『暗幕のゲルニカ』(原田マハ著)を読みました。 | ARTS&WORDS

ARTS&WORDS

本(主に小説)の感想、展覧会レビューが中心のブログ。
その他、料理のこと、おやつのこと、映画のことも書いています(^_^)

こんばんわ。
週末、楽しめましたか?


さて、私は『暗幕のゲルニカ』を読みました。
暗幕のゲルニカ 原田マハ
原田マハさんの小説です。

ピカソの代表作である『ゲルニカ』。
スペイン内乱の最中、空爆された街ゲルニカの惨状を描いた作品です。
反戦のシンボルとして同じ図柄のタペストリーが国連本部にも飾られています。
ピカソの絵は正直、抽象的すぎて何がなんだかよくわからないと思うところもあって、
今まであまり見てこなかった作家です。
物語はピカソと助手であるドラ・マールの恋物語と、
9・11以降のニューヨークを舞台にして交錯していきます。
実在した人物と虚構が入りまじってはいるけれど、ピカソが生きた時代、
どんな人だったのかな、と想像しながら読むことができました。
戦争って、本当に悲しい出来事ですね。

スペインは最近でもカタルーニャ地方が独立するとか話題になって、
本の中ではバスク地方の独立問題が挙げられています。
日本では国内での民族意識の違い、みたいなことってあまり意識しないですよね。
沖縄の人はやっぱり顔付きが違うな、と思うし、北海道にはアイヌの方々がいるわけですが。
他民族で一つの国家を形成していくことの難しさを感じます。
そういう意味では日本は幸せな国なんでしょうね。
民族間で諍いになるこもなく、平和に暮らせていること。
戦争が身近にないから、わからないだけで、当たり前に日常が過ごせることは最重要です。

平和のために、武力を用いる。
そして、平和のために誰かが不幸に見舞われる。
そうではなくて、1枚の絵画を制作することで、
戦争の不条理さを表現し、立ち向かおうとしたピカソはかっこいいな、と思います。
危険だと分かっていてその人を助け、支えた人々も素敵だな、と思います。
その問題作を守り抜いて現代まで伝えてくれた人たち。
アートに関わる人々の思いを感じられる1冊でした。



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

詳細はこちら。
暗幕のゲルニカ

明日もいい日になりますように。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆