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読んだ本についての感想文と日々の雑感

ぼくはこの船から降りることができなかった。だから、楽になるために残された道は、人生から降りることだった。一段、また一段、と。夢でできた階段。一歩進むごとに、それらの夢に、さよならを言ったのさ。
友よ、ぼくは気違いじゃない。救いを求めて楽になる方法をみつけようとしているかぎり、人間は気違いにはなれない。どん底からはい上がろうとする人間は、飢えた動物のように狡猾だ。狂気の入り込む余地など、ありはしない。そこにあるのは、神より与えられた素晴らしい知恵。幾何学的な完璧さだ。夢に蝕まれて、ぼくの魂はボロボロになりそうだった。夢に向かって歩めばよさそうなものを。ぼくにはそれができなかった。
アレッサンドロ バリッコ「海の上のピアニスト」

フィッツジェラルドは見事な才能を持つ作家だったが、器用な作家ではなかった。そして失意のうちに酒に溺れるようになった。しかし、作家フィッツジェラルドの素晴らしい点は、現実の人生にどれだけ過酷に打ちのめされても、文章に対する信頼感を失わなかったことにある。彼は最後の最後まで、自分は書くことによって救済されるはずだと固く信じていた。(中略)フィッツジェラルドは死の間際まで、しがみつくように小説を書き続けていた。「この小説が完成すれば……」と自分に言い聞かせていた、「すべては回復される」。
村上春樹「スコット・フィッツジェラルド——ジャズ・エイジの旗手」

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「いままでなんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくはいきるときめた」

2016年11月16日02時13分

朝日新聞デジタル:「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記

 

数日前に目にしたこのニュースは、僕をとても悲しくさせた。

福島から横浜に自主避難した子供がいじめ(実際は犯罪だ)に遭っているにもかかわらず、学校が「いじめ」とは認めなかったという。児童は、自分をいじめる連中から暴行を受けた上に150万円もの現金を脅し取られていたという。

 

「お金もってこいと言われたとき すごいいらいらとくやしさがあったけど ていこうするとまたいじめがはじまるとおもって なにもできずに ただこわくてしょうがなかった(同記事より引用)」

数人の加害者に囲まれ「お金もってこい」と脅された時の彼の心の内を思うだけで、苦しくなりそうだ。これは、「子供の喧嘩」などという生易しいものではなく、立派な「犯罪」である。恐喝罪である。

 

「○○○(加害側の名) ○○(加害側の名)には いつもけられたり、なぐられたり ランドセルふりま(わ)される、かいだんではおされたりして いつもどこでおわるか わかんなかったのでこわかった(同記事より引用)」

また、この児童は殴る蹴るの暴行にも遭っている。これはいじめではない。傷害罪である。

 

子供の頃からこんなことしかできない程度の、一応人間らしい存在に更生などとても無理だ。更生プログラム自体無意味なんだ。こんな連中を少年院に入れたところで、まさに税金の無駄遣いだ。こんな子供、どうすればいいのだろう? こんな存在こそ、少年兵として今を時めく「駆け付け警護」にでも派遣してはどうか? 南スーダンあたりにでも。

 

これらの加害者以上に腹立たしいのが、学校の対応である。いじめられていた児童が学校に相談しても、「いままでいろんなはなしをしてきたけどしんようしてくれなかった(同記事より引用)」「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた(同記事より引用)」という。当然、教師としては、「いじめ」など認めたくなかろう。関わるのも面倒だし、いざ「いじめ」が発覚すれば学校における自分の評価も下がるかもしれない。保身に走る教師にとって、「いじめ」の対応ほど、いやなものはなかろう。

つまり、その程度の頭しか持たない、想像力がない教師が現在の教育現場には、一定数存在しているということだ。勿論、教師の中には子供達のために懸命に努力している方もおられよう。だが、一部の心無い教師(正確にいうなら「教師」ではないだろう。ただの「傍観者(こいつも税金の無駄使いなんだけれど)」に過ぎない)が「いじめ」という名前の「犯罪」が学校で行われていることを承知していながら容認しているのである。犯罪者を野放しにしているのと同様である。

 

学校という閉ざされた空間の中で、横行する犯罪。ネットを使って巧みに行われる「いじめ」もある。それを防がなければならない立場の教師の質の低下が著しい現代の教育現場。八方塞がりである。

 

偶然、この児童は、「いままでなんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくはいきるときめた」。そして現在は、フリースクールに通っているという。だが、中にはいじめ(「いじめ」という言葉をなくし「犯罪」としてほしい)に耐えられず、自ら死を選ぶ子供も少なくない。

 

「いじめはどこにでもある」「仕方のないことだ」などという一般論で片付けることはもうやめにしないか。また、「いじめをしてはいけない」「人権教育や道徳教育をもっと積極的に行わなければならない」などという空理空論を振りかざすこともやめにしよう。スローガンをどなりたてても何も解決などしない。そんなことは承知しているのだが。あえて、僕は、「いじめられたり学校がいやになったりしたらドロップアウトしてしまえ」といいたい。落ちこぼれたって、失敗したって、いつだってやり直せる。今は学校を卒業できなくたって、多少回り道をしたって、構わないという寛容な考えが広がらないものだろうか?

 

学校以外の生き方があることを、追い詰められた子供たちに教え、安全な場所に導く人たちが必要だ。それは必ずしも教育者でなくてもよいだろう。

子供に限らず、人間にはいつだって逃げ道が必要なのだから。

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最近、大西順子さんのTea Timeを、ほとんど毎日聴いている。
Hip Hopの曲があったりして、いささか面食らったが、彼女の強靱なタッチは、健在であり、
繰り返し聴くたびに、好きになる、そんなアルバムだ。
そして、彼女が十数年前にリリースしたアルバムも聴いてみると、
やはり、いい。
一つの作品は、何度も何度も鑑賞されて、初めてその価値について言及できるのだろう。
一度耳にしたぐらいで、わかった気になることは、鑑賞の対極にある状態のことである。

彼女が引退を表明した時にはひどく驚いたが、小澤征爾さんが指揮するサイトウ・キネン・オーケストラと一緒に、ラプソディー・イン・ブルーを演奏したというニュースを耳にしたときには、
聴いてみたいと思ったものだし、引退を撤回して、復帰してほしいと思ったものだ。

昨年のTokyo Jazzで復帰。
そして、今年の6月には新作Tea Timeをリリース。
すばらしいアルバムをリリースした彼女のこれからの活躍に期待だ。
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最近小熊秀雄の一編の詩「孤独の超特急」を知った。
冒頭から終いまで、やりきれない悲しみと癒しがたい孤立感とに始終苛まれている男の、
その男のうたごころとでもいったものが横溢している。
中原中也と同じ傾向を感じるが、そこまでのユーモアは溢れておらず、
困ったものだ。
ある事象に関心を寄せるとは、それを好きだろうが嫌いだろうが、
関心とは愛情表現のひとつに他ならない。
その意味において、「愛」の対義語は「無関心」なのである。


孤独の超特急

触れてくれるな、
さはつてくれるな、
静かにしてをいてくれ、
この世界一脆い
私といふ器物に、
批評もいらなければ
親切な介添もいらない、
やさしい忠告も
元気な煽動も、
すべてがいらない
のがれることのできない
夜がやつてきたとき
私は寝なければならないから、
そこまで私の夢を
よごしにやつて来てくれるな、
友よ、
あゝ、なんといふ人なつこい
世界に住んでゐながら、
君も僕も仲たがひをしたがるのだらう、
永遠につきさうもない
あらそひの中に
愛と憎しみの
ゴッタ返しの中に
唾を吐き吐き
人生の旅は
苦々しい路連れです、
生きることが
こんなに貧しく
こんなに忙しいこととは
お腹の中の
私は想像もしなかつたです。
友よ、
産れてきてみれば斯くの通りです、
ただ精神のウブ毛が
僕も君もまだとれてゐない、
子供のやうに
愛すべき正義をもつてゐる、
精神は純朴であれと叫び
生活は不純であれと叫ぶ、
私は混線してますます
感情の赤いスパークを発す、
階級闘争の
君の閑日月の
日記を見たいものだ、
私の閑日月は
焦燥と苦闘の焔で走る、
孤独の超特急だ、
帰ることのできない、
単線にのつてゐる
もろい素焼の
ボイラーは破裂しさうだ。

小熊秀雄
「小熊秀雄詩集」所収」
1935
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こういった記事を読んでいると、レディー・ガガのことが好きになってしまうな。

「レディー・ガガは、ソーシャルメディアで中国からの反応には言及していない。」
「中国がレディー・ガガ批判、ダライ・ラマと対談に『国民激怒』(http://jp.reuters.com/article/lady-gaga-dalai-lama-idJPKCN0ZF0AY)」

「プリンス、人生を私たちと共有してくれてありがとう。あなたは授けられた才能を共有せざるを得ないと感じて、匿名でいることを諦めてくれた。私たちはものすごく多くを学んだわ。あなたはただ、少し早く神を見つけただけ。神は天国で革新するために、上からあなたを必要としていたのね」
「レディー・ガガ、プリンスに『ありがとう』(http://www.mtvjapan.com/news/music/26902)」

「2011年3月11日に発生した東日本大震災に対し、ガガは即座に「WE PRAY FOR JAPAN 日本の為に祈りを」とデザインしたブレスレットを作成し販売。「収益はすべて日本に寄付する。モンスターたちよろしく」と自身のツイッターでコメントした。その後ブレスレットは2週間で1億2000万円以上売り上げ、全額寄付された。」
「そして2011年6月21日、多くの海外スターが来日をキャンセルする中、ガガは4回目の来日を果たした。放射能は怖くないのかという質問に『平気よ。世界のみんなに日本という美しい国を見てほしいわ』と語った。ガガは10日間の滞在で多くのメディアに出演し、記者会見では自身の手書きで『日本の為に祈りを』と書かれたティーカップに口紅の跡を付け、オークションに出品した。売り上げは全額震災の寄付に充てられる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/レディー・ガガ
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十年ほど前(二〇〇五年の夏頃)、僕は郷里(四国)にある、とあるシステム会社に勤務していた。社長はジャズとオーディオが好きな人で、オーディオルーム(その会社にはなぜかそんな部屋があり、ばかでかいホーン型をしたスピーカー(avantgarde)が据えられていた。僕はそんな商品名さえ知らなかった)で、二人でジャズ(社長は自分が好きなKeith JarrettのSun Bear Concertsのレコードに聴き入っているのであった)を聴きながら、しきりに僕に向かって、松山でジャズ喫茶をやろうというのであった。
「どうせ、昼間は暇だから、お前は小説でも書いてろ。夜は酒でも出すかー」という、
いたって、ゆるやかな指示があったのだ。

が、当時三十代後半の、都内にある出版社を退職して田舎で自分ができる仕事も見つけられず、切羽詰まっていた僕には、社長の言葉がまるで絵空事にしか聞こえず、
「それはちょっと、むずかしくないでしょうか」と、
これまたゆるやかにかわしていた。その間、Keith Jarrettのピアノが鳴り続けている(まさか、その十年後に自分がSun Bear Concertsにどはまりすることとも知らずに)。

人生にはいろんな分岐点がある。今になって思えば、一か八かやってみればよかったな。コーヒーの焙煎をならっておけばよかった。なんだか楽しい思い出だ。今度、そんな機会があれば、やってみよー。ジャズという即興演奏を好む人間が失敗を恐れることは、そもそもにおいて自己矛盾なんだから。
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「介護保険法」に規定されている認知症対応型共同生活介護(以下、グループホーム)では、入所する一人ひとりに1つの居室を設けることになっており(例外あり)、9人を「1ユニット」として、固定された介護職員が生活を支援している。たいていのグループホームでは、1の施設に2ユニットを設けている。僕の勤める施設も同様。ところで、明日から僕は、自分がこの一年半ほど勤務したユニットから、別のユニットに異動になるのである。利用者様のこともわからず、そればかりかそこで働くスタッフのこともよくわからない職場に向かわなければならない。それもある程度の責任者(このあたりの権限と責任とが明確にされていないから気分が悪い)としてである。朝8時半に出勤。十数名分(利用者様とスタッフ)の昼食を作り、身体介護と生活介護とを行う。事務作業もそこそこにある。今月は外部評価も受けなければならない。むむむっと思いながら、Robert GlasperのBlack Radio 2を聴きながら、焼酎のお湯割を飲んで、頭をリラックスさせる今夜。
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敷居が高いジャズの中でも、とりわけ何から聴いていいかわからない代表であるJohn Coltrane。

1966年7月22日に新宿厚生年金ホールでライブ録音されたPeace on Earthを、僕はとりわけ気に入って聴いている。
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