妻は優しく車をなぜた

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九月に車検切れとなるので、妻は自分の車の買い替えを考え始めていた。町の買い物だけだから軽自動車にすると決めていた。行きつけの車屋がセールスをするというので、先日一緒に見に行った。そして気持ちが固まったので、数日後に再び訪問し、購入する車を決めた。
今日昼前に電話がなって、出かけていた妻が「車が動かない」といってきた。駆けつけてみると見ると、彼女は車を大通りの路肩に止めてハザードランプを光らせていた。
エンジンをかけてみたが、セルが回ってもエンジンはピクリともしない。
妻が数ヶ月前に点検をしたばかりの車屋に電話をかけた。ほどなく顔見知り整備部門の青年が大きな車両搬送トラックでやってきた。妻にしきりと謝っている。
妻を乗せて家に帰った。
数時間後、妻担当のディーラーから電話がかかってきた。
出かけていたので連絡が遅くなったと謝り、「新車の購入間近かなので修理はしないようにと整備にいってあります」といったそうだ。整備担当者同様しきりと謝っていたという。不調場所はエンジン周りだとほのめかしたらしい。

妻の車は購入した直後からエンジンの不調がしばしば起こった。数回修理したが、同じトラブルが何度か起こった。それでも13年大切に乗ってきたのだからもう潮時だった。
妻は「捨てられるのが分かってすねたのかしら」などといかにも彼女がいいそうなことを言って、「でも大切に使ってきたんだよ」などと、整備が来るまで路端で車に話しかけていた。
代車が来る前に、車に積んだままになっている私物を回収したいというので、私が車屋まで妻を連れて行った。
思いがけず一気にその車を手放すことになったので、私は駐車場に並べられている、ついさっきまでの妻の愛車を携帯で撮った。
私物を私の車に移し終えた妻は、シートの上の埃を手で払い、フロントガラスの下の端についていた木の葉やゴミをしばらく摘んで取っていた。それから、ボンネットの縁を数回そっとなぜてから私の車に戻ってきた。

私もちょくちょく使った、日産のリッターカーは、それなりに使い勝手のいい車だった。

老人とブログの海


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もう一度君に…

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はずみで、テレビドラマ『もう一度君にプロポーズ』を観はじめた。

和久井映見は、『息子』以来のファン。ただし、わざわざその作品を追いかけることはしない。
筋はまどろっこしくて、見るたびにもうやめようかと思う。

妻は、懐かしいメルヘンを見るみたいだといって、録画を見ている様子。恋愛ものや男女関係のごたごたを扱ったのは面倒がって、最近ほとんど見ていなかったのに。

ただしどういうわけか私と一緒には観ない。
たいていの番組はうるさいくらい一緒観見たがるのに、これもおかしい。

ちょっと口に出して確かめ合えばすむことを、気を使って口に出さずに話がこじれたり、うっかり相手の気持ちを見過ごしたり。
わざわざドラマを長引かせるために、登場人物がみんな鈍感で感受性が鈍かったり、逆に変に神経質だったりしているように見える。
リアルな世界では、人々はもっとうまく問題を処理できるているだろう。

そう思った後で、いや、私もずっと連れ合いの気持ちなど分からずに来たんだった、と思い当たった。
少しはその気持ちが分かるようになった気がする今でも、自分の気持ちをコントロールできずにけんかになることだって、一日に一回はある。

甘い筋立てと、ドラマを笑えない。






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孫話

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連休の中の一日、息子夫婦が義父に孫を見せに行くというので、それに合わせて妻と出かけました。
一人暮らしの義父が息子夫婦を迎えるのは、ほんの数時間のことでも大変だろうと、妻が心配したのがひとつ。
義父は誇りが高く、客はそれなりにきちんと迎えたいと今も思っているからです。妻が「私たちもいていい?」と聞くと義父は素直に「助かる」と言ったそうです。
もうひとつは、私たち自身が孫の顔を見たかったこと。二ヶ月ぶりになります。息子は連休明けに我が家に来るといっていましたが、家を片付けたり準備をすることを考えると、四月中何かと忙しかった妻としては、それよりも外であったほうが結果的には楽だと思ったのでした。息子の嫁さんへの気遣いもありました。
孫はどんどん成長していてますます面白くなっていました。義父もご機嫌で、私たちも満足しました。
息子夫婦のがんばりもそれなりに垣間見えました。
娘と少し連絡が切れていたので、妻が何度か携帯電話を入れました。つながらないまま日が変わって、風邪で娘と孫が寝込んでいたとメールが入りました。
職場に復帰した早々に、結果的に連休を挟んで二日、休暇をとってしまったと言うことでした。
昨日、改めて電話があり、ようすがわかりました。
孫娘はすぐに回復したけれど娘はちょっと長引いたようでした。連休中は婿殿が家事や育児をせっせとしてくれたようでした。「連休を損した」と娘は言っていましたが、連休でよかったと内心思いました。

私たちにもあった話のはずですが、そうした苦労をどんな風に乗り越えてきたのか、自分たちのことなのに今は遠い夢のような気がします。
とにかく無事であったのは、周りのたくさんの手助けと幸運の賜物かと思います。


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