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2012年02月10日(金) 00時51分08秒

最近の民主化傾向の余波~自主的本国帰還の議論スタート

テーマ:★ミャンマー(ビルマ)難民キャンプMYA

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。

1月には、最近の民主化傾向に対して「まだまだ信じられない」という住民の方々が多いことを書きました。しかし、1月12日に政府と停戦合意したカレン民族連盟(KNU)のニュースが流れた後、事態は確実に変化したように思います。つまり、各難民キャンプの運営を担っているカレン難民委員会(KRC)もこの動きを無視できず、いよいよ自主的本国帰還のプログラムの準備に取り掛かるべく始動した、ということです。


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メラマルアンキャンプには、停戦合意のフォトレポートが掲示されていました。


その理由は、1月20日にメラキャンプ内で実施された「KRC Partners Meeting」に発しています。この会議では、7つのキャンプのKRC幹部が一同に集まり、NGOUNHCRなど50名を越える参加者と共に丸1日、キャンプ内サービスのあり方や問題点を議論しました。その中で、次のような3つの動きがありました。

(1) UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)の難民保護に関するプレゼンには、KRCのリクエストで「難民帰還」の一般的な手順が紹介された。

(2) SVAも加盟するCCSDPT(タイ避難民サービス調整協議会)のプレゼンでは、「難民帰還」の再度議論すべきだと、2004年作成の素案を元に再度計画づくりをする必要性が訴えられた。

(3) KRC自身は、この会議の前の3日間、各キャンプと本部のKRC幹部のみで海外の専門家を招いて難民帰還に関する学習会を開催していた。

2004年と言えばキンニュン元首相と故ボーミヤKNU議長が同年1月「暫定的停戦合意」をした年。実は、この年にNGOUNHCRは難民帰還プログラムの素案を作りましたが、同年10月に強行派のクーデターでキンニュン氏が失脚、事実上停戦合意は破棄、帰還の話は頓挫しました。それ故、慎重論も多い一方、「今度こそは」という思いもまた関係者から伝わってきます。

しかし「すぐに帰還というわけではない」というのが大方の予想で、メラマルアン難民キャンプのボー・ポー委員長は「少なくともまだ4、5年はキャンプで最低限の社会サービスを維持する必要があり、SVAにも最後まで協力してほしい」とのこと。やはり、準備が整うのにそれ相当の年数が必要なようです。

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メラマルアンキャンプの難民委員会の方々にお話をうかがう。


この事業は「長期化する緊急状態」という意味でも難しいのですが、今後も変化する外部条件に合わせて内容や規模の微調整が更に必要になりそうです。しかし、SVAは難民キャンプの人々の明日につながるサポートを心がけ、彼らの行き先が決まるまで彼らの傍らに立って励まし続けたいと思っています。過去、カンボジア、ラオスでそうしたように。

小野

2012年01月23日(月) 21時00分00秒

年間スケジュール共有会議を実施しています

テーマ:★ミャンマー(ビルマ)難民キャンプMYA

皆さん、こんにちは。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。


前回、小野所長がミャンマー(ビルマ)の「民主化」の動きについて記事を書いた直後、1月12日にミャンマー政権とカレン民族同盟(KNU)の間で停戦協定が結ばれ、さらに翌日には、1988年の民主化運動、2007年のサフラン革命で中心的な役割を果たした民主化活動家、僧侶などを含む数百人の政治囚が釈放されるなど、この数週間でミャンマーの政治状況が大きく動いています。この政治状況の変化に合わせて、難民キャンプを巡っても様々な話し合いがもたれ始めているようです。これらの状況については、近日中に小野所長よりブログでお伝えさせて頂きます目

 

さて、今日は7つの難民キャンプで行っている、年間スケジュール共有会議についてご紹介しますビックリマーク


私は、メラウ、メラマルアン、メラ難民キャンプでの会議に参加しましたが、そのときの様子をお伝えします。
 


この会議には、難民キャンプから、OCEE(教育部会)、図書館委員会、図書館コーディネーター、図書館員、カレン青年同盟、図書館青年ボランティアなど、日々の図書館活動を支えるメンバーが参加しています。会議では、SVAが準備しているキャンプ内での研修や活動の年間スケジュール、図書館活動の課題や改善点を中心に話し合いを行いました。


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(メラウ難民キャンプで年間スケジュールについて説明をするエッソスタッフ)

 

2010年~2012年までの3年間での事業目標として、難民の人々によって図書館活動が主体的に運営されることを掲げていますが、これまで、図書館での4半期会議や研修等の実施前に計画をキャンプの人々と共有することはしてきましたが、年間計画を年のはじめにまとめて共有することはしてきませんでした。キャンプの人々によって主体的な図書館運営が行われるためには、計画を早い段階で共有し、キャンプの人々からも予定している行事や図書館運営に関する意見をもらうことが必要だと改めて認識し、今年からこの会議を設けていますニコニコ


この会議を通して、キャンプの人々から図書館の主体的な運営について様々な意見が出てきました。キャンプに住む人自身がもっと責任をもって図書館活動を行なっていくことが大切であること、コミュニティの人々に向けて、もっと図書館活動を広く伝えていくこと、キャンプ内のほか団体とネットワークを広げていくこと、キャンプの人だけで図書館活動の月例会議を持つこと、など活発に議論されました。その議論を聞いていて、私自身改めて、これらの図書館はキャンプの人による、キャンプの人のための「コミュニティ図書館」なのだと感じました!!


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(図書館活動の様々な課題がぎっしり模造紙に書き出されています)


会議が終わって、各図書館から集まっていた図書館員が各自が担当している図書館へと帰っていきました。そこで待っていたのは子どもたち。本を読もうと図書館が開くのを待っていたようですにひひ

図書館員は子どもたちを集めて彼らと一緒に「アブラハムの子」の歌に合わせて踊ったり、「頭、目、鼻、口、耳、肩、ひざ」の歌に合わせて手遊びするゲームをしたり、紙芝居の読み聞かせをしたり、子どもたちを楽しませていました。子どもたちも図書館員にとてもなついていて、図書館員に「この本読んで~」と話しかけていました。


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(メラウ難民キャンプでの読み聞かせ)     (メラマルアン難民キャンプでの手遊びゲーム)


この会議に参加して、改めてキャンプの人自身が、自分たちのコミュニティの図書館をどうしていくべきか、真剣に考えているのだと実感しました。今年初めて年始のスケジュール共有会議を開きましたが、キャンプの人々はこれをきっかけに1年間図書館活動を積極的に行なっていこうと気持ちを新たにしているようでした。キャンプの人々による、キャンプの人々のための「コミュニティ図書館」。私自身SVAのスタッフの一員として、彼らの活動を一生懸命応援していきたいと思っています!!


ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 菊池礼乃

 

2012年01月11日(水) 03時14分37秒

ミャンマー(ビルマ)民主化を難民キャンプの人はどう見ている?

テーマ:★ミャンマー(ビルマ)難民キャンプMYA


新年あけましておめでとうございます。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。


本年も、ミャンマー(ビルマ)国内、キャンプ周辺には大きな変化がありそうです。皆様も引き続きご注目頂ければ幸いです。


さて当事務所では年度末に、7つの難民キャンプを回って、コミュニティ図書館の関係者と年次会議を行います。私は、今回、そのうち5つのキャンプに参加させてもらいました。


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ボランティアも活動報告(メラマルアン)


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足を揃えてしゃがんで器用にお昼(メラマルアン)


図書館委員会、図書館員、青年ボランティアの面々など各キャンプ平均30名前後が集まる中、各人からの年次報告、SVAからの次年度計画の紹介、課題に関する討議などがスムーズに行われます。


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エッソスタッフがSVA計画を紹介(メラウ)


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キャンプ委員長も参加してくれました(最左)(ヌポ)


私にもSVAを代表して毎度年末挨拶を兼ねたスピーチの時間が与えられます。毎度何を話そうかと悩むのですが、今回、全キャンプで同じことを話してみました。つまり、2010年11月の総選挙から1年、ミャンマー(ビルマ)の民主化関連の動きを紹介してみたのです。「いったいキャンプ住民どう見ているだろうか」というのが私の素朴な疑問でした。


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図書館ボランティアの寮に招待されて雑談(ヌポ)


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カレン舞踊の衣装に刺繍してました(ヌポ)


「2010年11月から民主化プロセスがだんだん進んできたように見受けられます。アウンサンスーチーさんが自宅軟禁を解かれ、政治犯が一部釈放され、デモ・集会の自由が保障されるよう法改正も行われました。中国支援のイラワジ川の巨大ダム建設の中止、2014年アセアン議長国の決定、米国国務長官(クリントン)の57年ぶりの訪問など、国際社会から見ると、たった1年でミャンマー(ビルマ)には急速に変化が来ているように見えます・・・」


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ツリーも登場!プレゼント交換もありました(メラ)


「しかし、難民が安全に帰還できる時が来るまでには時間がかかりそうですね。第三国に出発する人もいますが、難民キャンプというコミュニティで生活している今現在も、決して無駄な時間ではなく、それなりの重要な価値を持っていると思います・・・」と話しながら、SVAの来年度以降の事業展開にも多少触れました。


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図書館員とSVAスタッフでパチリ!(ウンピアム)



キャンプによって反応が違いますが、年配の人たち、キャンプ運営に携わる人たちは「ミャンマー(ビルマ)は何十年も我々をいじめてきた。そう簡単に信じられるわけがない。本国帰還もそう簡単には始まらないはずだ」というのが共通の見解のようでした。


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高台のグランドではサッカー大会中(ウンピアム)


ミャンマー(ビルマ)の民主化が日本でも報道されていますが、難民の人たちの疑心暗鬼を消していくのはまだまだ難しそうです。これまでさんざん裏切られてきた人たちは、国が変わっても気持ちの面でなかなか受入れられないのだと思います。


たぶん、彼らにとって前提は、カレン民族同盟(KNU)を含む少数民族の反政府勢力とミャンマー(ビルマ)政府との停戦プロセスが進み、和解することかも知れません。噂では、1月12日からカレン州の州都パアンでKNUとミャンマー(ビルマ)政府との和平交渉会議が開催されるとのこと。ここでいい結果が出され、それがKNUリーダーが難民キャンプのカレン系住民に向かって伝え始めた時をきっと待っているのかも。それをきっかけにキャンプ住民の暗雲が晴れて、人々はミャンマー(ビルマ)政府の取り組みを少しずつ信じ始める・・・そのようなシナリオになっているのでしょうか。


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炒めカオソーイ(美味!)をお昼に頂きました(メラ)


年頭から、また硬い話になって恐縮ですが、本年もミャンマー(ビルマ)民主化の動きから目が離せない1年になりそうです。今年も、こうした難民キャンプの人々の気持ちの変化なども随時お伝えしていきたいです。


本年もどうぞよろしくお願い致します。



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