2013-02-17 14:52:42

ATXコネクタの変換の必要性

テーマ:PC周辺機器

いつもご覧頂き、ありがとうございますm(_ _)m
10日前に更新できたので、幸いさほど間隔があかずにすみました。


なお、来週末は妙高池の平へ、ひょっとするとその次の週もスキーかもしれないので
もうしばらく更新頻度が下がった状態が続きます。
恐れ入りますがもう少しお待ちくださいm(_ _)m




今日は時たま出てくるATXコネクタ周りのお話を。

ATXコネクタは20ピン、もしくは24ピンのメインパワーコネクタです。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--ATX20ピンとATX24ピン

ところで時々、20→24ピン化変換や、24→20ピン化変換の話があがります。
各種質問掲示板などには概ね「必要」とする回答が目立ちますが、
これらは果たして必要なのでしょうか。
ある程度真面目に考えてみましょう。


例によって面倒な方は★まで読み飛ばしてください(笑)




○20→24ピン化された背景

ATX12V Ver2が策定された際に、
それまで20ピンであったATXメインコネクタは24ピン化するようになりました。
これはPCI Expressの追加によるものである、といわれています。


実際、PCI Expressではビデオカード向けx16スロットでは
1レーンあたり75W(内訳は12V 5.5A(66W)+3.3V 3A(10W)≒75W)
の電力供給能力が規定されています。

というわけでスロット目一杯の電力を出すには、12Vで5.5Aが必要になります。


ここでATX20ピンのコネクタのピンアサインをみてみましょう。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--ATX24ピン_ピンアサイン

 ※図にミスがありました。修正します。13.03.13


図はおなじみの
Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 1.1
から、34ページのFig.7を拝借します。

この図は24ピンのものですが、水色の枠内はATX20ピンと同じなのです。
元々12Vラインはいくつあるかといえば…たった1本


実はM/B上で12Vラインを使用する部分はCPUをのぞいて非常に少なく、
一部のアンプ類だけが使用するにとどまっていたと記憶しています
(CPUは12Vから取得しますが、今はATX12Vコネクタ専任なので除外)。
従ってたいした電流ではないと思いますが、念のため多めに1Aを見積ります。
(ちなみにIEEE1394で12Vラインを使用する場合は、その分増えますのでご注意を)


よって、合計6.5Aを検討しておく電流、と仮定します。



以前「ファンコントローラー「FAN-ATIC」の最大電流を考える 」の回で
電線の発熱から使用できそうな電流の上限を求めましたが、
このグラフ を使ってUL1007規格の電線の、6.5A時の温度上昇を確認してみますと…


風変わりなPC物語 -スズメさんち--UL1007温度上昇

 AWG18:約12℃上昇
 AWG20:約20℃上昇
 AWG22:約35℃上昇
という具合です。 ※対数グラフなのでかなりアバウトな読みです。


おそらくATXのメインコネクタなら
AWG18あたりが一番多く使用されているとは思いますので
発熱量的には何とかセーフですが、流しすぎな感じは否めません。
※本来は常温環境で触って明確に「熱い」と感じる使い方はNGです。
 個人的な目安はUL1007電線で

 AWG18で最大5A、AWG20で最大4A、AWG22で最大3Aでしょうか。


というわけで、12Vを増やしたいというのが
最大の理由だろうと考察します。


3.3Vと5Vも1本ずつ増えているとはいえ、
これはおまけに近い程度と考えてよいでしょう。

(PCI Expressでは3.3Vも最大3A使用されますが、
 従来の20ピン時代でもPCIで使われた電圧なので

 総電流容量自体は大きく変化しないだろうと考えられますし、

 20ピン時代から3本用意されているので大丈夫でしょう)


おまけとして、AWG18における最大導体抵抗は
(住友電工製UL1007で)20℃時21.8Ω/kmですから、
ATXケーブルが50cmと仮定したときの抵抗は10.9mΩ。
1本の12Vラインに6.5Aすべてが流れると、P=I^2*Rより0.46W。
電流流しただけで0.5W近くもロスをしてしまう計算に。

これが2本になっただけで、1本あたりは電流半分で
消費電力は1/4(2本なので合計は半分)になります。


というわけで、それぞれのケースについて必要性の有無をみていきましょう。



○20ピンのM/Bに24ピンケーブルを挿す


・可能かどうか
24ピンであれば、電気的には20ピンの必要要件をすべて満たします。
従って電気的には、24→20ピン化変換コネクタの意味は皆無です


・接続の仕方
図のように、はみ出して接続すればOK。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--ATX20ピンにATX24ピンケーブル

ただし根元までしっかりと挿してください


写真のようにラッチがかからない場合もあり、

簡単に浮いてしまいそうであれば変換コネクタなどを検討します。


・24→20ピン化変換ケーブルが必要な場合
はみ出すスペースに他の部品があり物理的に挿さらない場合、
またしっかりと奥まで挿さらない場合にのみ必要です。

スリーブ慣れしている方(=ピン抜きできる方)なら

20ピンのハウジングに交換し、残りの4本は切って養生してしまうという作戦もあります。



○24ピンのM/Bに20ピンケーブルを挿す


・可能かどうか
24ピンは上述の背景の通り、
PCI Expressで主に+12Vの電力を補うために追加されたものです。
というわけで、PCI Expressで+12Vをどのくらい使うか、で決まります。


ちなみに変換して解決する問題か、といいますと…

そもそも20→24ピン化変換ケーブルで

コネクタへの供給部分では+12V給電ケーブルが2本にできても、
変換コネクタの手前、ATX電源から変換コネクタまでのケーブルは1本のまま。
経路全体の電流容量を増やしているわけではないのです
従って、PCI Expressで+12Vを使用する電力が大きいとわかっている場合
変換しようがしまいが、ATX20ピンで接続すること自体がNGです。
ATXコネクタを自作してケーブルを2本に増やす(線の種類と長さはそろえること)か
電源の買い換えが必要です。


なお、規格に準拠している環境という前提であれば、
PCI Express x8以下、もしくはロープロファイル環境であれば
PCI Expressの給電能力は最大25Wとなり、12Vラインは1.25Aで足ります。
1.25Aであれば(M/B所用仮定の1Aと合計しても)
1本のラインでまかなえる範囲ですから20ピンケーブルでOKです。

(PCI Expressで使用するカードの電力がわからない場合は、やめておくのが無難です)


Mini-ITXのM/Bで、PT3を1枚だけ使うようなケースであれば

+12Vそのものを使いませんから、20ピンケーブルで問題ありません。


・接続の仕方
図のように、寄せて接続すればOK。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--ATX24ピンにATX20ピンケーブル

(20ピンコネクタの代わりにPicoPSUですが気にしないでください(^^;))

コネクタの形状により反対側には寄らないようになっています。


ちなみに冒頭で登場した24ピンコネクタの写真、

Asrock H67M-ITX/HT (実は25台目PC)ではご丁寧にも
「For 24 PIN Connector」とかかれたシールが貼付されています。


・20→24ピン化変換ケーブルが必要な場合
実は殆どありません。
上述の通り、電力的なサポートは一切できないからです。
強いていえば
  「24ピンを挿さないと起動しない」というM/Bの場合
    かつ
  PCI Expressで25W以下の電力しか使わない場合
という、非常にまれなケースでしか使うことはありません。

そもそも24ピン挿さないと起動しないM/Bがあるかは不明です(^^;)

通常、電源関係のパターンはベタパターンで一緒くたにしてしまうと思われ、

20ピンか24ピンか、なんて区別はM/Bではかけていないと思われるからです。



○20&24ピン両対応のパワーコネクタ
最近の多くのATX電源では、両対応化されていますので、
ここに書いたようなことを心配する必要すらなくなってきていますねぇ。

そう、これを持っていれば無敵です。




Ainexなどのメーカーは、「かゆいところに手が届く」変換コネクタの数々を
世に送り出してくれます。
これらは大変便利で、力業の多い当方としてもかなりの数を使わせてもらっていますが、
本質を理解せずに使うと思わぬ危険を伴うことも考えられます。
特にパワー系の変換コネクタは電流容量を無視した接続を行う可能性があり、
安全とは言い難いタイプのものも見受けられます。
ビデオカード用の6/8ピン給電用変換ケーブルなどはその代表です。


安全・安心なPC運用をご検討でしたら、
パワー系の変換コネクタへの依存はせず、
環境を見直すように心がけたいものです。





スズメさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントする]

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。