PFスタディ(絵画欲求不満テスト)という検査をご紹介します。
 これは、ワシントン大学心理学教授ソールドーゼンヅアイク博士が発案したもので、欲求や怒りの表現を測定するために考案された、投影法による人格検査です。

 児童用・成人用・青年用があります。
 ・児童用…4~14歳(幼児・児童・中学2年あたりまで)
 ・青年用…12~20歳(中学・高校・大学2年あたりまで)
 ・成人用…15歳以上(高校生以上)
 ちなみに、上記で年齢が重なっている場合は、どちらを使用してもいいそうです。
 実施に要する時間は約20分です。

 24枚の漫画風な絵を使います。
 それぞれの絵には人物がふたりと、その人物の話す言葉が入る吹き出しが描かれています。左側の人物の吹き出しにはすでに言葉が書いてあり、右側の人物の吹き出しは空白です。
 吹き出しの言葉は、相手を欲求不満にさせるような内容になっています。
 それに対しての答えを空いた吹き出しに書き込んでいくのがこのテストです。書けない場合は、口頭で答える方法が採られます。

 24枚の絵は、その場面によって「自我阻害場面」と「超自我阻害場面」に分けられます。
 前者は、人為的、非人為的な障害によって直接自我が阻害されている場面です。
 後者は、他者から非難・詰問され、超自我(良心)が阻害されて欲求不満を招いた場面です。

 検査の結果は、11種類の分類として提示されます。
 11種類とは、3種のアグレッション方向(他責任・自責・無責)、3種の型(障害優位・自我防衛・要求固執)を掛け合わせたものと、それに2種の特殊因子を加えたものです。
 あらかじめ標準化されている年齢毎の平均値からのずれによって、性格傾向、特に対人関係の持ち方や社会適応能力について評価することができます。

 自閉症をはじめとする広汎性発達障がい児は、社会性の障害を持つことがその診断基準のひとつとなっています。中でも高機能広汎性発達障がい児は、知的能力が高いにも関わらず、社会的な適応が困難であることが少なくありません。
 このテストによって、被験者がストレスをどう理解しどのように対応するかを検査し、その社会性の発達の度合いや問題点を探ることができます。

 参考として、特別支援教育に直接関係があるものではなく、また書かれた日付も不明ではありますが、この検査を小学校の児童に対して行った場合のまとめの論文がありましたのでご紹介しておきます。

 P-Fスタディにみる児童の社会的スキルに関する一考察



:Written by Imaoka