその才能に目を付けたMLBのデトロイト・タイガースから、春季キャンプへの招待を受けたほどだった(もっとも、アメリカへの渡航費をねん出できなかったことから、残念ながらこの話は幻となってしまったのだが)。翌年からはリッチモンド・レッドソックスに移籍、69年までの10年間の間に選手兼任監督として優勝杯を手にし、リーグの選抜チームにも2度選ばれた。


 1970年には、当時のイギリス南部における最強クラブであったサットン・ブレーブスに移籍。ここでは7シーズンプレーし、6年連続でリーグのオールスターチームに選ばれたほか、MVPにも2度輝いた。1977年、キャリアの出発点となったブルージェイズ(この時はチームは本拠地を変え、クロイドン・ブルージェイズと名乗っていた)に復帰。老兵となってもその実力は衰えず、ここでも7シーズンで2度のMVPを獲得。ラストシーズンとなった1984年には、ついに国内タイトルの栄誉も手にする。


 その後1988年には、高齢者野球チーム「オールドタイマーズ」の創設メンバーの1人となる(このチームの創設には、「火の玉投手」として有名な伝説的豪腕、ボブ・フェラー(元インディアンス)も関わっていたとか)。1993年には、彼が率いたオールドタイマーズはドイツで行われた国際大会で優勝を果たした。またチームへの参加とともに、20年にわたって「野球アンバサダー」として普及にも尽力。フレンドリーリーグの主催者として、メッドウェイ・マリナーズやバージェスヒル・レッドハッツといった新しいチームを次々と生み出す土壌を作り上げた。


(2)レイ・レイノルズ

 イギリス野球史上に残る強豪クラブで、計31シーズンにわたってプレーしたレイ・レイノルズは、イギリスのトップリーグのチームにおいて最年少でレギュラーを掴んだ経歴の持ち主。レイノルズが1950年にテムズボード・ミルズに入団した時は、彼はなんとまだ12歳だった。しかし彼が加入して以降、チームは計12度のリーグタイトルと2度の国内タイトル(1959年と60年)を獲得するビッグクラブに成長する。彼は内野を本職としたが外野手として、あるいは捕手としてもマルチな才能を発揮し、文字通りの若き天才として名を轟かせた。もちろん、リーグオールスターにも何度となく選ばれている。


 1967年には、ブリティッシュベースボールリーグ(BBL)の最優秀打者賞を獲得。サザンリーグのMVPにも2度選ばれた。また、その才能は1950年代から60年代にかけてのイギリス代表においても、常連の主力メンバーとして如何なく発揮された。1970年のヨーロッパ選手権本大会で、イギリス代表は銀メダルを見事獲得しているが、この時のチームにもレイノルズは名を連ねている。


(3)ブラッド・トンプソン

 ブラッド・トンプソンはイギリス野球史上において、公式戦9回・非公式選手権2回の合計11回という、誰よりも多くの優勝タイトル獲得を果たした選手である。1976年にゴールダーズ・グリーンソックスでキャリアを始めた彼は、その長いキャリアの最も序盤の時期からタイトルに縁のある選手となった。1977年と79年には、グリーンソックスはイギリスリーグ制覇を見事成し遂げているが、トンプソンは79年の時にはファイナルで鍵となる働きを見せている。彼はこの試合で本塁打を放っただけでなく、延長11回には同点打も放ってみせた。グリーンソックスによれば、彼はこのクラブに在籍中通算で打率.456、長打率.779という破格の数字を収めている。79年にはシーズンでも打率.500を記録し、首位打者の座に輝いた。


 その後は当時強豪として名をはせていたロンドン・ウォリアーズに移籍、1981年からのチームの国内2連覇に大きく貢献する。現役時代からシリーズ男として名をはせた彼は、81年のファイナルで2打数2安打1二塁打4得点という成績を残し、その名にたがわぬ活躍ぶりを見せる。その後1986年から3年間はコブハム・ヤンキースに所属、3シーズン合計で打率.404、長打率.603という活躍でチームを国内3連覇に導くも、ヤンキースの解散に伴い再びウォリアーズの一員として復帰。ここで、トンプソンは1997年と2000年の国内王者を含む数々のタイトルを総なめにした、国内最強チームの主力として君臨することになる。


 2003年に28年間のシーズンに幕を下ろした時、彼はイギリス国内のトップリーグで300を超える得点をマークしていた。これは、イギリス球界における様々な記録を取りまとめる「プロジェクトCOBB」の記録によれば、史上唯一のものとなっている。現役時代にはリーグの運営にも携わり、1979年から84年まではサザンリーグのコミッショナーを、1987年から89年まではスコティッシュアミカブルリーグのチーフ管理者をそれぞれ務めた経験の持ち主でもある。


(4)ウィリアム・モーガン

 1923年9月9日にこの世に生を受けたウィリアム・モーガンは、歴史家・ジャーナリスト・学術的研究者の立場からイギリス野球界に多大な功績を遺した人物である。本日我々が知ることができるイギリスにおける野球の歴史は、このモーガンこそが掘り起こしたものだ。彼の最大の功績の1つは、1890年にイギリス国内でオーガナイズドリーグ(高度に組織化されたリーグ戦)が始まってからのナショナルチャンピオンを、1つのリストにまとめ上げたことである。今日、彼が作ったリストは公式記録を作成するうえでのベースとして用いられている。


 もう1つは、彼が独自に編集し発行したニュースレターだ。彼は1963年から67年にかけて、「ベースボール・クーリエ」と題した全24篇からなるニュースレターを世に送り出した。それに引き続き、1972年から1989年までは全51篇で構成される「ベースボール・マーキュリー」を発表した。「クーリエ」「マーキュリー」のいずれにおいても、それぞれの時代に行われていた試合の結果が掲載されていたことは言うまでもないが、同時に彼がこの2誌においてフォーカスしていたのはあくまでも、イギリス野球の歴史研究だった。「クーリエ」と「マーキュリー」の存在抜きには、イギリスにおける野球競技が拡大していた頃の歴史的な記録は失われてしまっていただろう。


 彼はこの2つのニュースレターを、20か国以上で発行することに成功していたが、これは当時海外に板野球ファンがイギリスにおける野球事情について知ることができる、おそらく唯一の手がかりといってもよかった。イギリス野球を世界に発信するという意味でも、モーガンが果たした役割は大きかったのだ。そんな彼も、かつては短期間ながら選手としてプレーしていた。1938年にウェールズのカーディフで初めて野球と出会った彼は、後に同地で展開された7チーム(イギリス空軍チームA&B、セントラルYMCA、メール&エコー、セント・デイビッド、ランバージャックス、ペンザンス・ソーシャルクラブ)からなるリーグ戦に携わった。彼はリーグの公式戦には出場できなかったものの、シーズン前のオープン戦のような非公式な試合で、セントラルYMCAの二塁手として数イニングプレーしていたのだ。


 また歴史家という側面に加えて、モーガンはリーグ運営にもとても熱心に携わった。彼は広報として、あるいは会計担当として、イギリス野球連盟の運営メンバーの一員に名を連ねた経験を持つ。彼は「公式野球史研究家」として参加した1976年のファイナルで、MVPのトロフィーを渡す役割を担った他、そのちょうど10年後の1986年大会では特別ゲストとして招きを受けた。彼のその卓越した知識と経験は、BBHoFの記念すべき第1回選考委員に選ばれる原動力にもなった。


ソース一覧

http://www.mister-baseball.com/members-british-baseball-hall-fame-inducted-2013/

http://www.baseballgb.co.uk/?p=17411

http://www.wongo.pwp.blueyonder.co.uk/index2.htm

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