へのへのもへじ

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妻があわただしく出かけていきました。
義父のところに行って、年末年始の支度をするのです。
先週、義父の風邪のため想定外の介護に出かけていましたから、体も心も疲労できつくなっているようです。

高速バスのターミナルまで送っていって、戻ったら居間の窓にへのへのもへじが書いてありました。
出かける間際に庭を見て何か言っているなと思ったのですが、そのときに書いたようです。

こうして、ひとり心を奮い立たせて、行ったのだと思いました。

老人とブログの海-へのへのもへじ
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あたり

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一人暮らしの義父が熱を出したので、妻が駆けつけました。
95歳です。
義父の近くに住む義弟夫婦が旅行から帰るのを待って、昨日帰宅しました。

妻は、六日間の不在でした。
私は一向に不自由を感じませんでしたが、義父はしきりと私に悪いといっていたそうです。
妻は義父が彼女の都合や気持ちを斟酌してくれないことに不満で、「私には?」とつい聞いたら、「あんたはどこにいてもやらなきゃならないことは同じだから」と言われたそうです。
妻はその直後は「自分の親だけど口も利きたくない」と怒っていました。

それでも、義父も体調もだいぶ回復して、妻はほっとしています。

いつもはバスで帰ってくるのですが、電話で話しているときの様子が、精神的にも肉体的にもかなり疲れている様だったので、申し出て車で迎えに行きました。
義父が気にするといけないというので、いつものように電車とバスを乗り継いで帰る振りをした妻を、実家から少し離れた場所で拾って帰宅しました。

2時間弱のドライブの間中、妻はしゃべり続けていました。
そして、「まあ、こう考えてみると、あなたは『あたり』だったわね」といいました。
私が何も言わないでいたら、「あなたにとっても私は『あたり』だったとおもうけど」と付け足しました。

その軽口を聞いて、介護を通じて蓄積したストレスで凝り固まっていた彼女の機嫌が少しずつ直っていると感じ、それはそれなりにほっとしました。

今朝は朝から、ちょっとした生活習慣の行き違いでまた口げんかをしました。




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DV

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NHKのドラマ『シングルマザーズ』を観ていました。

DVで夫から逃げた母子を中心に、シングルマザーたちが助け合いながら厳しい現実を切り開いている姿を描いていました。

こういう問題はたいてい現実のほうがドラマより厳しくて、ドラマにリアリティーが無いことが多いのですが、このドラマは、話を面白くするよりは実際にあった話をいろいろ継ぎ合わせて映像化するといった、教科書の叙述のような印象の話の展開でした。それがかえってドラマに説得力を持たせていたように思います。

最終回の一場面で、はっとしました。

DVで妻に逃げられた男が、もう一人の同じようなDV男(ヒロインの元夫)に言います。

「私は、逃げた妻の気持ちも、自分のやったことが何だったのかもわからなかった。しかし、そんな私が妻を捜して、DVの被害者だったあなたの奥さんに出会い、『妻が勝手に逃げた、私は腹が立っているけど会えば許すつもりだ』と告げたとき、彼女は激しくパニックを起こした。それを見てはじめて私は、自分が妻に何をしてきたのかを悟った。」

これは、まさしく私が、このブログをはじめた初期に出会った場面でした。

今は消してしまっている記事ですが、ブログで少し行き来していたある女性が、私が妻に言ったと書いた非難の言葉か何かに激しく反応して、私をコメントで「とても許せない」みたいに激しく非難なさったのです。
私はその反応にびっくりしたのですが、その方もご自分のご主人から徹底的に言葉などで攻撃を受けていたようでした。
私はむしろちょっと気のきいた話のつもりで書いた記事でしたので、心外でもあり不思議でもありました。そこで、ちょっとシチュエーションを変えて、「知人の女性と話しているときに、あなたとのことをこう話したらびっくりするほど非難されちゃった。」といって妻の反応を見てみました。
すると妻が泣き出し、あなたの言葉の暴力には本当につらい思いをしてきた、でもどうせ言ってもあなたはわからないと思っていた、と言い出したのです。
ブログで、一人の女性の私に対する激しい怒りに触れていなかったら、私はいつものように妻のわがままや身勝手な思い込みを非難するという、得意の論調を展開していたでしょう。そして妻は、ほらやっぱりと思ったことでしょう。

私はひどく妻から理不尽な扱いを受けていると感じつつ、妻の言い分をじっと聞きました。
そして私がどんなつもりで言っているにせよ、いろんな場面でいかに妻の気持ちを傷つけ続けてきたのかを、少しずつ理解するようになったのです。

そういう意味では、見ていて心が痛むドラマでした。
そして、私に呪詛とも思えるような言葉を投げつけたあのブログの女性に、改めて感謝したい気持ちになりました。





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風の便り

数日、強い西風が吹いた。

私の町にこの風が吹くときは、遠い西の友人の町に雪が降る。
何年も前にそのことを知らせておいたら、昨日、しばらくご無沙汰していたその友人から、「雪が降りました、西風が吹いていますか」と、メールが届いた。

小さな仕事の山を越えて、三日吹いた風も今夜はうそのように止んで、私は街へひとりで飲みに出た。

この風が止むと、街はきりきりと冷えてくる。

寂れきった盛り場のなじみのスナックで、手持ち無沙汰のママさんと、入浴剤の話をした。
先日、昔のクライアントのお母さんからいただいたのだが、我が家では入浴剤を使う習慣が無くて、もてあましているといったら、ママさんは「私は入浴剤が好き」という。
貰い手が見つかってよかった。

店を出て、静かに澄み渡った空を見上げ、オリオン座を見ながら昨日もらったメールのことを思い出した。

つながりのある嬉しさをかみ締めながら、風の便りって、このことかなと思った。

夕日

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数日前、海辺の町で夕日を見た。


若い女性が二人、携帯でその夕日を写していた。
風が冷たくて、私はながくは外にいられなかった。

若さがひどくうらやましかった。

老人とブログの海