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2011年12月17日(土) 12時59分23秒

タイの洪水から

テーマ:★タイ THAILAND

アジア地域ディレタクーの八木沢です。今回は、バンコクからタイの大洪水に関して

です。


今年の10月から日本でも大きく報道されたタイの大洪水。

日本でもアユタヤやバンコク近郊の7つの工業団地が冠水。

日系企業450社の工場も冠水して被害、工場の閉鎖と大打撃。


冠水した地域は、日本の東北と北関東と同じ大きさといわれています。

その結果、東日本大震災時と同じようにサプライチェーンが寸断されて、

自動車や精密機械等の世界の製造業にも大打撃を受けました。その中でも

自動車産業は、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、いすず等8社が進出していました。

東洋のデトロイトとも呼ばれて、世界に多くの自動車を輸出していました。


また、バンコクには日本人が約4万人が住んでいることもあり報道は、工業団地と

バンコクの中心部への冠水に注目が集まりました。タイに関する日本の報道では

戦後、最も継続的に報道されたのが、今回のタイの大洪水でした。


しかし、日本の多くのメディアでは、工業団地と首都の中心部への冠水に関心が

集まり、地方やバンコク近郊の被災者の生活の様子は、ごく一部でしか報道され

ていませんでした。


下の画像は、冠水してから2ヵ月しても一度も援助されることのなかったバンコクの

ドンムアン空港の近くの地域です。水とゴミが混ざり異臭が放たれていました。実際に歩いて、SVAとシーカー・アジア財団が協力して一軒、一軒と食糧や薬、蚊取線香、水、寝具等援助物資を配布しました。路地裏の奥の家まで片道、3キロありました。その中を住民と一緒に真っ黒に水の中を歩いての配布でした。住民たちからは

「私たちのことを忘れないで、また、こんなドブ水の中を歩いて配布してくれて本当にありがとう」と喜ばれました。

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また、さらにバンコクの市内のドンムン空港に近いスラム地区。この地区も2ヵ月援助が全くなかった地区。私たちがトラックで援助物資を届けに行くと200世帯の住民が集まっていました。



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小舟で援助物資を取りに来た住民。一番、深い時は2メートル。冠水から2ヵ月後の12月7日でも大人の膝の50センチの水がありました。

大洪水から2ヵ月してもまだ、冠水している地域。首都の中心部を守るために今、冠水して犠牲になっている地域。そして、援助物資も支援も入っていない地域があるという事実。「災害があるといつも弱い人たちにしわ寄せが出る」今回も痛感させられました。


これからは水の引いた地域での教育分野での復興支援に移行していく計画です。


タイの洪水の緊急援助に対して、浄財、募金をして下さったタイ国内、また、日本国内の皆様に現場より感謝申し上げます。


八木沢克昌




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2011年09月26日(月) 08時30分12秒

娘と母をつなぐ絵本

テーマ:★タイ THAILAND

こんにちは。

SVAタイランド/シーカー・アジア財団の松尾久美です。

本日は、クロントイ・スラムの図書館で実施したストーリーテラー・コンテストでの

出来事を紹介させてください。

当コンテストは、ほかの2地区の図書館と合同で、年に1度、実施しています。

この日も12人の参加者が、年齢別にストーリー・テラー度を競いました。


①幼稚園・保育園の部

②小学 低学年の部

③小学 高学年の部

④中学の部


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左:幼稚園の部 2位 ベップ君(5歳) 

  愛嬌たっぷりのストーリーテラー、彼が読むとなぜかおもしろい。

  不思議な世界を作ってました。

右:小学高学年の部 1位 ファーちゃん(8歳) 

 水上マーケットのお話、売り子とお客のやりとりが生き生き、表現されてました。

 2ヶ月、特訓したとのこと(スゴイ!)。

中学一年生のムアイちゃん。

小学校にあがる前から図書館に通っていた常連さんです。


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選んだ絵本は、

ペンギンの僕と怒りっぽいママとのお話。

僕は、おもいっきり怒鳴られて、とても悲しみます、

だけど最後には、ごめんね、と謝るママに抱きしめられて、

「やっぱりママが一番さ」、というところで、

思わずホロリとさせられる絵本。

読み終わった時には、ざわついていた会場が一瞬、シーンと静まりかえりました。


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中学生の部で優勝した彼女に対して、なぜこの絵本を選んだの? と質問。


『うちのお母さんも怒りっぽいから』と、

はにかみながらの回答に、会場はどっと笑いに包まれました。

ムアイちゃんのお母さん、レックさんは、

図書館のすぐ隣りの筋でおいしいタイラーメンを作っています。

この日は、小学生の部からコンテストを見に来ていました。



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このムアイちゃんの言葉が聞こえたかと思って振り返ったら、

もういなくなっていました。


娘の晴れ姿に緊張したのかな、と思いつつ、少し残念な気がしました。

聞かせてあげたかったからです。

怒りっぽいから、の後に、

(でも、一番さ)という声が聞こえてきそうなムアイちゃんの照れくさそうなメッセージを。


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お互いに忙しい子どもたち、お母さんやお父さんたちが、

もっともっとつながっていける図書館にしていきたいなぁと、しみじみ思いました。

松尾久美

2011年09月12日(月) 19時25分29秒

パーレックの引退

テーマ:★タイ THAILAND

こんにちは。

SVAタイランド(シーカー・アジア財団)の松尾久美です。



本日は、スラムの地域発展に長年、携わってきたスタッフの活動の軌跡と

引退のニュースをお送りします。


スアンプルー図書館の名物スタッフ、ノンヤオさん(65歳)。

地域では、パーレック(レックおばさん)と呼ばれ親しまれてきました。



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[写真]活動の写真を送られるパーレック



SVAが初めて、タイのスラム地区で活動をしたのが、ここスアンプルー地区。

26年前のことです。



約8000人が暮らす、大きなスラム地区の中で、

SVAは保育園、子ども図書館を設置し、運営してきました。



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パーレックが40歳を少し過ぎたころ、

子どもからも手が離れ、時間に余裕ができていました。

そんな時、家の近くに図書館があることを知ったのです。

小さな頃から本が好きだったパーレックはさっそく覗きに行きました。

8疊ほどの敷地に建てられた2階建ての家に子どもたちがあふれています。

ひとりの若いスタッフがてんてこ舞いをして、対応しているのが目に入り、

不憫に思ったパーレックはその日からボランティアとなったのでした。


本も子どもも好きな性格が幸いし、毎日、朝から晩まで、図書館で過ごす生活が始まりました。

いつの日か、自身がスタッフとなり、地域の教育推進の柱として、住民リーダーともなっていました




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[写真]左:4時間、燃え続けた炎。   右:火災翌日



スアンプルー地区が大火災に見舞われたのは7年前のこと。




全体の8割の住居が損なわれた地域の中で、

パーレックは大型テントを張り、まずは図書館を再開します。



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[写真]テント図書館の活動  

    左:住民会議の場所ともなる。    右:絵本を読むパーレック 




現在、火災直後からは想像もできなかった立派な住宅が並び、

火災前の活気を取り戻しつつあるスアンプルー地区。



この復興を見届けての、パーレックの引退にスタッフも地域住民も

感謝と慰労の気持ちを込めて送別会を行いました。

引退後は、出身地である東北部シーサケート県へ戻り、隠居生活を送るとのことです。



スタッフから、地域のために誠心誠意を尽くす姿勢を学んだとの声があり、

小さな頃からお世話になった青少年代表は、

「パーレックがいなければ、今の私はありません」

と声を詰まらせました。





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[写真]最後の思い出に青少年と得意の踊りを披露するパーレック


これを受け、パーレックは、自身の活動経歴を振り返ったあと、

最後のメッセージを地域の青少年、後輩スタッフに伝えてくれました。


「小学校6年生までしかでていない自分が、これだけのことができたのだから、

 あなたたちにはどれだけ可能性があるかわからない。

 とにかく、前向きにやらなければやらないことをコツコツ積み重ねていってほしい」



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多くの人から流された涙を見て、パーレックの活動への熱い想いは、

確実に次世代へ伝わっていることを実感し、

人を動かすのは人だと、改めて学んだ日でもありました。



松尾久美




























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