手記(時の流れに身を任せながら)

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1月があっという間に過ぎた

1年でなおすと12分の1が過ぎたことになる


これが12回過ぎるとして1年

これが10回繰り返されれば10年

そして、10年が10回くれば100年だ


子供はたけのこ

すくすく育つ

子供のうちは分からない


10年が過ぎる意味が

なぜなら10年生きていない

生きていても10年前の記憶がないからだ


大人は不便だ

10年前のことを、ついこの間のことをして記憶している


記憶の連鎖が続けば

ある事象に対して関係あることを思い出す


そして、それが何年前かを思い出す

それが1年、10年たってもだ


人は産まれ、人は育ち、人は何かに向かって歩く

その先にあるものはほとんどの人にとって意味のない結果でしかなくて

生きること以上の意味しかないとしても

それでも一歩一歩進んでいく。進まされていく


時の流れは速い

速い時の流れに身をゆだね

今日も生きていくのだろう


*****


ここまで書いたとき私は筆を置いた

定められたノートには黒いインクが一面にびっしりと文字を連ならせている


不意に後ろの扉が開くのを感じた

振り返ると家内の姿が見える


「こんな遅くまでお仕事ですか?」

「いや。・・・ただね。」


そう言って私は本を閉じた

人に見せるには少し恥ずかしいと感じたからだが

私に家内は何も言わず微笑んでくれていた


「あまり、無理をなさらないでくださいね」

「ああ」


それだけを言って寝室に戻っていく家内の姿を見ながら

ふっと一つのひらめきが頭をよぎった


私は忘れないうちに急いで先ほどの文章

その最後にこの言葉を連ねた


『ただ、私は幸せなんだと言える』

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