今年のCHK国際セミナーには、ジェレミー・シェア先生をお呼びすることになりました。
http://www.chk-homeopathy.jp/seminar/international/3269/
南アフリカで生まれで、イスラエルに育った人。
ホメオパシーの勉強と同時に、鍼灸も勉強されたので、中医学の知識もお持ちです。
1986年から、世界の各地で、ダイナミス・スクールというホメオパスのためのポストグラジュエイトコースをされてきました。
2009年からは、家族でタンザニアにわたり、エイズに苦しむ貧しい人たちをホメオパシーでサポートされています。
日本には熱烈なファンが多く、タンザニアにある活動拠点にボランティアに行かれた人もいます。
私は、2005年と2011年の東京でのセミナーに参加しました。
特に、2005年のセミナーは、まだ勉強し始めて3年目でしたので、とりわけそのときに受けた感銘は深く、今も心に焼きついています。
たしか、当時のセミナーの講師紹介文に、「ユダヤのラビの家に生まれ、イスラエルで育った。」とあったと思います。
それを見た時、清らかな水が湧き出て流れる極東の島国に育った私達とは、先生は、対極の人であるような印象を持ちました。
その先生から、
「ホメオパシーのセッションは茶席のようなものだ。」
「ホメオパシーは、禅や合気道に似ている。」
なんて聞いたときには、もう、びっくりしました。
しかし、今回のセミナーにお招きするにあたり、2005年のセミナー講義録を読み返していた主人が、意外なことを教えてくれました。
私の記憶にはないのですが、2005年のセミナーの中で、彼は、中医学の学びの中で出会った「道徳経」を大切に考えていることを話され、ホメオパシーを学ぶ人にこの本を読むことを勧めていたのでした。
セミナーから10年以上たって、私は、またまた強烈な、驚きと感動を受け、今、興奮しております。
「道徳経」といえば、約2500年前に中国の老子によって書かれた本です。
明治30年、27歳だった鈴木大拙は、アメリカにわたって11年過ごしますが、その目的は、欧米の学者たちと一緒に「道徳経」を翻訳することでした。
最近、私は、鈴木大拙への興味から、「道徳経」を読むようになっていました。
ジェレミー・シェア先生のオルガノンについての深い理解。
リズミカルな美しい表現力は、きっと、老子の世界から得たものだったのだと思います。
ホメオパシーを学び始めた時、レパートリーやマテリアメディカのきちんと整理・整頓された構造に好感を持ちました。
まるで、清潔に管理されたドイツ人のお家にいるような感じがしました。
でも、扱うものは、バイタルフォースやマヤズムなど、見えない世界のもの。
見える世界と、見えない世界。
部分と全体。
西洋的なものと東洋的なもの。
ホメオパシーにはこれらをつなぎ合わせてくれる知恵があるような気がします。
このような、私の最近の気づきを、先日、入門セミナーで、お話ししました。
すると、参加者のお一人が、面白いことを言われました。
「今は、哲学科と医学部は、大学でのキャンパスも教授たちも学生も遠く離れているけれど、もっと昔、ヨーロッパでは、分かれてはいなかった。
一人で両方において、大きな功績を遺した人もいた。」
分けて専門的に詳しく見ていくこと。
統合して全体として見ていくこと。
これからの、人類の課題かもしれないと思いました。