第60期王将戦7番勝負/第6局「久保王将勝利!タイトル防衛成る」
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昨夜、将棋界から放たれた「柔らかい手」
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昨日より開幕いたしました
第60期王将戦7番勝負の第6局。
ここまで久保王将が3勝2敗とリードし
本局で勝利をおさめれば王将位防衛が決まる大一番。
カド番にたたされた若き挑戦者・豊島六段がこの窮地をしのぎきり
最終戦までもつれ込むのか。。
注目の第6局で先手となりました久保王将は
不動のエース「石田流三間飛車」を投入。
豊島六段がそれを居飛車で迎え撃つという
今シリーズを通してのテーマ「振り飛車対居飛車」模様で進行。。
【 一日目終了図・39手目▲6七歩 】
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀
△豊島六段: 銀、歩
一日目は39手目まで進行し
後手・豊島六段が封じ手の意思を示し終了。
注目される「封じ手」。
ためしにソフトに読ませてみたところ「最善手は△5五歩」でした
以下「▲6六歩にて(まだまだ)互角」との見解も。
そして豊島六段の封じ手は。。
一夜が明けまして、
40手目△5五歩。
ソフトが最善と判断した△5五歩でした。
しかし次の久保王将の手は▲6六歩ではなく▲6六飛。
棋譜中継コメント欄によれば、検討陣にとっても意外な一手だった模様。
こうなると当然のように、飛車交換へと進行。。
となるのかと思いきや、豊島六段の42手目は▲6五歩。。。
48手目△6六歩。
上図での持ち駒: 両者とのなし。
その後、久保王将の飛車と銀が
どこからどうみても窮屈な9筋に配置され、二日目の午前が終了。
何となく
豊島六段の方が伸び伸びと指しているように感じますが
そこは百戦錬磨の久保王将。心は10手先、20手先の模様へと
すでにむかっているのかもしれません。
そして午後からの戦いへ。
久保王将は▲同6六飛と応じ
50手目△同6六飛。
豊島六段も同飛車と応じて今度こそ飛車交換へ。
午後の戦いが華々しくスタート。
▲同 歩~△6九飛~▲6八金~△7九飛成~
55手目▲6一飛。
上図での持ち駒
▲久保王将: 歩
△豊島六段: なし
交換した飛車を豊島六段はすぐに盤上へ再投入し
銀と連結し龍を作りました。
久保王将も上図のタイミングで飛車を豊島陣営に投入。
△5六歩~▲同 歩~△7四歩~▲同 歩~△4四歩~
▲8一飛成~△4五歩~
63手目▲6五歩。
上図での持ち駒
▲久保王将: 桂、歩3
△豊島六段: 歩
久保王将も龍を作り、両者ともに敵陣に大砲を設置完了。
以下、歩をつきながら細かく模様を調整する豊島六段にたいし
久保王将は自ら角道を開け、「捌きに行くぞ」の合図。
ちなみに
上図の次の一手64手目を△7七角成とソフトは判断。
しかし豊島六段はじっと△4六歩。
これを見て
久保王将は▲5八金寄とこちらもじっと守りを固めます。
64手目から
△4六歩~▲5八金寄~△6七銀成~▲同 金~△4七歩成~
69手目▲4四銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: 桂、歩3
△豊島六段: 歩
両者とも大砲がその発射の合図を待つ中で
豊島六段は「と」金を作り、久保王将は角のラインに銀を投入。
双方の主張がぶつかる激しい局面に。。
△同 角~▲同 角~△3三銀打~
73手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲久保王将: 角、桂、歩3
△豊島六段: 歩
銀・角交換成立後、華麗に元の場所へ戻ってきた久保角。
いつの間にやら持ち駒にも大差が。。。
9筋にポツン構えているように思えた銀も
ここにきて利いてきて、豊島龍は動くに動けず。
またもや久保マジック発動なのか。。
△4八歩~▲3九金~△3八と~▲同 金~△4九歩成~
79手目▲8八角打。
上図での持ち駒
▲久保王将: 桂、歩4
△豊島六段: 銀
龍の活用が見出せない中
豊島六段は横ではなく縦から美濃囲いを崩し
久保玉に迫ろうとしますが、久保王将は軽快にかわしつつ
ここで豊島龍の捕獲を狙います。
豊島玉も同時に角のラインに捉える
心憎いばかりの絵心をみせる久保王将。
これは素人目にも
久保王将のペースとなってきました。
△7八龍~▲6八金~△8八龍~▲同 角~△4二金寄~
▲6六角~△7九角~
87手目▲7八飛。
上図での持ち駒
▲久保王将: 桂、歩4
△豊島六段: 銀
結局、飛車・角交換の形で龍を手放した豊島六段。
すかさず投入した角も苦し紛れにみえるほど。。
その角の意味を早々と消し去る飛車の投入。。
久保王将は厳しい一手で突き放します。
これをもって
形勢は一方的に久保王将へと傾きました。
△6八角成~▲同 飛~△4六金~▲5四桂~△4三金~
▲4二歩~△3一金~
95手目▲6四角。
上図での持ち駒
▲久保王将: 歩
△豊島六段: 銀
△3九銀~▲同 金~△同 と~▲3一龍~△同 玉~
▲4一歩成~△同 玉~▲5一金まで。
【 投了図・103手目▲5一金 】
投了図での持ち駒
▲久保王将: 銀、歩3
△豊島六段: 飛、金、歩
上図103手までで
後手・豊島六段が無念の投了。久保王将に凱歌が上がりました。
この結果、今シリーズの成績を4勝2敗とした久保王将が
見事、タイトル防衛を果たしました!
構想力、そして正確無比な終盤力。
久保王将が若き挑戦者にタイトルホルダーとして、強さを見せつけた
今回の王将戦となりました。素晴らしかったです!