ラジオを聞きながら車を運転していたら、
ラジオで絵本を朗読して紹介するコーナーというのがあった。
朗読される絵本は、読んだことも聞いたこともない「風が吹くとき」という絵本。
「今日のお話は 風が吹くとき です。
とても、恐ろしくて怖い、考えさせられる お話です。」
パーソナリティがそんなことをいいだしたので
集中して聞いてみる。
年金生活をする老夫婦の住む家の近くで
核ミサイルが爆発し、被曝した老夫婦が励ましあいながら生き延びようとする
・・・な感じの話なんだけど
そこまで怖い話とは思えなかった。
ただ、絵本にしては、戦争だの、ミサイルだの重い話だなとは感じた。
実際の絵本が気になってネットで調べてみる。
初めて読んだ時の衝撃は凄いものがありました。
見てから3日は立ち直れませんでした。
トラウマ映画ベスト5を上げるとしたら確実に入る作品。
レビューがどこも凄まじい。
絵本版だけでなく、アニメ版もあるらしく、
ニコニコ動画にアニメ版がアップされてたので見てみる。
・・・・・・・。
わかった・・・。
なぜラジオじゃそこまでいうほど怖いと感じなかったのか。
ストーリー単体が強烈なんじゃなく、
子どもが楽しめるメディアである、絵本やアニメというものの暖かさ、
そして、この作品の絵柄自体の 暖かさ、
その暖かさと、核攻撃や、放射能という残虐さの組み合わせがめちゃめちゃ強烈・・・。
例えるなら、
クレヨンしんちゃんというキャラクターと 一家心中というストーリー、
アンパンマンという世界観と 阿鼻叫喚の地獄絵図という世界観、
絶対に混ぜてはいけない組み合わせをあえて組み合わせ、
それが強烈な皮肉になっている。
まだ、ラジオやレビューでおおまかなあらすじを知った状態で見たから
心に準備があったけど、
本当に何も知らずに、暖かい絵柄で始まる暖かいストーリーを期待して見てたら
一生消えることのないトラウマを植えつけられてたと思う。
子供の時ならなおさら。
絵本は、意外に残酷なストーリーが多いというが、
ストーリーが残酷なんじゃなくて
絵本というメディア自体がもつあたたかさゆえに
ちょっとした悲劇だけで残酷になってしまうだけで
この "風が吹くとき" も 小説や実写映画なら
たしかに悲惨なストーリーではあるけど
そこまでトラウマになるような作品にはなっていなかったと思う。
だから、この作品のストーリー自体に深く考えさせられるというより、
核や戦争、放射能というリアルな題材を、 暖かい "絵本" "コミカルなアニメ"というメディアで表現したら
ここまで その良さをメチャクチャにして暗く怖いものにしてしまうか
というところに深く考えさせられた。