デイズ。

物書きのはしくれのはしくれのはしくれ。で中学生。

おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。

藍雨です。

小説・日常のことを書いてます!
いよいよ高校生です。

リクエストも受け付けております!
よろしくお願いします。

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-目が覚めましたか?


突然頭の中で鳴り響いた声で、一気に意識を取り戻した。


「……トリップ、したのか?」

記憶を叩く景色。ここは、独り暮らしする前に住んでいた町の公園だ。

-まず、日付を確認してみてください。

「どうやってだよ?」

……って、なんで会話できるんだ。シャドウの姿はどこにもないのに。

しかも、傍から見たら俺は一人で誰かと会話しているような状態だ。

-携帯があるでしょう。

持ってなかったはずだが……。

確か、玄関のところでそのままトリップしたはずだ。何も持っていなかった。

-ポケットに入っているはずですよ?確認しましたし。

「確認しただって!?」

-えぇ。それも、私の仕事ですから。あぁそれと、声に出していただかなくても会話は成立するので問題ないですよ。まぁ、声に出していただいても構いませんが。あなたの姿は、周りからは認識できないので。

……意味が分からない。

透明人間状態ということか?

-透明人間という認識で構いませんよ。で、携帯のほう確認してください。トリップは、基本的に、深層心理が反映されて年代が決まるのですが、もしあなたが望まない年代にトリップしてしまっていたら、一度だけ変更可能なのです。

なるほどな……。

ポケットに手を入れる。本当に携帯があった。つくづく気持ち悪い。

起動して、カレンダーを見る。

……痛いな、やっぱり。

思い出される過去が、今日見た夢とリンクする。

「胡桃……」

-トリップし直す必要はなさそうですね。それでは、ご自由に行動してくださって結構です。

「は!?いきなりだな」

今の俺は透明人間らしいから、遠慮なく声を上げてしまう。

俺はシャドウを信用しすぎなのではないか。

いや、今更だろう、それは。

そんなことは、トリップする前に考えるべきだった。



とりあえず移動しよう。

……どこに行こう。

「胡桃に、会いたい……」

ハッと口を抑える。

誰に聞こえるわけでもない。そう分かっていても、無意識のうちに溢れた呟きに、自分で意表をつかれた。

「学校に行ってみるか……」

ここでこうしていても何も始まらない。

俺は、久々の故郷を歩き始めた。


トリップしているとはいえ、帰ってくるのは2年ぶりぐらいになる。

上京して最初の頃は、頻繁に連絡もとっていたし、休みには可能な限り帰ってきていた。

でも、最近は忙しさで誤魔化して、連絡すらとらなくなっていた。

こうして町を歩くと、懐かしさが溢れてきて、家族に会いたくなってくる。

商店街とか、匂いとか、全てが懐かしい。

夢の所為で思い出していた痛みが、少しだけ和らぐ。安心感が自分を包んでいくようだった。


トリップが終わったら、休みをとって実家に帰ろうかな……。




そうこうしているうちに、高校が見えてきた。

「そういえば、時間は……」

携帯で確認すると、ちょうど帰宅時間になろうとしていた。

俺も、胡桃も、周りの友達も、ほぼ部活をしていなかったから、出てくるはずだ。

「やっべぇ……」

怖い。

いつの間にか、足が震え出している。

これまで懐かしさに呆けて忘れていた目的を思い出し、怖気付く自分がいる。


ダメだ、このままじゃ。

今日夢を見て、あまりに吹っ切れていない自分と向き合った。

向き合ってしまったからには、どうにかしなければならない。

過去に縛られていては、ダメだ。

進むためにも、ここで立ち止まるわけにはいかない。

「……よし」

呟いて、正門をくぐり抜けた。


「なっつかしいな……」

まだ授業が終わっていない時間帯だ。誰もいなくて、静まり返った中庭と運動場が見える。

教室に行ってみようか………。

校舎の玄関に向かう。

あぁ、ちょうど体育祭の前の時期だったなぁ。

俺の通っていた高校の体育祭は、10月に行われる。

遅い時期で、暑さも和らぐから、熱中症を気にしたりすることなく、本当に大騒ぎする。

若かった頃を思い出して感傷に浸っていると、チャイムが鳴り響いた。

「あ、授業終わったのか……」

階段を上がる。教室は二階だから、すぐに到着。

ホームルームが始まっており、帰宅気分でそわそわしている雰囲気が伝わってくる。

教室の中をそっと見回す。

俺がいた。ものすごく変な感じだ。

……そして、視線を移す。

っ……。

息を呑む。心拍数が一気に高まる。


胡桃。

記憶が脳を麻痺させていく。

意識が、若かったあの頃に、連れていかれる。


時を遡る。高校生の俺に、意識を奪われていく……。








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