新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

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 「人狼 JIN-ROH」Production I.G製作、沖浦啓之監督、脚本、原案。
 父の死をきっかけに、母親とともに瀬戸内海へと引っ越してきた少女・ももが、そこで出逢った妖怪達との交流を経て成長していく姿を描くハートフルファンタジーアニメ。


 昨年、一昨年と不調の続いたI.Gだが、ここへ来てようやく本領発揮といったところ。派手さこそないものの、日本有数のアニメスタジオらしい、確かな仕事ぶりを見せつけてくれる良作。

 父を失ったショックも癒えぬまま、東京から見知らぬ田舎町へと連れてこられたももの視点を通し、少女ならではの繊細さや天真爛漫さ、そして逞しさを、温かで瑞々しいタッチで描いていく本作。
 瀬戸内の穏やかな気候をも描き込まれたかのような美しい景観と相俟って、実写かそれ以上にイキイキとした人間ドラマを見せてくれる。
 いわゆる「萌え絵」でなく、それでいて写実過ぎない、丁度よいキャラクターデザインも高ポイント。あの作画のおかげで、お風呂上りに扇風機の風をシャツの中に入れるシーン等、ともすればフェチズムと厭らしさ全開になりかねない場面も、小学生らしい無邪気さ、無防備さの表現にうまく昇華されていたと評しておきたい。

 ももとその母親・いく子「見守り組」として二人に付きまとう妖怪3人(?)を中心にしつつ、彼女達を周囲の人々を効果的に配置、掘り下げ、血の通った物語に仕上げている点、特にももと島の子供達との関係性は、それぞれの生まれ育った環境を考慮してか、いきなり仲良しこよしにせず、むしろ常に一定の距離を保って接しているところは、非常に素晴らしい。
 本編のラスト、橋の上からのダイブするシーンは、まさしくももが島の子供達に順応し、ここで生きていく決意をした瞬間に違いあるまい。

 ももの母親が東京のマンションを売り払い、遠く離れた瀬戸内までやってきたのは、夫との未練を断ち切り、自分の胸の内へと押し込めようとする想いの表れに他なるまい。おそらくは郵便配達員である元同級生の下心に気づきつつ、あえて話しを合わせていたのも、そんな心境の表れとも取れる。
 同じ胸の傷を抱えながら、後悔の念からいつまでも父を忘れまいとするももと気持ちの上ですれ違い、時に衝突しながら、最後は自分とお互いの心に素直に向き合う。その意味で彼女は、ももとは別の視点から物語を捉えた、本作のもう一人の主人公と言える。

 本作のタイトルでもあり、キーでもある「ももへの手紙」に、ももの父親は何と書くつもりだったのか。まったく個人的な見解を述べさせていただくと「重要な事はすべてそこに書いてあった」と察する。
 その昔、観測のため南極にいる夫に、妻が「アナタ」とモールス信号で電信文を送ったという話しはあまりに有名であるが、あの父親も、ももに対し言いたい事が数え切れないほどあったはず。
 それは「ゴメンね」かもしれないし、「気を使ってくれてありがとう」かもしれない。あるいは「父さんの仕事はみんなにとってすごく大事なものなんだ。ももはもう大人なんだから分かってくれるよね?」だったかもしれない。もちろん具体的には分からない。
 しかし何より、相手の事を思い、伝えようとする気持ちがなければ、手紙を書く事も、まして名前を書く事もない。ただ、それが言葉になるかならないかの差、である。
 つまり、何と書くつもりだったにせい、父親は誰よりもももの事も思い、慮ったからこそ、あの「ももへ」という一文を書いたのだと勝手に推測する。ものすごく飛躍した解釈だが、本作はももと母親が、そのメッセージに辿り着くまでの物語ではないかと思うのだが、いかがだろうか。
(意図してそうしたという意味ではない。念のため)

 
 さて、このままだと小生がいい人みたいな印象を与えてしまいかねないので、極悪非道の妖怪らしく軽く苦言を呈してみる。
 本作のキモである妖怪3人組。存在自体はすごく面白く、機能的な働きをみせてくれたのだが、それだけに最後はもう少しいいアクションがほしかったところ。
 もものピンチに仲間の妖怪を集めて援護、というフラグ的なモノはあったものの、少々弱い。または、彼等の能力だけでギリギリまで頑張った末に…というのがあっても良かったように思う。
 まあ、ダッシュと屁でどうやって台風に挑むのかは別にして…。

 それから、できれば彼等が地上に降りてきた理由は、最後までももに教えない方がよかった気がする。あくまでトラブルメーカーにして観測者に徹するというのも手だったと思うが、まあ、その辺は脚本も手がけられた沖浦監督の采配が最善だったと信じよう、ウン。


 例の震災からこちら、あらゆるメディアで「絆」という言葉が連呼されるようになって久しいが、本作はまさしくその「絆」の原点といえる家族を繋がりを、純朴に、しかし高らかに謳い上げた傑作と断ずる。
 願わくば、一人でも多くの人がこの映画を鑑賞し、身近な人への感謝と尊敬を念を思い出してくれる事を切に望む。
 ついでに瀬戸内に観光客が増える事も(以下略)。

 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆★★+++

 おいでませ山口(違)、星3つプラス3つ!!



 余談だけど、母親役の優香が意外と違和感なくて良かった。若い子は知らないかもしれないけど、このお姉さんは昔、巨乳アグラビアイドルとしてブイブイ言わせてたんだよ。
 いつのまにか、演技も上手くなってたんだねぇ。主演するドラマは片っ端からスベリたおs(以下略)。






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