第59期王座戦5番勝負/第2局を振り返ろう。。
前人未到の大記録王座戦20連覇を目指す羽生善治王座に
渡辺明竜王が挑戦する第59期王座戦5番勝負。
開幕戦、渡辺竜王勝利 をうけての第2局が
昨日、京都府京都市「ウェスティン都ホテル京都」にて行われ
結果、106手までで後手・渡辺竜王が勝利。
19年間に渡って羽生王座が独占していた王座の座を
このままあっさりと、渡辺竜王が奪ってしまうのか、否か。。。
66手目△6一歩。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 歩3
△渡辺竜王: 桂、歩
上図66手目までで夕食休憩に。
1日制のタイトル戦で、しかも1時間も夕食休憩がある必要性が
今ひとつ分かりませんが、ともかくここで一休み。
初手▲2六歩から、自ら注文を出した「相掛り」を戦型とし
序盤から積極的に攻めに出た羽生王座。
あえて「相掛り」を受けてたった渡辺竜王は
逆に、終始時間を使いながら受けて立つ展開に。。
73手目▲3三桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 飛、歩3
△渡辺竜王: 角、桂2、歩
夕食休憩後、羽生王座再開の一手は
本戦として考えられていた▲7三桂成から、飽和状態にあった
桂馬と飛車を捌きあい仕切り直しに。。
仕掛けるのはここでも羽生王座で
狭い地点に桂馬を投入。。
78手目△4一桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 桂、歩3
△渡辺竜王: 角、桂2、歩2
右側の桂馬を交換して作ったスペースに
先ほど交換した飛車を投入した羽生王座。。
攻め続けてはいるものの
いつもの柔らかさと連続性が感じられず。。どうも重たい雰囲気が。
対する渡辺竜王は
序盤から中盤にかけては、受けている、受けさせられている。。
そんな風に思ってみていましたが
いくらなんでもあの竜王が手堅過ぎる。。。これは、あえて受けている。
大局観。ここまでの展開、ひょっとして読まれていたのでは。。?!
90手目△2一桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 香、歩3
△渡辺竜王: 飛、角、桂2、歩2
にわかに不穏な空気が漂う中で
それでも盤上の流れは変わらず、羽生王座が攻め
渡辺竜王が受け続ける展開。。
ギリギリ捕まりそうで捕まらない渡辺玉。。
羽生王座も攻めながら辛抱がしいられる両者ともに
息の詰まりそうな苦しい局面の連続に。
104手目△5七銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 金、銀、香、歩2
△渡辺竜王: 飛、角、桂、歩3
二枚の、跳ね上がった桂馬を置き土産に
何とか羽生王座の執拗な連続攻撃をかいくぐり、戦地から脱出。
渡辺竜王の反撃は104手目、玉の頭に銀を投下。。
【 投了図・106手目△9五角 】
投了図での持ち駒
▲羽生王座: 金、銀、香、歩2
△渡辺竜王: 飛、桂、歩3
その反撃から2手後、羽生王座投了。
圧倒的なディフェンス技術と必要最小限の攻撃で、渡辺竜王
泥臭くも華麗な、そして驚きの勝利。。。
これで開幕2連勝。
勢いではなく、底知れぬ実力をみせつけながら渡辺竜王
王座奪取に早くも王手をかけてみせました。