新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

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 「ゲド戦記」宮崎吾朗第2回監督作品。1980年代に「なかよし」で連載された少女漫画(高橋千鶴・作画 佐山哲郎・原作)をスタジオジブリ制作でアニメ映画化。
 
 ちなみに「コクリコ」とは、フランス語で「ひなげし」の意味なんだそうな。ずっと鶏の鳴き声だと思ってたわ(笑)。

 さておき。

 前作よりはだいぶマシ…とは言うものの、決して褒められる出来ではないのが現実。今さら偉大すぎる実父との才能の差は比べるべくもないが、果たして彼にこの先、親の資産で映画を撮らせてもよいのかと、大いに疑問の残る内容。

 既に完結した原作、しかも宮崎駿丹羽圭子両氏による脚本のため、物語自体はそこそこ面白いのだが、それを生かす演出やキャラクター描写、キャメラワーク等が、まるで伴っていない。前作同様、ただただストーリーをなぞるだけの絵になっているので、展開にメリハリがなく、ひどく単調に感じてしまった。

 まず第一に、ジブリの代名詞ともいうべき食事のシーン。
 出される料理がまったく美味しそうに描かれていないのもそうだが、魚の小骨の取り方、ハムエッグの黄身の食べ方、納豆をかき混ぜる回数、あるいは箸の持ち方や食事中の態度、姿勢等、キャラクターの個性を表わすのにもっとも重要な要素であるにもかかわらず、その辺の要領を得た画面作りが、ほとんど成されていない。
 一部偶発的にそうした部分が垣間見える点から、おそらく脚本の段階では、それらを踏まえた上での行動やセリフが盛り込まれていたと察するが、こうした日常風景がいかに大事であるかという事を、何一つ心得ていないように思える。
 
 また、ちょっとした仕草や表情、言葉の言い回しなど、常にのっぺりとしていて変わり映えしていなかったのも、いただけない。
 主人公・に対する気持ちの変化はもちろんだが、の妹・の憧れの対象が、からその親友の水沼に移り、それがやがて恋心に変わっていく様子(または水沼に対する想い)を、もう少し掘り下げてくれれば、物語にも奥行きが生まれ、登場人物への感情移入度も高まったはず。
 個人的には、の自転車に乗る場面で、異性を意識した恥じらいの表情の一つもなかった事に、不満というより疑問を感じた。いくらあの時点で好意がなかったとしても、少々躊躇ってみせるのが自然では?

 さらに苦言を呈するなら、演出面の拙さ。
 例えば、が初めてカルチェラタンに訪れるシーン。二人にとって人跡未踏の地にも等しい、あの場所に足を踏み入れた心境を表現するのに、断面図を上へパンはない。せめて、エントランスから実寸無視の見上げる構図で、カオス全開の屋敷内全体を写すのが定石のように思うが、いかがだろう。
 そのカオスな面々との昭和モダン馨る青春群像劇を軸に、の甘酸っぱい恋物語を絡めていけば、もっと娯楽作としての完成度もあがったものを。
 …いや、実際にはそうしてあるのだが、各エピソードの濃度が近しいうえに薄すぎるため、逆にまとまりなく感じてしまったのかもしれない。どちらにせよ勿体ない。


 他にも劇中歌、劇中曲の使い方があまりにお粗末、群像劇の命とも言うべきモブシーンが明らかに手抜き、相も変わらずカット割りが大雑把、等々、ツッコミどころを挙げれば枚挙にいとまない。
 酷な言い方をするが、本作の監督には、アニメ作家としての能力がまったくと言っていいほどない。
 例えばシェイクスピアのような、今まで何百回、何千回と映像化、舞台化された作品でも、その監督・演出家によっての解釈が無限に存在するというが、本監督にはそうした、原作や脚本を通じ、自分ならこうする、自分はこう考えるという発想、直感が経験則として備わっていないように思われる。

 どういう経緯でこうなったか、詳しい事情は存じ上げないが、世の中には死に物狂いで勉強し、死に物狂いで働いて、それでもアニメ監督になれない人がたくさんいる(はず)なのに、なぜ父親が超偉大なアニメ監督というだけで、しかも日本有数のアニメスタジオで映画が作れるのか。軽い嫉妬と憤りを覚えてしまう。

 今さら遅い気もするが、本監督はこれから最低10年は、アニメを含む様々な作品に触れ、一から勉強し直した方がいい。このままの調子で作品を撮り続けるなら、ジブリは間違いなく近い将来消えてなくなる。
 これからアニメ業界は、あなた方のふがいなさがこうした事態を生み出した事を強く認識し、ヲタクのためのヲタクではなく、ちゃんとした作家の育成に尽力していただきたい。


 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、

 ☆☆☆★★---

 脚本と歌以外、褒めるところなし。今回はちょっと厳しめに行きます。星3つマイナス3つ!!

 


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