新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

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 マイケル・ルイス原作のノンフィクション書籍を、「カポーティ」ベネット・ミラー監督、ブラッド・ピット主演で映画化。セイバーメトリクスと呼ばれる理論を用い、経営危機に瀕した球団・オークランドアスレチックスを再建しようと奮闘するゼネラルマネージャーの姿を描く。


 野球にはあまり詳しくないのだが、そういえば何年か前、メジャーリーグで連続勝利の歴代記録を更新したとか何とかいうニュースをやっていたなと、本作を観ながら思い出した。
 ウィキで調べてみたが、ちょうど小橋健太GHCヘビー級チャンピオンベルトを戴冠し、それから2年以上に渡って「絶対王者」としてプロレス界に君臨していた時期の前後と判明。なるほど、まるでそっちに興味が行かなかったのも無理はない。
 何せあの頃の小橋と言えば、絶望的と言われた膝の故障から奇跡のカムバックを果たし、しかも当時最強王者と謳われた故・三沢光晴を超必殺のバーニングハンマーで粉砕しての戴冠。常に全力全開のファイトスタイルとも相俟って、強くてカッコいいプロレスラーの象徴としてマット界内外から注目を(これ以上続けると、何の感想だか分からなくなりそうなので割愛)

 さておき。
 正直、チーム内外のゴタゴタがひたすら続く前半約1時間は非常に退屈ながら、チームが軌道に乗り、常勝軍団へと変貌、画面が裏方中心から試合シーンメインへとシフトしていくにつれ、見応えも右肩上がりに上昇。実際の映像を要所要所に挿入し、あたかも本物の試合を観ているような臨場感を作り上げている。
 また、人物の描き方が実に秀逸で、例えば、チームが連敗中の時と勢いに乗っている時では、同じ解雇を言い渡すにしても選手のリアクションが明らかに違う等、明確さを持たせてあり、こちらも高評価。
 個人的に特筆するなら、シーズン前から欲しかった選手を見事獲得できた時の、ブラピ演じる主人公ビーンと、彼にセイバーメトリクスを紹介し、補佐する役職となったブランド「静かに、しかし全身で吠える」喜び方がとても良かった。ここまでを踏まえるなら、映画としての完成度は平均値よりはるかに高いと評していい。

 が、これを美談かと言われれば、正直クエスチョンが浮かぶのもまた事実で、いくら弱小貧乏球団を常勝軍団へと生まれ変わらせる秘策とはいえ、スカウトや監督、あるいは選手の意見を無視し、独善的人事を強行する事が英断とはとても言いがたく、まして、それである程度の結果を出せたのだから自分は正しかったと言い切るのは、非常に危険に思える。
 確かに彼の行動がなければ、旧態依然としたスカウト達のやり方を変える事は出来ず、チームの意識に働きかける事は変わったかもしれない。皆から意見を出し合い、コツコツ問題点を直していくより、一気にスピード改革できるワンマン編成のメリットも理解しているつもりである。
 しかし、組織として活動し、まして観客にサティスファクションを提供する立場にある団体のトップが、誰も手伝ってくれないから自分で勝手にやっちゃうもんね、では「独裁的」との誹りを受けても、反論の余地はあるまい。
(余談だが、独裁政権は上記したメリットと同時に、トップの恣意的な見解に流されやすく、また、長続きしにくいというデメリットもある。それをしっかりと理解したうえで、先日の某市長選に投票した府民が、果たして何人いた事やら…)
 本作はゼネラルマネージャー本人の視点から描かれた作品のため、まるで彼の行為がまっさらな善行のようにも見えてしまうが、監督や選手、スカウト陣の視点から見れば、彼は完全にヒールだったに違いない。おそらく小生が、当時のメジャーリーグに注目し、アスレチックスのこうした事情を知っていたなら、本作のアナウンサー同様「健全ではない」と称するだろう。

 ノンフィクションにネタバレもヘッタクレもないので書いてしまうが、彼と彼のチームがワールドシリーズ進出を逃した2年後、レッドソックスが彼の実践した理論を用いて、ワールドシリーズ制覇を成し遂げている。
 そこの裏事情まではさすがに存じ上げないが、おそらくレッドソックス内部では、この理論に対する(ビーンが実践した)信頼性と効果について意見が一致し、人事のそれぞれが機能的に動いたのは、想像に難くない。
 彼に必要だったのは、出場選手を恣意的に動かす事ではなく、チームに関わるすべての人に「こういう事をやりたいから、みなオレに協力してくれ。結果が出せなかったらその分の給料は要らないし、雑用でも何でもやる。その代わり、1シーズンでいいからオレの思うとおりにやらせてくれ」と時間をかけてお願いする事だったのではないだろうか。
 そういう意味では、本作はメジャーリーグ(または野球そのもの)のために人生を棒に振ってしまった男の、孤独な復讐劇とも受け取れる。チームのために切った身銭がソーダぐらいでは、誰も賛同しなくて当たり前だと思うのだが、如何だろうか。

 前に怪物ランドのプリンスの映画でも書いた気がするが、リーダーシップはただワガママをまかり通す事ではなく、皆のためと信じる理念をひたすらに邁進し、そこに伴うあらゆるリスクを背負う覚悟を決めた者にのみ備わる称号である。
 その辺をもう少し上手く描いてほしかったが、まあ、史実を曲げてまでイイハナシダナーにする必要もあるまい。


 そういえば話しはコロッと変わるが、ブラピが50歳を境に俳優業を引退し、後はプロデューサー業に専念するという、大変ショッキングなニュースを耳にした。
 長年ファンをしている身としては非常に残念だが、できれば引退する前に小生の大好きな「ファイトクラブ」のようなイカレた悪役を、もう一度演じていただきたい。
 今の彼の実力なら、ハンニバル・レクターでも彼流に演じられるに違いない。マジでお願いします。

 
 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆★★+

 てか、広島カープもこの理論使えばクライマックスシーズンぐらい行けるんじゃね?星3つプラス!!







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