リレー小説 第7話

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今までのお話はこちらから。



プロローグ→ 聖マリアンヌスって!!!


第一話→ 長げーよ!!


第二話→ 東京では、なんかスンマセンでした


第三話→ ボヨヨン♪ボヨヨン♪


第四話→ ブログの指の写真でご飯三杯食べました


第五話→ お前、死んでしまえ!!!


第六話→ 馬渡は静かに暮らしたい



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第七話 事の真相を知る時



ポッポー♪ポッポー♪ポッポー♪ポッポー♪ポッポー♪

手術室の時計は、5時を告げた。

『おいでやんせ八戸フェア2011 in 聖マリアンヌス医科大学病院、高度救命救急医療センター』

特設会場は、誰一人欠けることなく全員が顔を揃えていた。


病院関係者、テロリスト関係者、王国関係者。

傍から見れば異様な光景なのだが。



テロリストの親ぶんである姐さんが、ドクター日輪井と何やら楽しげに話していた。

時おり、姐さんがドクター日輪井の頭をどつく音もしていた。

テロリストのボケラッタと、情報屋のババン子と王妃のポン=フスマーノが、

ガールズトークをしていた。

破壊王と呼ばれ、コートジボアールに派遣された経験のある

重篤だったはずの馬渡と、テロリストコンビのY-BachとKossy-Antoinetteと、

馬渡のオペ中にピタゴラスイッチ的なバースディのメッセージに涙を流した

ケンスケ=ファン・ガツが肩を叩きあい、深夜番組の通販について話していた。

(何かが変だ!)

久田須は、首を傾げた。

(さっきまで、血なまぐさい展開だったのに、この平和な光景は一体何なんだ)



すると、そこへ。

小児科病棟の看護士である、適砂州真間が一枚の紙を片手に飛び込んで来た。

やさしい眼差しで子供に人気のある適砂州真間は、子供たちにお母さんと呼ばれていた。

「大変ですっ。大変!こんな紙がナースセンターにありました」

ドクター日輪井は、落ち着いた様子で、こう尋ねた。

「何て書いてあったんすか?読み上げてください」





~今日は一日お疲れ様でした。モニターを通じてアナタ達を見ていました。

事の真相を知りたかったら屋上においで~




それぞれ手にしていた八戸特産の、いちご煮、しめサバ、八戸ラーメン、

せんべい汁(小s…醤油味)を、床に置き、互いに顔を見合わせた。

誰も一言もしゃべらない状況の中、久田須は思い切って、

「行ってみませんか?屋上へ」と、全員の顔を見てそう言った。


先ほどまでの、楽しい雰囲気が一瞬にして転化していくのを誰もが感じていた。

そして一人、また一人と病院関係者用の階段を上り屋上に出て行った。




「うわっ!何だ!これ!?」

誰かが、そう叫んだ。あまりにも異様な光景が広がっていたからだった。

しいてあげれば、そこはデパートの屋上のビアガーデンのようであり、

夜の始まりの薄暗い中、ちょうちんが頭上にたくさん灯りをともしていた。


屋台も数点だが出店していた。


『大阪たこやき』には、喪婦久禅芯と名乗る人物が。

『千葉イタメシ』には、具秘と名乗る人物が。

『甲府鳥もつ煮』には、恩田と名乗る人物が。

『広島牡蠣フライ』には、歩林来と名乗る人物が。

『千葉プロテイン』には、院出井と名乗る人物が。

『夫のDVDよければタダでどうぞ』には、取鳥の奥さんと名乗る人物が。



美味しそうな匂いが屋上のひんやりした空気を温かく包み込む。






パチパチパチパチ




拍手の音がする。一人で拍手をする乾いた音だった。

屋上に来た人たちは互いに顔を見合わせ誰が手を叩いているか確認したが、

誰一人とて、拍手をしている者はいなかった。



すると。



『甲府鳥もつ煮』の屋台から恩田が少し照れたような顔をしながら出てきた。


「俺のメッセージ見て、皆さんこうして屋上までご足労願いすいませんでした。

皆さんに見て欲しいものがあるので、ここに来て頂きました」


「何だよ?せっかくホットコミニュケーションな展開になってきたっつーのに」

と、馬渡が恩田にケンカを売る勢いで怒鳴りだした。


「落ち着きましょう。何故、今日一日こんなドラマでもないのにスリリングな

一日を過ごしたかをこの男は何か知っているかもしれない」

裏声で姐さんは馬渡の腕を掴み、目で合図をした。


「真実を語る前に、皆さんにお願いしたい事がひとつだけあります。

カウントダウンをして欲しいんです。5から1までやってもらえませんかね?」

と、イタズラが見つかった子供のような目で恩田は、そこにいる人、全員を見渡した。




誰もが知りたい真実。

誰もが振り回されて、踊らされて、その流れを自然に受け止めていたけれど。

何かがおかしかった。

誰もが知っておかなければならない物語。



恩田は叫んだ。「じゃ、いきますよ!」


5!!


4!!


3!!!


2!!!!


1!!!!!






どーーーーん






黒い夜空に一つの花火が上がった。


そして、次々と季節外れの花火が夜空を彩った。

それはまるで、本当のお祭りのようであり、どこかの遊園地のようでもあった。


「きれい・・・」ボケラッタは、花火を見て思い出していた。

小さいころ親と一緒に見た花火にどこか似ていると感じていた。



見せたいものって、花火?




「あれ?ここどこだ?」

「何で、こんな迷彩服来ているんだ?」

「金髪のカツラなんか被って、学芸会でもやってたかな」

「あれれ?ファンガツゥ~?仕事どうしたのよ?」

「ババン子ちゃんこそ、残業しなくていいのかよ?」



皆が皆、思っていることを口にした。

まるで、夢からさめた状態のように、意識がはっきりしない状態のまま。



場が静まるのを待ち、恩田は、背中を向けて話し出した。



「俺はね、某テレビ局のプロデューサーなんですよ。それと、そうだな。

昔『かたりべ』っていう本も出版したこともありましたね。

それは一応表向きの顔で、本業は催眠術師ってやつをやっています。

今回、俺は皆さんに、ある方法を使って催眠術をかけさせてもらいました。

ある方法ってのは、きっと違法なんでしょうけど、テレビという媒体を使ってですね、

サブミリナル効果っていうんでしょうかね。説明は省きますけどね、要は皆さんの

深層心理でやってみたいことってのを催眠をかけてやってもらったんですよ。

皆さんの自宅にあるテレビをちょっとだけ乗っ取らせてもらいまして。

他の人への影響はありませんよ。つまり、ここに集まってくれた人だけに催眠をね。

ある人は医者になってくれたし、ある人はテロリスト、ある人は王妃だし、

またある人は情報屋ですか。医師免許も持たないあなた達が、オペをしていたのは

よく出来た人形ですからね。ご安心ください。屋台にいる方々も、お疲れ様でした。

どの屋台も、美味しそうですし、取鳥の奥さんも深層心理がうまく出ていましたね。

面白かったです。打ち上げ花火を見たら催眠が解けるように細工をしておきましたから

安心して、元の生活に戻ってください。ま、人工衛星を使って今回の出来事は撮影されてますが

放映するかどうかは、局に戻って会議で決めますから。ご協力ありがとうございました」




久田須は、クッタスへ戻る。

日輪井は、取鳥の卑猥へ戻る。

馬渡は、マッピーへ戻る。

ケンスケ=ファン・ガツは、ファンキーガッツマンへ戻る。

Y=Bachは、バッハへ戻る。

Kossy=Antoinetteは、こしあんへ戻る。

姐さんは、小生へ戻る。

ババン田ババン子は、ババン子へ戻る。

ボケラッタは、ボケラッタへ戻る。

喪婦は、喪服前進へ戻る。

具秘は、グッピーへ戻る。

歩林来は、ポリンキーへ戻る。

院出井は、いんでいへ戻る。

適砂州真間は、TEXママへ戻る。

ポン=フスマーノは、ponへ戻る。


そして、自己催眠をかけていた、

恩田は、温度差へ戻る。



みんな、元に戻る。

みんな、本来の姿へと戻る。


元の世界に帰っていくがいいよ。

楽しい時間をありがとう。ありがとね。



「あれ?どしてオレ、花火なんかあげてんの?」

ツヨは、釈然としないまま、カメラを取り出して、望遠レンズで屋上の人たちを撮影した。

「みんな、笑って。撮るよ!」


シャッター音が、小さく鳴った。

それは、誰の耳にも届かないくらいの小さな音だった。




「こらっ!あんたっ!!このエロDVD一体どうすんの!!」

取鳥の奥さんの怒鳴り声は、病院の屋上でコダマのように響き渡った。


「あああああああああ・・・今回のこと、コラボ小説にしようよー。物語にしちゃおうよー」

取鳥は頭を抱えた状態で、ファンキーガッツマンの側へ行き、訴えかけるように叫んだ。


物語にして、どーすんのさ?話をそらすな。


取鳥の奥さんは、どうしようもない夫のシャツをワシヅカミにして、

「もうっ!帰るよっ!!」と取鳥を引きずっていった。


ファンキーガッツマンは、ほくそ笑んだ。

今回の出来事は、あんまり覚えていないけれど、ネタとしては面白い。

テレビより先に、俺がブログでコラボ小説として、参加者を募って、

いろんな人に書いてもらったら、楽しいかもしれない。



こうして、2011年9月15日。


『告知です!!!(追記あり)』 に、話は移行するのだった。



時は来た!・・・・・・・・・それだけだ。





おしまい

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