新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

 映画レビューだったり、ヲタ話しだったリをゆるく更新。
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 「THE有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」三谷幸喜監督最新作。落ちこぼれの女弁護士が、ある殺人容疑者の無罪を勝ち取るべく、唯一の証人である落ち武者の幽霊を証言台に引っ張り上げる、涙あり笑いありの痛快ドタバタコメディ。

 
 奇想天外に見えて、あくまで基本に忠実。多少詰め込みすぎた感はあるにせよ、コメディ映画とはこうあるべしというお手本のような作品。

 その奇抜すぎるアイディアにばかり意識が向きがちだが、その実、登場人物の丁寧な掘り下げ、完璧なキャラクターポジショニング、そして計算され尽くしたストーリー構成で、まさに付け入る隙のない磐石の仕上がり。
 安直な出オチネタや、スベリ芸などという素人のお遊戯に走る事なく、普通の人間の行動をクローズアップ(主観)とロングショット(客観)の切り替えて見せる事でおかしさを作り出し、同時に、そこに至るまでの経緯までも明らかにする事で、シチュエーションそのものを舞台装置化させている。

 例えば作中、阿部寛氏演じる厳格な弁護士が、法廷でタップダンスを踊るシーン。ここだけを切り抜けば、ただのデカいオッサンがふざけているだけにしか見えず、面白くも何ともないが、何故そうするに至ったか、何故タップダンスなのか、さらに彼のキャラクター性などを集積を経て、はじめて笑いとして昇華できる。

 昨今、アホみたいな格好したいい大人が、アホみたいな事をやるのが面白いと勘違いしているアホ芸人もどきが多発しているが(随分淘汰はされたけど)、そんなモノが面白いわけがない。
 何故なら、アホな格好をしてるヤツがアホな事をするのは当たり前で、そこに意外性、すなわち「溜めと放出」「緊張と緩和」という笑いの絶対的方程式が成立していないからである。

 20年近く前、何かのテレビ番組でモロ師岡さん(だったと思う)が「ハンカチと間違えて娘のブラジャーを持って来てしまったサラリーマンが、身の潔白を証明するために最終的にそのブラジャーを着用する」というようなコントを演じておられ、窒息寸前まで笑い転げた事があったが、まさにこの「日常の中の非日常」「普通の中に生じる小さな異常」こそ、笑いの基本であり、全てであると小生は信じる。
(もちろん、多少なり例外はあるだろうが)
 
 本作の凄さは、その辺を十二分以上に踏まえた上で、且つ、物書きを志す人なら必ず一番最初に習う5W1H(Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(なぜ)How(どのように))を徹底的に追求・特化させる事で、映画一本分のシナリオとして成立させてしまった点。むしろここに、本作の全てが集約されていると断じて良い。
 普通、落ち武者の幽霊など、どれだけ面白おかしく弄ってやろうかと考えるところだが、あえて過剰な扱いをせず、特に中盤以降、証言台に立っていても違和感がないくらいに周囲と順応、馴染ませてしまうところなどが、まさしくその象徴と言える。

 余談だが、上記した5W1Hには配役、つまり「この俳優が、こういう役を演じて~」というのも含まれていると察する。それにしても、常連組とはいえあれだけの豪華俳優陣、どうやって声をかけたのだろうか。ちゃんとギャランティーは払えるんだろうか。
 それともほとんど友情出演とか?うーん、監督の人望が成せる業か。気になる。


 一つだけ苦言があるとするなら、やはりその上映時間。いくら出来が良いとはいえ、コメディに2時間半は正直長すぎる。
 監督としては、やりたい事をできるだけ詰め込みたく、削れる部分など1カットもなかったのだと察するが、それでもこの手の映画は最長でも2時間以内、理想を言えば1時間半前後にまとめるのが妥当かと考える。

 それから、これは苦言というより個人的な邪推なのだが、こうも作りに隙のないと、逆に息苦しさなどを感じてしまう人もいるのではないだろうか。
 まるで、勝ちにこだわるがゆえのファイトスタイルとでも言おうか、そこに魅了される人も多い反面、もっと博打的な戦い方もしてほしかった、という意見も少なからずあるのでは。
 
 もっとも、負けず嫌いの監督の事。そういう意見をも封殺するために、今後より隙のない作品作りに臨まれるのではないかと、勝手に予想してみる。


 これが三谷監督の最高傑作とも究極の娯楽映画とも言わないし、思わないが、映画館に観に行く価値は充分にある。
 特に物書きを目指す人、お笑いで飯を食おうと思っている人にとっては、非常に良い教材。観といて損ナシ!

 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆☆★

 星4つ!!





 ちなみに上記したコントはコレじゃない。うーん、内容もおぼろげにしか覚えてないし、できればもう一回見たいけど、どっこ探しても出てこない。やっぱり違う人なのかなぁ…。




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