そろそろお目覚め。。第３５回将棋日本シリーズ/２回戦「渡辺二冠、準決勝に進出」
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： なし
△佐藤九段： なし
本日、熊本県にて行われました
注目の 第３５回将棋日本シリーズ/２回戦
「渡辺明二冠－佐藤康光九段」
先手・渡辺二冠の初手▲２六歩に対し
佐藤九段も同じく飛車先を突く２手目△８四歩と返して
対局はスタートとなりました。
５手目▲７七角。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： なし
△佐藤九段： なし
渡辺二冠は３手目に角道を開き（３手目▲７六歩）
「相掛かり」を回避すると、佐藤九段はさらに飛車先の歩を突き
先手に▲７七角の受けを強要しました。
７手目▲８八銀。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： なし
△佐藤九段： なし
ということで、渡辺二冠は
「角換わり」を想定した駒組みを進めますが。。
８手目△４四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： なし
△佐藤九段： なし
佐藤九段はさっと角道を止め、「角交換」を拒否。
初手から一切の妥協を許さない「現代の升田幸三」こと
佐藤九段らしい、趣向を凝らした序盤の出だしとなりました。
３３手目▲６七金右。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 歩
△佐藤九段： なし
しかし、佐藤九段の手に黙って乗る気などさらさらない
渡辺二冠は機敏に飛車先で歩を交換し一歩得してから
じっくりとした駒組みにシフトし、「矢倉囲い」を完成。。
４３手目▲２六銀。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 歩
△佐藤九段： なし
何事もなかったように渡辺二冠は
「矢倉囲い」の中に玉の入城を完了してから
右の銀を飛車先に乗せ、破壊力抜群の「棒銀」を投入。。
すると、次の瞬間
４４手目△６五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 歩
△佐藤九段： なし
佐藤九段は６筋の歩を突き越し
７三桂馬、、そして居飛車を貫くラインを開けて
渡辺角を呼び込みました。。
この挑発には乗って
渡辺二冠が次に角を繰り出すと（４５手目▲４六角）
以下、△５一角～▲３七桂～△４五歩～▲６八角～に
△６四銀～▲２五歩～下図５２手目△８六歩と淀みなく進行。。
５２手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： なし
△佐藤九段： なし
渡辺角にちょっかいをかけながら
右の銀を４段目に繰り出した佐藤九段が
２筋で突き合わされた歩を手抜き、先手の玉頭から
仕掛けを開始しました。。
６４手目△１五角。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 角、銀、歩４
△佐藤九段： 銀、歩
先手の玉頭の歩を浮かせてから
佐藤九段は２筋で駒を捌き、角と銀をそれぞれ交換。
一連の流れで渡辺飛車が突進してきたその裏に、角を配置し
華麗に飛車・桂両取りを決めます。。
７３手目▲２八角。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 銀、歩３
△佐藤九段： 桂
しかし、さすがは渡辺二冠。
落ち着いた応接で均衡を保ちつつ、飛車取りのかかった
上図では角を馬に合わせ、銀取りもかかった返し技を披露。
華麗な大技の応酬となりました。
９１手目▲４一角。
上図での持ち駒
▲渡辺二冠： 銀、歩
△佐藤九段： 桂、歩
今シーズン前半の沈黙が嘘のように
本局の渡辺二冠は本来の切れ味全開。。
二枚の「と」金を佐藤陣営に作ってから
ズバリと角を打ち込み、豪腕よろしく寄せに出ました。。
【 投了図・１０７手目▲５五桂 】
投了図での持ち駒
▲渡辺二冠： 金、歩
△佐藤九段： 角、桂、歩３
上図１０７手目の局面で、佐藤九段投了。
将棋界の「冬将軍」との異名を持つ渡辺二冠が
夏も終わり、秋の気配が漂い始めたいよいよこれから
調子を上げてきそうな予感漂う、見事な完勝をおさめました。