明日より第61期王将戦7番勝負/第2局が開幕。。
久保利明王将に
佐藤康光九段が挑戦する第61期王将戦7番勝負。
1月8日(日)-9日(月)
静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」にておこなわれた開幕/第1局は
111手までで先手・佐藤九段が勝利。
ここ数年、将棋界で猛威を振るった「ゴキゲン中飛車」。
振り飛車党現党首・久保王将にとってもタイトル獲得の原動力となった
絶対的エース、切り札的戦型でしたが。。
【 第61期王将戦/第1局・25手目▲5七玉 】
上図での持ち駒
▲佐藤九段: 角、歩3
△久保王将: 角
勝ちまくった代償として、日々進化する居飛車側の研究、対策は
「ゴキ中」の第一人者・久保王将へとむけられる宿命を背負うことに。
前期の王将戦では
20歳の秀英・豊島之六段が挑戦者に名乗りをあげ
第1局目 から最先端の研究を久保王将にぶつけてきました。。
しかし
久保王将はその上を行く研究、勝負勘を披露し完封勝利。
シリーズを通しても格の違いを見せつけ、4勝2敗で防衛を果たします 。
さらに並行して行われた第36期棋王戦5番勝負でも
「居飛車党最強の挑戦者」渡辺明竜王の挑戦も退け、二冠を堅持 。
久保二冠の底知れぬ実力、振り飛車の魅力を存分にみせつける
見事なタイトル防衛劇で将棋界の年度末を主役として締めくくりました。
あれから一年
久保王将はさらに強い向かい風の中で、もがき苦しんでいます。
久保王将の今期ここまでの成績は
31戦15勝16敗(.484)。順位戦はA級で1勝6敗。
思うように勝てなくなっている原因の一つとして、やはり
「ゴキ中」の威力が大きく後退していることは間違いのないところ。
年明けから3連敗。
王将戦/開幕戦では
序盤の研究に凄みを見せる「現代の升田幸三」佐藤九段 に
ド派手は「▲5七玉」(上図25手目)を決められるなど引き立て役のまま完敗。
さらにその敗戦から3日後
降級の危機に瀕する第70期A級順位戦の7回戦で
羽生善治二冠と対戦 し、同じく「ゴキゲン中飛車」を投入し完敗。。
長きにわたり追い求め
ここ数年のタイトル戦での勝利で、ついに超えたかにもみえた
「羽生世代」の壁に跳ね返された形の連敗は、大きなショックだったはず。。
1月20日には朝日杯で
研究パートナー・菅井竜也五段と公式戦初手合い。
お互いが手の内を隠すように、まさかの「相矢倉」戦となるも
白星は遠く 、無念にして屈辱の3連敗を喫してしまった久保王将。
このまま、ズルズルと黒星を重ねるのか。。
明日より
栃木県は大田原市「ホテル花月」にて開幕する王将戦/第2局。
久保王将にとっては今後を占う大一番と言えそうです。。。
開幕戦を制し気勢の上がる佐藤九段。
今期ここまでの成績は35戦19勝16敗(.543)。
籍を置く順位戦A級では4勝3敗ですでに来期の残留も決定済と
思う存分、王将戦に全神経を集中できる状況に。
第2局は久保王将が先手。
ということですでに初手から目が離せません。
いきなり▲5六歩として「中飛車」宣言もあるにはあるのでしょうが
「ゴキ中」の分が悪い現在の流れでは、初手▲7六歩がやはり最有力。
問題は
初手▲7六歩だった場合2手目に佐藤九段がどう応じるか。
△8四歩なら「中飛車で来い」
△3四歩なら「石田流でどうぞ」の二択。
個人的には△3四歩と角道を開け
久保王将に「石田流三間飛車」の催促をするのが最も佐藤九段らしく
そうなった場合、久保王将も潔く「石田流」で勝負に行くのではないかと
予想します。というか希望します。
久保王将の二枚看板。
後手なら「ゴキゲン中飛車」、先手から「石田流三間飛車」。
この両方を叩かなければ、タイトル奪取はおぼつかない。
佐藤九段なら当然、そう考えているはず。
久保王将としても
目先の白星欲しさに奇をてらうような差しまわしをしているようでは
タイトル防衛は難しく、それ以前にプライドが許さないはず。
ということで明日からの第2局も両者の対戦らしく
引くに引けない意地の張り合いがみられそう。。つまりは激戦必至。
どうぞお見逃しなく。。
「毎日の将棋学」 。。緩やかに復旧。