Finland Will Become the First Country in the World to Get Rid of All School Subjects

QT:

Instead of individual subjects, students will study events and phenomena in an interdisciplinary format. For example, the Second World War will be examined from the perspective of history, geography, and math. And by taking the course ”Working in a Cafe," students will absorb a whole body of knowledge about the English language, economics, and communication skills.

 

訳:

「生徒たちは個別の教科の代わりに、世界で起こっていることや現象を総合的に学ぶ。たとえば第二次世界大戦は、歴史、地理、数学的視点で試験が行われる。「カフェで働く」のコースを選べば、英語、経済、コミュニケーションを全体的に吸収することができる」

 

以下のリンクから全文読めます(英語):

https://brightside.me/wonder-curiosities/finland-will-become-the-first-country-in-the-world-to-get-rid-of-all-school-subjects-259910/

 

 

16歳から、すべての教科を廃止。2020年には改革完了予定。

最高、フィンランド!

 

古く形骸化したもの、発酵できずに腐敗しているものが、いろんな場所で音を立てて崩れていますね。しがみついてもいいことない。動こう、やろう。世界の希望と若い人たちの自由を守るためにできる大人の仕事、まだまだたくさんあるなー。

 

Salt making from local sea water, successfully and playfully completed by そっか members and friends!! We sent off groups of local children to harvest locally grown food. Fishes from rivers and ocean for grill, wild edible plants for tempura, oranges and permissions for dessert, and many more home made delicious food using local ingredients... What a celebration, what an extravagance!!

 

黒門とびうおクラブ、海のようちえん、海の子ども会(=そっか)のみんなとそのお友達で、塩炊き祭を行いました。手足かじかむ小雨の夜、ガード下で夜通し塩炊き&釣りをする親子たち。海水を炊き続けるだけで、本当に塩はできるのか・・・? 

 

無事に、できましたーっ!!

 

 

チョイ苦だけど、だからこそ深みのある美味しい塩。大きな鍋の底、2センチくらい。使い切れないほどの仕上がりです。

 

 

「この海でとれる塩で、この町の森里川海でとれる食材で、バーベキューしたら楽しそう」からはじまった企画。晴天に恵まれ、楽しすぎて美味しすぎて、みんな笑いが止まらない。

 

チョイ田舎で森川海があるとはいえ、逗子も都会です。採れるものだけ集めたらきっと貧相なバーベキューになるだろうと、「ストーリーのある一品」の持ちよりもお願いしていました。これがまた、最高に楽しくて、豊かで、幸せで。

 

 

「森を散歩して獲ったむかごの炊き込み御飯です」
「庭のハーブを使ったソーセージです」
「葉山で拾ったひじきです」
「鎌倉で拾ったワカメです」
「畑のトマトジャムとバジルペーストです」
「遠足で掘ったサツマイモのケークサレです」
「キアゲハのために毎年育てているパセリをクリームチーズにあえてサンドイッチにしました」
「おかあさんといっしょにつくったたまごやきです。たべてください」
「庭のあけびです」

 

などなど、集まる、集まる、素敵な食材と物語たち。

 

 

生地だけ自作してきたパンの先生母ちゃんが、その場に出ていた家庭菜園のトマトとバジルペストで即興ピザを焼いてくれたり、塩焼きセイゴの頭と骨をお出汁に里芋汁ができたり、イカを焼いたあとの汁が美味しそうだからと、誰かの友達が作ってくれたお米で即興リゾットができたり。みんな、クリエイティブー!

 

「あるもんで、やる。足りないなら、つくる」

が、こんなに楽しくて、豊かだとは。

 

 

さっそく「来年またやるなら、それにむけて家庭菜園もう少し頑張る」だとか「野草が自生する森をチェックするようにしよう」だとか聞こえてきて、自然と次回以降の話に。

 

 

「来年の春は、ここに集まった100人が、それぞれ100粒ずつ、町中に大豆の種をまいてみようか」

「それを収穫して、味噌や醤油をみんなで仕込むのも楽しそうだ」

「市有地の緑地をアダプト(里親になる)して、整備しながら果樹を植えたらいいね」

「天ぷらの小麦粉も逗子でつくれないか・・・脱穀と製粉が大変で、全粒粉の天ぷらじゃおいしくないかなー」

「じゃ、油ならどうか。町中に菜の花を植えて、菜種油をつくれないか」

 

などなどなど。

 

 

途中、とびうおクラブの合宿で御蔵島や八丈島に行った子どもたちが逗子の外で見てきた海の報告もしてくれて、内外がつながる、本当に豊かな時間でした。

 

 

逗子内外からご参加くださった皆さま、徹夜や早起きで子どもたちに寄り添った大人たち、みんな素敵でした。こうやって本気で遊ぶ大人を見て育つ子どもたちの未来は、猛烈に頼もしい。

 

お疲れさまでした。次回は、餅つきで☆

 

 

 

*後日談*

 

夕暮れどきに、ピンポーン。玄関に出ると、中学一年生のお客さま。聞けば、プレゼントを持ってきてくれたそう。

 

差し出された包みの中には... 

 

 

なんと、先日の 「そっか感謝祭」で海水を炊いて作った「逗子塩」を使った全粒粉のおやつ!

 

白崎茶会レシピを作り込み、焼き菓子づくりはセミプロ級の彼は、今回、みんなで作ってできた塩をさらに焼き、焼き塩にして香ばしさを出してまぶしてくれたのだそう。

 

か、感動ー!! 

 

ホーリーバジルの穂を自宅でドライにしたお茶、イタリアからパーマカルチャー母ちゃんズがお土産に持ち帰ったワイルドシナモンを使ったお菓子も一緒にいただきました。

お礼にと、友達が育てたしいたけとリンゴをお渡ししたら「またこれで何を作ろうか」。 贈る→つくる→食べる→「美味しい!」→贈る。繰り返し。お裾分け合戦。#友産友消 だね。これぞ豊かさ、これぞ幸せ!

 

かいくんの逗子塩クッキーは、数日間、鞄に入れて持ち歩き、町でお会いする友人知人の皆と一緒にすこーしずつ、大切にいただきました♩

 

 

 

*今日も逗子海岸で3時半〜、「海の子ども会」、やってますよー!夕焼けがいちばんきれいな季節。ぜひ!!

 

*「そっか」は、日本財団「海と日本」プロジェクトの助成で運営しています。

 

Community-built tree house for our second daughter Ann's 7th birthday... So much fun, what a bliss!! 

 

至福です。

杏の7歳の誕生日会、テーマは「みんなでツリーハウスを作ろう!」。

 

 

パーマカルチャー仲間でツリーハウスビルダーのShuichi Nakazatoくんを先生に迎え、近所の友人たちと作りました。夢の、ツリーハウスを、うちの裏庭に!!

 

 

ご飯を持ち寄り、大人も子どもも一緒に、木登り。木を運び、磨き、塗って、切って、しばって、打って。

 

 

1人じゃできないことも、みんなで集まればあっという間に形になる。しかも、楽しい。集まって、食べて、自らつくって、みんなで遊ぶ。きっとほんの少し前まで、人は日々、こんな風に皆で暮らしを作っていたんだな。そして、それってこんなにも、満たされた時間なんだな。

 

 

 

 

杏のおかげで、懐かしい未来を見た想いでした。

 

 

 

「木にボルトは打たない、枝もなるべく落とさない、材料はできる限り廃材で」

・・・がモットーのシュウくんのパーマカルチャー的ツリーハウス美学に、100%共感してはじめた今回のプロジェクト。

 

 

今回の材料は、シュウくんが新潟で自ら切り出してきてくれた間伐ブナと、キリガヤさんでいただいてきた廃材。それが、子どもたちの手で素敵に変身していく様子といったら!

 

 

とはいえ何度か「ここだけは」という枝を選び、電ノコで落としているシュウくんを見て、はしゃいでいた杏が寄ってきました。ウィィィィィィン、という電ノコの音を聞きながら、言いにくそうに、一言。

 

「あのさ・・・ママ・・・。本当は、梅の木、切ってほしくなかった?」

 

「え?」

 

「ウチ・・・梅の木を切るくらいだったら、ツリーハウス、いらなかったかも・・・」

 

「笑 そうか、梅の木がかわいそうだなっていう気持ちがしたの?」

 

「うん」

 

「大丈夫。梅の木もきっと、杏たちがもっと一緒に遊ぶようになったら喜ぶよ。シュウくん、なるべく木を切らないように考えて作ってくれてるし、梅の木にとって枝を切ることはたぶん、杏が髪の毛切るのと同じ感じなんじゃないかな」

 

 

そう答えて、安心した杏の顔を確認しながらも、いや、やっぱり、杏のほうが合っている気がする。と思い直して、梅の木に手を合わせ、感謝しました。

 

「いつも子どもたちを見守ってくださり、ありがとうございます。あなたの枝に、ツリーハウスを作らせてくれて、ありがとうございます。どうかどうか、子どもたちと一緒に、これからも元気で生きてください・・・」

 

 

昨日は子どもたちみんなで暗くなるまでツリーデッキで遊び、今朝も早くから木登りしていました。

 

 

 

今回はツリーデッキまでしか仕上がらなかったから、まだ小屋をつくる楽しみも残っています。ちょっとインパクトや丸ノコ、グラインダーを触ったら、DIY熱に火がついちゃって、大きめコンポストや鶏小屋も作りたくなっちゃったりもして。

 

じゃーん。そして、ツリーハウスのほか、見てください、これーっ。

杏がデザインして、近所の大好きなパティシエお姉さん Bakeromi こと広海ちゃんにつくってもらった、このケーキっ♡!

 

 

杏、嬉しすぎてしばらくかたまっちゃってました。笑

 

 

 

逗子の仲間たちとは今、逗子市の制度「アダプトプログラム」(市有地の里親になる制度 / http://www.city.zushi.kanagawa.jp/…/adopt…/adoptprogram.html )を勉強中。市有地の里親になり、楽しく整備しながら、皆で食べ物を植え、遊び場作りに励む計画を続々練っています。あの森も、あの公園も、あの空き地も、みんなで食べ物だらけの遊び場にしちゃおうよと。

 

そうそう、そうなんだよ。1人じゃできないことも、みんなで集まればあっという間に形になる。しかも、楽しい。

 

人生って、人が生きるって、ほんと、豊かだなあー!

 

 

親バカ誕生日会に集まってくれたみんな、いつもいつもありがとう。おかげさまで、親子で幸せです。ありがとう。

 

 

<ついき>

 

*中里修一くん(Shuichi Nakazato)は、パーマカルチャーデザイナーとして、ツリーハウスビルダーとして、全国で活躍できる先生です。大人だけでガッツリでも、子どもも一緒にノンビリでもいける人。ツリーハウスのあるパーマカルチャー菜園、あなたの町にもひとつ、いかがですかー?!

 

*写真に出てくる美しすぎるケーキは、近所のパティシエ小禄広海ちゃん( Bakeromi )作。杏がデザインしたケーキを大好きな近所のお姉さんが忠実に再現してくれて、実物が出てきたら、杏、嬉しすぎて緊張のあまり固まる。笑 かわいかったなー

 

*私の写真も混ざっちゃったけど、「おっ」といういい写真はすべて小禄慎一郎くん(http://owlcompany.net/photographers/shinichiro-oroku/)撮影。慎ちゃん、いつもありがとう!!

 

 

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Sokka is organizing a harvest festival on Nov 3rd. Starting from making our own salt from the water of local Zushi Beach, we will have a BBQ with locally gathered food. Contact us if interested!! 

一般社団法人「そっか」がはじまって、3ヶ月。

「そっかって、海の子ども会やってる人たちだよね」
「そっかって、トビウオクラブと何が違うんですか」
「・・・そっかって、なんなんですか?」

とよく聞かれます。

たとえば今日は、「つまるところ、自分たちの暮らす土地で思いきり遊びながら、自分たちの暮らす土地に食べ物を植えてるだけ」とメンバーの1人が話していましたが、うん、たぶんそういう感じ。

情報過多なこの世の中で、ただ目の前の自然を知り尽くして思いきり遊ぶこと、そして衣食住を自分たちの手に取り戻していくことって、すんごい楽しくない?という人たちの「子ども会(&大人会)」のようなものです。

この遊びに意味づけをするとすれば、

「そういう遊びはいちばんの学びの場であり、いちばんの防災でもある」

とも言えるかな、と心の片隅でとらえつつ、今日も楽しく遊んでいます。

というわけで、

今回は、逗子にあるものを獲ってきて、火を熾して、作って、食べて、飲んで、子ども大人、地域、混ぜこぜで遊んでしまおうという企画をしてみました。以下、詳細です。

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<そっか感謝祭 ver1.0>

日時: 11月2日(水)夕刻〜3日(祝)14時解散予定

会場 : 逗子海岸 、黒門カルチャークラブ母屋

参加費: 無料

備考: 皆さんの都合で出入りOK、雨天中止

持ち物: 
・「あなたにとってストーリーのある食材」1品持ち寄り(※詳細は以下)
・食料探しに出る方、釣りに出る、畑に出る、逗子色探しに出る方は、それなりの格好
・燃やせるものも、各自持参
・飲み物も各自持参
・近所の方は、BBQ台やたき火台を持ってきていただけると助かります。

対象: 「そっか」が運営する放課後の海の学校「黒門トビウオクラブ」「海の子ども会」および未就園児親子の自主保育「海のようちえん」参加親子が中心に100人前後を想定しています。 が、これを読む方は、皆、何かしらの繋がりがある方かと思います。興味のある方は、逗子近辺に住んでなくとも気後れせずにご参加ください。

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<イベントの流れ>

11月2日(水) 
  18時~ 逗子海岸 渚橋下にて
  「オヤジたちの塩炊き祭り」
(火守を夜通しで行います。寝袋必須。オヤジでなくても参加可能)

11月3日(祝)
  6時~ 渚橋下集合 カヌーや磯から魚釣り
  10時~ 黒門かるちゃークラブに集合
「食糧採取チーム」と「友産友消持ち寄りチーム」「逗子色採取チーム」に分かれて食事やら遊び準備
  11時半~ 黒門かるちゃークラブにて
   「みんなで作った塩と、ここにある食材で」バーベキュー
  14時 おひらき予定

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以下、うっかり八兵衛こと八幡暁さんの文章です。
うっかり最後まで読んだら、きっと参加したくなりますね。笑


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「あのさ、自分の町で生きのびてみる!?」
「なにそれ?サバイバル体験的な?」
「いやさ塩と水、食料くらい、人間として必要じゃないかね?」
「海がある逗子なら、塩を作ってたはずじゃないかな?」
「ってことは、その塩で何かうまいものをこしらえないとか!?」
そんな雑談から、なんとなくうごめいていた話。

11/2~3に向けて 自分の町の「そっか!」を見つけるというテーマを一応掲げつつも、大人子ども入り乱れた良い時間を過ごしたいなと、ただそれだけでございます。

それっていわゆる土地や食物、感謝の祭りじゃないですかね。
そーいうことだね、ということで感謝祭という名になりました(笑)

今回は、もしも町の電気、ガス、水道、食料の供給などのインフラが使えない状況になったら…今あるもので「楽しく」「美味しく」サバイバル体験を共有することで人と人、人と自然の関係性を取り戻すことが目的、というような話は、あくまで付録でついてくるなもの。まずは楽しく、美味しい場になればOK~

逗子の海水で「塩作り」からスタート。
手で火熾ししてみる。
食材は海や畑からとってくる。
作りたてホヤホヤの逗子塩をふりかけ、この町食材BBQ。

おそらく、まだ自給能力、土地の生産性は高くないので、食材不足が見込まれます(笑)、家族ごとに持ち寄り1品をお願いします。

持ち寄り品のテーマは「あなたにとってストーリーのある食材」

「いつも散歩する山道に群生しているミョウガです」
「地元豆腐屋でいただいたおからのスイーツです」
「娘が芋掘り遠足で掘ってきた芋で、大学芋できました」
「夏に市民農園で収穫した紫蘇で、ふりかけを作りました」
「田舎から送られてきたお米と湘南しらすのリゾットです」

などなど、地産地消ならぬ、友産友消ストーリーのある食べ物を持参することが、参加の条件。

そのへんで採取するもOK、地元のお店で購入するもOK、いただきものを加工して持参するのもなんでもあり。皆が持参した「友産食材」にはエピソードタグをつけ、背景のストーリーを楽しみながら食事が出来るかな。

皆で食べ物を集め、飲み物を持参するので参加費は無料。自分たちの食卓を、自分たちの森里川海でどこまで豊かに彩るでしょうか。

お腹を満たしつつ、地域の自然や人との繋がり、食べ物の在処、ヒューマン&ヘルスケアの逗子地図を作りましょう。

地域の子供達の合宿・活動の報告会
次なる「町のそっか!」を見つける作戦会議も行います。

みんなで集めた「足下にあるもの」は、こんなに美味しい!
みんなで工夫して食べると、こんなに楽しい!
となるでしょうか?乞うご期待。

あ、さらに…
「逗子の色集めワークショップ」も開催予定(別にプロを呼ぶわけではありませぬ、あしからず)食べ物だけでなく、今、町にある草木をとってきて、色染めてみる。食べ物に執着がない子も、色遊び、染め物作りができたりしたら、楽しい子もいるかなー


※参加予定者数:
約100人。「そっか」が運営する放課後の海の学校「黒門トビウオクラブ」「海の子ども会」および未就園児親子の自主保育「海のようちえん」参加親子が中心になるかと思いますが、ここまで訪れて読む方は、何かしらの繋がりがある方かと思いますので、興味のある方は、逗子近辺に住んでなくとも気後れせずにご参加ください。


ながなが書きました。長文お付き合いありがとうございます。イベントページも作りますので、参加予定の方は、ポチッと参加ボタンを押してくださいませ!



※「そっか」の活動は日本財団「海の日本」プロジェクトの助成を受けています。


 

Edible Schoolyard x Jiyu Gakien. Too much positive energy received and don't know how to work on it. A memorable evening… 

Oh and look how real their school lunch is!! Eggs are from the chickens of Elementary children, spinach grown by kindergarten children, sweet potatoes are from the garden of their highschool boys, and ume-boshi made by college girls... And #jiyugakuen, you have been doing this for 90 years?! Simply incredible. 

 

 

 

エディブルスクールヤード(以下ESY)×自由学園。「食べる」を真ん中に学びを作る二者が相乗効果で生んだ空気感がポジティブすぎて、まだそれをどうしたらいいか、うまく言葉にできない。80人満員御礼で参加してくださった皆さんと共有できた時間を大切に、できることから、ひとつずつやっていこう。そう心に刻んだ夜でした。

 

 

今回は、

 

・自由学園を 幼児生活団(幼稚園)→男子部養豚場→女子部食堂と台所→新天地(畑)→堆肥場→初等部 とフルに、学生たちに案内してもらう
・ESYの紹介をする
・ESYのガーデン授業&キッチン授業を体験
・自由学園の90年の歩みを紹介していただく
・自由学園の初等部の1年間の様子を紹介していただく
・自由学園の給食を配膳〜片付けまで体験!
・参加者同士のディスカッション

 

という流れで行った企画でした。参加した皆様も、(手前味噌ですがもちろん)ESYも、自由学園も、すばらしすぎました。

 

 

5歳の女の子ふたりが、うずらの飼育や茄子の栽培について教えてくれるところからはじまったツアーがまずあまりに楽しくて。参加者の皆さん、広大な敷地に広がる生物多様性の豊かさ、点在する校舎の美しさ、すれ違い様に挨拶してくれる学生たちの飾らない明るさに息をのみながら写真撮りまくり質問しまくり。だから、イベントは最初から30分押しのスタート。そんなこんなで、進行はあまりにハチャメチャだったのに、圧倒的にポジティブな空気に包まれたイベントでした。

 

 

 

確実に、なにかがここからはじまる。そんな感動を的確に表現できる言葉が今はまだ足りないので、あまりに感動的な「給食」の内容だけ紹介して、あとは写真に任せます。

初等部の食堂をお借りして、皆でいただいた食事の内容。

 

 

おひたしのツルムラサキは幼稚園の子たちが育て、
擬製豆腐の卵は小学生が大事に育てている烏骨鶏からいただき、
みぞれ和えのサツマイモは男子部の畑から、茄子は幼稚園から、
梅干しは大学女子たちの手作りで、
ワカメは学生が通う被災地支援で縁のある東北の町から。

 

 

す、すごすぎる・・・!

しかも、小学校では保護者が調理し、1年生から6年生までが一緒に、ひとつのテーブルでいただく。中高では、学生が順番に自分たちで(毎日!)調理し、12歳から18歳までが一緒に、ひとつのテーブルでいただく。その献立を作るのは、最高学部(大学)の学生たち、という。

 

 収穫祭の様子

 

もはや、泣けます。
これ以上の学びも、 #友産友消も、他で見たことがありません。

 

 

ああ、米国バークレーまで学びに行った場作りが、すでに大正時代から日本に存在していたという奇跡。胸いっぱいです。

 

自由学園は、アリスの言う "Beauty is a Language - 美しさは、言語である" も "School lunch as an academic subject - 学校給食を正式な学校教科に" も完璧に体現しています。しかも、90年前から。

 

 

自由学園は素晴らしいけれど、私立の学校。このままモデルとして突っ走っていただきつつ、これを確実に、公立にも広げていきたい。

 

「この場で、いつか、世界中の教育者が研修を受け、ネットワーキングすることができる、日本版のEdible Schoolyard Academyを開催したい」- 自分の妄想でしかないと思っていたそれが、参加者のみなさんの熱を感じ、数年後には形になるような気さえしてきました。

 

 

すべての子どもたちに学校菜園を。すべての子どもたちに「生きる」ことを真ん中にした教育環境を。その変化へのうねりは、実はもうはじまっている。あとは、どのタイミングで波に乗るかを見定めるだけ。

 

Kazuya Takahashi先生、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!

 

 

 

Building a fire with tall goldenrod and hemp strings... This is the #trackerschool way!! Enjoyed my first charcoal digging, too. Working on fire and making something from scratch with a knife - fun and philosophical work. 

 

パーマカルチャー菜園のある保育園「ごかんのもり」に、鹿児島から友人・テンダーこと小崎悠太くん来訪。「わがや電力〜12歳からとりかかる太陽光発電の入門書」でちょい有名人な彼は、北米先住民の技術を伝える学校「トラッカースクール」で生きるためのスキルの基礎を学びました。

 

 

 

そんなテンダー一家が暮らすのは、電気・ガス・水道の契約をしていない古民家。水は沢水、電気は太陽光発電、火は裏山の薪からまかなっています。

 

「わがやでは料理に風呂焚きに、毎日火が燃やされています。着火にマッチを使うこともありますが、技術のおさらいがてら日常的に火おこしを楽しんでいます」

 

ひえー、ツワモノ。でも、普段はガスや電気に頼る私たちだって、災害時には他人事じゃありません。

 

「たとえば冬、雪が降る中、災害で避難所にいるとする。電気はない。寒くて暗い。そんなとき、そこに一人でも、そのへんにあるもので火を起こせる人がいたら?もう、ヒーローですよ。
 しかも、それができるのが、二人だったら?三人になったら?その場の絶望感も変わってくる」

 

・・・確かに。

 

というわけで、彼ができる数あるワークショップのうちの基本のキ、火起こしからみんなでやってみることに。

 

 

 

<火起こし>

 

テンダーが取り出したのは、秋になってからからに乾いたセイタカアワダチソウと、ほぐした麻ひもと、板1枚。これで火おこしをします。

 

詳しいやりかたはBePalに詳しい(http://www.bepal.net/camping/bonfire/11639)ので、ここでは印象に残った考えかただけ。

 

「火きりぎねのセイタカアワダチソウは父さん。火きりぎねと摩擦する火きりうすの板は、母さん。そこで生まれる火種は赤ちゃん。ほぐした麻ひもは、赤ちゃんの揺りかご。

 トラッカースクールで、必死に起こした火種が消えないようにと、俺がフーフーフーフーやたらめったら息を吹きかけていたら、先生に言われました。お前は、揺りかごにいる赤ちゃんにそんなことをするのか。優しくしっかり、息を吹きかけて育てよと。

 それから、よくこんな風に、地面に落ちた火種を足で踏み消しますね。それも怒られる。お前に必要があってせっかく生んだ火を、最後まで使い切ることなく足で踏みつけるようなことはするなと」

 

はー、そうだよね。

 

 

 

 

「3ヶ月、毎日練習した」というテンダーだと今や3分足らずで火がつきます。「意外と簡単なのかな?」と私たちがやってみたら、2時間やってもつかない!

 

鉄棒の練習をしている小学生みたいに、手の平の皮までベロンとむけちゃった人もちらほら。でも、つかない。2人がかりでやる場合のお互いの力加減やタイミングの塩梅にも、工夫が必要で。

 

 

そう、火は、そんな風に貴重で、ものすごく大切なものだったのでした。教科書じゃ教えられない暮らしの中の知恵と経験、昔は年長者が若い人たちと時間を共にして、教えていたのでしょう。スイッチポンの便利な世界が私たちから奪ったもの、思っているよりも深刻かもしれないなあと思いました。

 

 

 

<チャコールディギング>

 

なんとか火起こしができて、お昼をいただいてからは、初めてのチャコールディギング。めちゃくちゃ楽しかったなー。

 

チャコールディギングというのは、木材に穴を掘る技術のこと。森の中などで、刃物がないときでも木材に深い穴を開けられる、素晴らしい先住民技術です。

 

炭を木材に乗せ、ふーふーふーと吹いていると木材の表面温度がだんだん上がってくる。そのうちうっすら、木材のほうにもほわっと火がつく。その火と、ナイフをうまく使いながらスプーンのくぼみを掘っていきます。ほとんど道具も力もいらないので、子どもたちにもできる。調子に乗ると、スプーンに穴があいちゃう。今回は時間の関係でスプーンを掘ったけれど、本当はコップやお皿、深い穴のものもできるって。なるほどねー。

 

 

日本にこうした技術があると聞いたことないのは、なぜだろうと考えて、はっ。日本には竹があったから、この技術はいらなかったんだ。節がある竹は、切るだけでカップやお皿に、割るだけで箸になったんだ。

 

火とは。スプーンとは。文明とは。
いろいろ考えちゃったなー。

 

 

ここには書ききれない、すぐには文字に起こせないような、おなかの底で感じながら考えるような感情と思考がぐるぐるはじまりました。そういうの、普段なかなかないな。忙しく予定をつめすぎず、無心で手を動かしてなにかを生み出すこと、人として成長するのにとても大事だなと思いました。そして、それはたぶん、子どもも一緒。

 

 

 

<野菜笛>


「火を起こし、人が集い、皆で食べたら、とりあえず暮らしは大丈夫。そこに音楽が入ってくることで、文化が生まれるよ」とテンダー。

 

というわけで、「そこにあるもんで」楽器をつくります。ニンジン&大根のスライドホイッスルに、ニンジンサックス、ちくわサックス!

 

 

実は音大出身のテンダーが、うっとりした表情で吹くニンジンde「ニューシネマパラダイス」。や、やめて・・・ うますぎて、笑いが止まらない。そこに乱入する、ごかん園長のじゃがさんと、盛り上げ隊長の山ちゃん。3人あわせて「キャロッツ」って、本当にもうやめてー!笑

 

*携帯不調で動画アップできないので、ニンジンサックスのすごさは、テンダーウェブサイトにてご覧ください: http://yohoho.jp/16511 

 

 

 

いい大人たちが、そこにあるものだけで、どれだけ楽しめるかに情熱を注ぐ姿のまぶしさといったら。じゃがさんなんて、火がつかないのが悔しすぎて、10分でランチを終えて庭に戻っていったもんね。これぞ、学びの場!笑

 

 

 

「これが正解ですよ」「一般的にこう言われていますよ」って教わること=知識の伝達スタイルの学びは、もう面白くない。だって、そういうのはなんでも、グーグル先生が教えてくれる時代なんだもん。

 

いま圧倒的に足りていないなのは、手を動かしながら考えること。セイタカアワダチソウの回転数と上からかける圧力の塩梅を自分で考えながら調整したり、一緒にやる仲間との力加減をあうんの呼吸でバランスとってみたり、お互いに作った「あるもんで楽器」で、仲間に会わせて演奏しあって笑ってみたり。

 

 

 

大人にも大事なことだけど、こういう時間をもっともっと、子どもたちと共有できるようでないといけないなあ。(でも、たとえば小学校で火を扱わせてもらうなんて、逗子ではまだまだハードルが高そう・・・涙 長い目でみて、頑張る!) 

 

ガスも電気もある世の中で、みんながテンダーみたいに生きていくことは難しい。でも、こういう時間を通して、人がどこかに置いてきてしまった知恵や想像力を回復することは、とても大切だと思います。新しい未来をつくっていくために。

 

今回、あえて講演は行わず、最初からみんなで手を動かしながらの会話の中に、テンダー哲学をこめてもらいました。それが大正解。ぎゅっと詰まったトークを聞くよりもむしろ、ちょこちょこ交す会話の中から得る知恵が多いという不思議。

 

テンダー、ありがとう!

 

 

 

My friend's project #farmcanning is a delicious solution to the food waste issue. She buys all the mulshaped and overproduced veggies and fruits from organic farmers and make them into beautiful jars of preserved food. Her latest works are "Madam KAKI(persimmon)" and "SHISO Dayori(Hearing from Japanese basil)"... Too good to be true!! 

 

昨夜、Farm Canningの最新作についた名前が素敵すぎて、ノックアウトされましたー。その名も、「紫蘇便り02」と「マダム柿」♡ 

 

たくさんついてしまった紫蘇の穂はお店で売れなくても、セロリ・ニンニク・オリーブオイルの魔法で最高のペストに変身。熟れ熟れだった柿はバルサミコ酢と白ワインにレモンを利かせて、美味しいドレッシングに。チーズにも合いそうー。贈り物にもいいかなと、私は2瓶ずつ大人買い。

 

その発起人、パーマカルチャー母ちゃん仲間の西村千恵ちゃんは、有機農家の廃棄野菜を「すべて買いとります!」と応援宣言し、次から次へと美しくおいしい瓶詰めに変身させている。テーマは、「手抜きができるオーガニック」。タマネギをドライトマトと煮詰めて「コクノモト」にしたり、和えるだけで誰もが天才シェフになれてしまうパスタソース「マスタードマスタード」にしたり。生産者にも、おうちご飯にも優しいね。

 

 

小さすぎるタマネギをむくのも、じゅくじゅくの柿から種を取るのも、ツメ先真っ黒にしながら紫蘇の穂をとるのも、1〜2人の小さな工房で手作業するのは並大抵のことじゃありません。それでも、やる。彼女のまっすぐな姿勢に、私は毎度、心打たれまくりです。

 

土と生態系を農家さんが守り、
想いある農家さんのことは作り手たちが守り、
想いある作り手をみんなで守り、美味しくいただいたら、
豊かで幸せな循環のできあがり!

 

農家さんの生活苦も、生態系の破壊も、廃棄される食べ物問題も、家庭の食の崩壊も、この美しい瓶詰めたちが一挙解決。これぞ、#友産友消

 

*Farm Canningサイト: http://www.farmcanning.com 

 

 

 

偽物を売りつけたり、何かを破壊しながらでしか稼げないビジネスは、段階的に淘汰されていっているのをすでに感じる。でも、「段階的に」なんてもう待ってられない。自然と人が生き生きするお金の循環を、もっともっと加速させたいなと思います。

 

友達が作ったものを、友達としておいしくいただく幸せ。
「地産地消」よりもっと自由で、
「顔のみえる」よりもうちょっと近い関係。
その歓びや、出会いの、 さらなるお裾分け──。

人と人がちゃんと繋がって生きていく。
その先にかならず、ハッピーな未来があるんじゃないか。

 

そう思って、友産友消を流行らせたいなと、ここ数年動いてきました。

ここにきて、周囲でその流れにアクセルがかかりはじめたのを感じています。

 

(*友産友消サイト: http://tomotomo.site )

 

 

Farm Canning、
友産友消、
ゲリラガーデニング、
スローフード、
エディブル・スクールヤード / 学校菜園。

 

切り口はなんでもいい。「食べる」を真ん中に社会に働きかけるやりかたは、ものすごくたくさんある。想いある大人みーんなで日々の「食べる」から変え始めたら、すごい地殻変動が起こるだろうなあと、最近思うのです。

 

 

千恵ちゃん、「マダム柿」の成熟した美味しさに卒倒したよ。
今日もインスピレーション、ありがとう♡!

 

*ついき:
月に一度葉山の有機農園に集って、畑の旬を瓶詰めにする学校 Farm Canning School、2期生に1枠空きが出ましたよ!
http://www.farmcanning.com/new-page-1/

 

 

My dear friend Emiko Ichinose, who did a wonderful interpreting job mainly at the indigenous people's gatherings at Terra Madre 2016, shared their wisdom. Please take a look at the movie of Indigenous Terra Madre 2015 - yes, the wisdom is all there. Let's learn more and put them into practice. Wish I can join them sometime in the near future. 

 

テッラマードレでは、元同僚で友人の恵美と毎晩のように飲み語り、その日一日、お互いが見聞きしたことを共有するのが楽しくて仕方がありませんでした。見るもの聞くもの食べるもの出会う人が多すぎて、すべてを網羅するのは絶対に無理だった会場で、「Diversity is beautiful / 多様な世界は美しい」と、お腹の底から共有できている元同僚から聞き知る情報は、まるで自分が2人いて会場を散策できていたような気持ちにさえなりました。(ありがとう恵美!)

 

今回彼女はIndigenous Terra Madre、通称「先住民ブース」に張り付きで通訳をしていました。世界中の先住民が集まり、どのようにネットワークして、どうやって外の人々とその知恵を共有していくのかというのを模索する場から、日々、恵美が切り取ってくる報告。ものすごく刺激的でした。

 

なかでも印象的だったのは、

 

「生物多様性が失われる危機を辛うじて守ってきたのが世界の先住民族。いま、世界の80%の多様な生物は、(全世界の人々が住む全面積のうち)先住民たちが生活圏としている20%に存在する」

 

という話。

 

伝統的な暮らしを営む人の文化と生活圏を守っていくことが、そのままこの地球の生物多様性の保護にもつながるというのは、もはやロマンチシズムではなくて、事実なのですね。

 

それと、先住民同士の間で、

 

「すべての人は、どこかの土地とつながっていた先住民。植民と開発を進めた人々も、元をたどれば先住民。先住民と外の人の間に壁を作らず、なるべく他との理解と協力を促して運動を広げましょう」

 

「企業はこれから先住民がもっている英知で富を得ようとするはず。今までも多国籍企業はそのようにして富を得てきた。彼らがこの英知を独占する前に、コモンズとして世界の人々と共有するのがいいのではないか」

 

「これから必ず、種をめぐって戦争がはじまろうとする。それだけは決して、許してはならない」

 

と語られたという話。

 

 

今年の様子を紹介する写真があまりないので、去年開催された先住民テッラマードレの映像、共有します。

 

https://www.youtube.com/watch?v=mjnp2NGpPmc

 

(インド北東の小さな州、メガラヤの首都シロンで開催されたそう。このあたりの先住民の村では、70%の食べ物を森から採集しているそう。訪れてみたいなー!)

 

この映像の中で、インドからの参加者が語った言葉が印象的でした。

 

 

時はきた
古代からの知恵をメインストリームに出していこう
観賞用のエキゾティシズムや神話としてではなくて
この知恵を皆で実践していこう

 

お金はかからない
私たちの皆の目の前に提供されているこの知恵と生きかたを
もうほんの少しだけ深く研究して
みんなで「さあやろう」と決めるだけ

 

 

さあやろう、と決めるだけ。

 

もちろん、暮らしのすべてを彼らと同じようには、私にはできない。でも、ほんの少しずつでも、自分の衣食住を、身の周りにあるつながりから手作りすることを取り戻しはじめることができたら。そのための知恵を、土地とつながって生きる人たちから学び直すことができたら、と思って、いまの活動をしている。

 

「昔に戻る=貧しく苦しい」という話じゃない。
「懐かしい未来を生きる=豊かで幸せ」という話。

 

 

 

I was honored to be a part of “Rethinking School Canteen” forum at #terramadre2016 along with speakers from different parts of the world. Inspired so much from everyone of the speakers and now determined to do what I can to make a positive shift in school lunch. Loving the idea of making school lunch an academic subject. Yes, children should get credit for eating good, clean, and fair food.

 

スローフード・インターナショナルが2年に一度開催する食の祭典「テッラマードレ」から持ち帰った出会いと刺激を消化しきれないまま毎日を過ごしています。

今日は、学校給食の話。

 

今回、米国、デンマーク、チェコ、イタリア、アフリカ全土で給食改革に取り組むスピーカーたちと共に、日本からの登壇者として <Rethinking School Canteen / 学校「給食」を考える> に参加してきました。

 

 

 

デンマークからの登壇者の話が、まず先進的すぎて、衝撃でした。

 

「コペンハーゲンでは、15年前に “市内の公的なケータリングの90%以上をオーガニックにする” と決めました。現在、学校給食のオーガニック率は88%。9割の目標は、来年度中に実現できます」

 

「都市化が進む中で、農家の救済が必須なのはどの国でも同じですが、コペンハーゲン市では “Trade, not aid / 支援ではなく、公正な取引を” を合い言葉に、給食の加工食品を減らし、旬の野菜をより多く取り入れることで農家を支援しています」

 

「単一作物栽培は、国家の生物多様性にも打撃を与えるため、多様な作物を育てている農家から優先的に購入すると発表し、実際そのようにしてきたところ、この15年間で農家の育てる作物がどんどん多品目・オーガニックに変わってきています」

 

 

「加工品を減らすことができるよう、夏期休業の時間などを利用して、旬の野菜をたくさん調理し、保存食にするなどの工夫をしています」

 

「子どもへの食育としては、子どもたち6人がチームとなり、丸一日かけて全校生徒の給食の一部を調理することを1週間体験する、という学びの体制を整えました。そのための先生ができる専属シェフを雇っています」

 

 

ほえー。うらやましすぎる!
(でも逆に、決めればできちゃうんだね、15年で。とも思いました)

 

ブラジルでも、数年前に「学校給食は少なくても食材の30%を地域の有機農家から仕入れること」という条例ができたことで、農家が変わりつつあるという発言もありました。

 

 

 

チェコからの登壇者は、スローフードシェフ(※これについても後日詳細レポートしたい)たちと共に学校給食に働きかけることを続けて、3年目の方でした。

 

「この3年間で、23校で働く給食調理員と管理栄養士92人が、スローフードシェフによる研修を受けました。そのうち4校では、スローフードシェフが学校給食を丸2日間、全校生徒に向けて調理&提供しました。その4校に通う1800人の6年生〜中学3年生は、実際にそのシェフたちと共に料理をするクラスを体験しました。
 多国籍・異文化の子どもがいる学校では、文化に配慮した調理も行うし、ベジタリアン食も美味しいという実感を得られるメニュー開発もします。授業を行ったあとの感想としては、子どもたちからは “地域で採れる旬のものがいちばん美味しいし、大事だとわかった”などの声、親たちからは “給食の時間にこんなに深い学びが得られるなんて” という声が多かったです」

 

イタリア・フィレンツェで病院食と学校給食のオーガニック化に取り組むSIAFという団体の方も、面白かった。

 

「学校給食をオーガニックに変えると、子どもの舌が変わってきます。お母さん、今日は塩が強いね、などの会話も家庭ではじまります。有機野菜をどこで買えばいいかわからない親も多いので、学校で提供する食事のレシピを家庭にも配布し、そのレシピを支えるオーガニック野菜を販売するトラックを学校に寄せたりもします。
 家庭の食卓が崩れはじめている今、学校給食こそが、食の伝統と、地域の生物多様性を守る切り口なのです」

 

 

イタリア・トリノ市の学校給食担当者の言葉も印象的でした。

 

「子どもは生まれてくる家庭を選べません。1920年代、貧富の差によって食べられる子どもとそうでない子がいるのはおかしい、と学校給食がはじまりました。現在は、カロリーベースでいえば、飢える心配はない社会。でも、お金があっても野菜を買って調理するのではなく、加工品を購入してレンジでチンして済ませる家庭が増えています。子どもの弧食の問題もあります。
 みんなで美味しい食卓を囲む体験をすべての子どもたちに。その意味で、学校給食は本当に大切です」

 

トリノでも、ニューヨークでも、給食の食材の一部をオーガニックに切り替え、その食材を提供する農家に子どもたちをクラスごとまるまる連れて行く授業を行うなど、理科や社会の学びと、給食の時間をうまく融合する学校が多い印象を受けました。

 

 

 

日本代表の私からは、何をどう発表するか、迷いに迷いました。私は給食の専門家ではない。ひとりの保護者として、一般的な学校給食を批判しようと思えばキリがない。でも、日本の給食がどれだけ酷いかを世界の人たちに伝えても、世界はいいほうに変わらない。であれば、参考にしてもらえるかもしれないポジティブな例を紹介しようと決めました。

 

「使っているのは慣行農業の野菜だし、ご飯食に牛乳とか組み合わせがメチャクチャこともあるけれど、それでも(米国やヨーロッパに比べたら)日本の給食は栄養バランスが取れている。子どもたちが自分たちで配膳し、片付けをするのも日本全国どこの学校でも一般化している。相対的に、悪くはない」とした上で、それでも「もっともっと高みを目指している」例を5つ、紹介してきました。

 

・福岡ではじまった、子どもが自分でつくる「弁当の日」
・西東京の「境南小学校」のオーガニック革命
・(私立だけど)生徒が毎日自分たちの給食を調理する「自由学園」
・(給食じゃないけど)2年目にして保護者と先生を変えつつある多摩市立愛和小学校でのエディブル・スクールヤードの取り組み
・(保育園だけど)園内外の大人たちの力でパーマカルチャー菜園をつくった「ごかんたいそう保育園」

 

日本のお弁当文化に心酔している方も多く、シェフでもない一般的な日本人が作るキャラ弁の写真には拍手さえ沸きました。36年間かけて、有機農家に雇用を生みながら給食を変えた海老原さんの話にはため息が聞こえました。90年も前から、食卓を真ん中に学びをつくってきた自由学園の例には、うなり声(笑)さえ聞こえました。「公立小学校を変えるのが難しかったら、まずは保育園・幼稚園から変えていく中で地域のリーダーを育てよう」という提案にも、拍手が起こりました。

 

全体的に、日本の食文化への憧れというか、圧倒的肯定感を持つ人が多い印象。この感じ、これからも大事にしていたいですね。

 

 

 

 

さて、スローフード協会には、数年前に「Dream Canteens/夢の学校給食」というプロジェクトが立ち上がっています。給食改革のために、どうやって保護者・教師・学校運営者・給食調理員・自治体・地域のシェフ・農家が一丸となったチームをつくるか。どうやって、加工品・冷凍食品を使うことをやめ、地元で採れる旬の野菜を使った美味しい食事を予算内で作るか(もしくは、どうやって、行政の給食予算をアップするか)。給食を通じて農家を支援したり、食糧廃棄を減らしたり、生物多様性を守ったりしていく方法は。学校でしかまともな食事を食べることができない家庭も少なくない中で、子どもや親への食育をどうするか。

 

そんな、大きな挑戦に取り組む地域のリーダーが増えつつあることを感じとったスローフード協会イタリア支部副代表が、フォーラム終了時のコメントで言いました。

 

「Dream Canteenに取り組むリーダーたちのネットワーク化をしましょう。各国の取り組み、これからもシェアしあえるオンライン・オフラインのネットワークを作り、互いに知恵と経験を共有していきましょう!」

 

満場一致、拍手で決定。
当然、登壇していた流れ上、私もそのネットワークの日本窓口になることに…。

 

えっ。

 

とか言ってる場合じゃなくて、こりゃもう、やるしかないね。笑

 

日本にだって、素晴らしい給食改革の事例がすでにたくさんある。やろうと思ったらもっともっと高みを目指せる。なにより「給食の時間を、正式な学校教科に」という発想にワクワクする。

 

 

 

 

アリス・ウォータースも言ってました。

 

「身体を動かすことは学校の仕事じゃなかった時代に、ケネディ大統領の英断で、体育が教科になったように、いま、食を教科にしなくちゃいけない。体育が教科になったことで、校庭にトラックができ、新しい教師の雇用が生まれた。子どもたちも、身体を動かすことで単位をもらえるようになった。それと同じ改革が、いま、食にも必要なんです。

 安心で美味しい給食を食べることで、子どもたちに単位をあげましょう。それが、農家を支える道だから。それが、子どもに “おいしく、きれいで、正しい” 価値観を伝える道だから。給食を学校の教科に。オバマが大統領である間に、ぜひ実現させたいことね」

 

はー、だよね、だよね。むくむくやる気が出てきました。世界中に仲間がいると思うと、ちょっとの壁くらいなんでもなくなるから不思議。給食の時間にできること、多すぎです!

 

・・・なんて思っていたら、フォーラム後、キルギスタンの方が「今度、JICAの協力で、キルギスタンの学校給食を改革することになっている。ぜひ、あなたの知見を担当者にインプットする打ち合わせを持ちたい」とか、

 

ラトビアでテレビに出るようなスターシェフが「来年また日本に行くんだ。自由学園と、君が携わったパーマカルチャー保育園にぜひ行きたいから案内してもらえないか」とか、

 

メキシコのパーマカルチャー母ちゃん(笑)が興奮気味に駆け寄ってきて「私も、あなたの意見にまるまる賛成よ!まさにいま、まずは保育園・幼稚園から改革しようと動き始めたところだったの」とか。

 

なんかもう、いただける出会いの波のポジティブなエネルギーにキリがなかったです。世界はきっと、変わっていく!!

 

というわけで、さっそく日本の給食改革のための作戦会議第1弾を、10/14(金)に、なんとあの<自由学園>にて行うことにしました。詳細は エディブル・スクールヤード・ジャパンのページより、週明けに発表します。仲間になってくださる方、ぜひ!参加してくださいね。

 

 

The Garden Revolution - A talk by Alice Waters, Ron Finley, and Edward Mukiibi at Teatro Carignano was absolutely amazing... I love #Slowfoodmovement and #EdibleSchoolyard!!

 

米国オーガニックの母アリス・ウォータース、ベイエリアのカリスマ・ゲリラガーデナーのロン・フィンリー、アフリカ10000の菜園プロジェクトのエドワード・ムキービの鼎談「菜園レボリューション」が素晴らしすぎて、涙。 

 

オペラ鑑賞ができる美しいテアトロで3人が語っていたこと。

すべてに頷きっぱなしで、全部覚えていたくて、メモを取る手が腱鞘炎になるかと思いました。ただの聴衆として参加したのに、気がつけば、仕事で通訳するときくらいの濃度でメモしていました。笑

 

以下、これでもトーク全体のサマリー程度ですが、メモを起こしましたので、皆さんにもお裾分けさせてください。

 

 

アリス

 

「米国カリフォリニアバークレーの中学校ではじめた菜園活動は、今年でもう21歳になります。それは、予想もしなかった展開から、自然とはじまったことでした。

 (アリスのレストラン)シェ・パニーズのそばに、荒れた中学校がありました。世界中から人が集まるUCバークレーがあるこの町で、どうやったらそんなに朽ち果てることができるの?というくらいに、暗いイメージの中学校でした。

 あるとき、同じ町に暮らす1人の大人として、何かできることがしたいという私のインタビューをたまたま聞いていたその中学校の校長先生が、電話をくれました。アリス、一度会いにきてください、って。もちろん、行きましたよ。校長と二人で学校を歩いていてすぐに、素晴らしいアイディアが浮かびました。草が伸び放題だった職員の駐車場を耕してガーデンに、ボロボロになってもう何年も使われていなかった食堂を改装して、キッチンにしたらどうかしら、って。

 人が学ぶのにいちばんいいのは、自分で手を動かすこと。やりながら学ぶこと。それは、モンテッソーリスクールの先生だった頃から、私の中で変わらないことでした。だから、菜園とキッチンができることで子どもたちがきっと変わる、というアイディアで校長と盛り上がって、それは興奮したものでした。」

 

「育てて、料理して、食べる。それをみんなで体験して勇気づけられたら、あとは自然が魔法をかけてくれます」

 

「菜園をはじめて10年たった頃、ガーデン授業、キッチン授業だけでなく、”給食” を学校の教科にしようと動き始めました。このランチマットを見てください。素敵でしょう?歴史の授業で学んでいるシルクロードの時代、食べ物はどこからどんな風に運ばれていたか。それがランチマットに描かれていたり、その時代に貿易された食べ物が実際に給食に出てきたり。給食を食べる時間が、言語や歴史を学ぶ時間にもなる。給食を食べることで、単位がもらえる。そんな風にしていきたい」

 

「いま、全米には1500の菜園プロジェクトが広がっていて、それぞれに行っている授業をウェブサイトにて無料で共有できるようにもなっています」

 

 

エドワード

 

「僕は若い頃から、自分の暮らす地域と学校の食べ物のことが気になるような子どもでした。どうしたらいい?誰か助けて!と思っていたのが、成長し、アフリカの歴史を勉強することで “アフリカの土地は自分たちにしか守れない” と悟りました。そこで、”アフリカ10000の菜園プロジェクト” をはじめました。いま、スローフード協会の支援も受けて、まだまだ広がっています。

 菜園づくりは、まずは学校からはじめました。1000の学校菜園を作ろうと思っていましたが、それはすぐに達成されました。24カ国に、1000以上の学校菜園ができました。しかも、トップダウンではなく、草の根からのやりかたで。

 アフリカには、すべてあります。資源も豊富、日照時間も長く、明るい人たちがいる。ただひとつだけなかったのが、地域のリーダーでした。草の根からの運動で菜園を作る、というこのプロジェクトによって、地域のリーダーたちも育っています。

 いまは42カ国に3000以上の菜園が、アフリカ中に広がっています。毎日毎日「私たちの地域でもやりたい」というメールが届きます。この1年間だけで、150通のリクエストがありました」

 

「菜園ができる前と後で、子どもたちに大きな変化があります。子どもと、そして先生にも、社会生活に変化が現れてきます。人に接する態度が変わります。

 昔、人は罰としてしか菜園に行きませんでした。植民地政権下で、自分の母語を話せば “畑を耕してきなさい” と言われました。やらされている畑ではなくて、皆の興味からはじまる畑でなくてはなりません。そのためには、畑にどんな作物を植えるか、そのデザインから皆で取り組む必要があります。自分たち自らが参加し、計画すると、態度がネガティブからポジティブに変わります。

 菜園に関わった1万人の子どもたちを見てきましたが、みんな、新しい人に話しかけるようになります。菜園で出会う人は安心、と感じるようになります。これまで、知らない人に話しかけるのは怖いと思っていたような子どももです」

 

 

アリス

 

「それを聞いて、どうしても共有したくなった話があるわ。サンフランシスコに、刑務所が運営する畑があります。私がそこの有機野菜を “買いたい” と言うと、オーナーが “ただ買うのはダメ。いちど見に来なきゃ売らないよ” と言うの。刑務所は怖いイメージだったし、行きたくなかったけれど、そこの野菜が欲しくて、刑務所に行きました。するとそこには、7エーカーの素晴らしい畑が広がっていました。

 3年間、刑務所と外を行ったりきたりの囚人に話を聞く機会がありました。彼が言うの「ここにきて、初めて畑作業をした日は、僕にとって人生最良の日でした」って。刑務所から釈放される日には「ここを出たくないと思った。まだ畑作業を続けていたかったから」と感じたそう。…刑務所でできるなら、学校でだってできるはずでしょう?」

 

 

 

ロン

 

「畑仕事が罰だってこと、よくわかります。放送禁止用語かもしれないけど、奴隷時代からの刷り込みがある。罰=奴隷だから、みんなやりたくない。

 だから、俺は畑仕事=ガーデニングを文化に戻したい。すべての生命は土から生まれるんだから、そこに携われるなんて素晴らしいじゃないか。奴隷時代の人たちは、畑作業を “しなくてはならなかった”。今の時代、土はゴールドを生むゆりかごなんだ」

 

「農業のこと、Agricultureって言いますね。agri-”culture”、つまり、文化なんだ。土があったら何ができるか。そんなクリエイティビティーを働かせるための場。ガーデニングしてるやつがモテる、菜園がセクシー、そんな空気を作りたいですね」

 

「俺が畑作業をはじめたのは、家の前にコンドームが捨ててあるのを見たとき。あまりにセクシーじゃない風景に嫌気がさして、コンドームを捨ててヒマワリを植えたんだ。その頃ちょうど、家からかなり遠くまで離れた場所までいかないと健康的な食べ物が手に入らない毎日にうんざりしていた頃だった。近所には酒屋しかない。なんで1000人も人がいるこの地域で、新鮮な野菜が手に入らないんだ?もう、うんざりだ。

 地産地消、ローカルがいいなんてみんな言うけど、俺はハイパーローカルを求めていた。近所じゃまだダメ。どローカル、つまり、自分の家に野菜がほしかったんだ」

 

「家に野菜を植えはじめてすぐに、それが楽しくなってきた。そうだ、公園にも植えてやろうと思った。近所の空き地にも。え?そんなこと勝手にして、苦情が来なかったかって?来たよ。あそこの土地にニンジンを植えてる狂ったやつは誰だって通報されて、捕まったこともある。でも大丈夫、有名人になれるぜ。みんな、土から食べ物ができるのは “変わっている” ことで、庭には芝生しか植えちゃいけないって思い込んでるんだな。15年間雨が降ってないカリフォルニアで、あれほど水を食う植物もないっていうのに」

 

「思い込みの度合いがヤバいところまで来てると思う。良心も、文化も、全部変えていかないといけない。色と、手触りと、五感全部を使って。ゲリラガーデニングでやってるのは、菜園づくりだけじゃない。俺たちが本当に生きたい世界はどんな場所かってことを、実験しているんだな」

 

「空いている土地に、食べ物を植えよう。めちゃくちゃに簡単なことだけど、これをみんなでやったらどうなる?地球のまわりかただって変えられるよ。土を耕すことで、この星の良心を取り戻すことができる。ほら、ここに座って。人種も宗教も関係なく話そうよ、みんなで楽しくやろうよってとこまでいけるはずなんだ。みんなでやれば」

 

「俺は、明けても暮れても土を作っているんだ。みんな、土からもらった生命を食べて、ウンチを土に返している。そんな簡単なことをみんなと思い出すために、俺はガーデニングを続けている。

 ただそれだけのことなのに、最近、俺は大学に招待されたりする。大学だよ。この俺が。ほんとに?って聞いちゃうよね。で、大学で講演して面白いなと思うのが、頭のいい学生たちは “how to think - どうやって考えるか” を教わっているんだな。俺はアホだから “what to think - 何を考えるか” からはじめたんだ。何を考えるかを自分で決めることができたら、自分を閉じ込める壁はなくなるよ。

 いつも学生に話すのは、なんだって自由にできるよってこと。自分の人生を、自分でデザインしたとおりに生きていいんだよってこと。当たり前のことなのに、それを言うと学生たちは “本当に?” って顔をする。もともと壁なんてないのに。当然だろ、みんな平等に白いキャンバスを与えられているんだ。そこに何色から色をつけるかなんて、俺は知らないよ。自分で考えろよ。大きな企業や学校に決めさせんなよ」

 

 

 

エディー

 

「アフリカ10000の菜園プロジェクトでは、管理するのは地域のリーダー。学校の畑の管理人に保護者や祖父母が関わるというのは先進国での話。アフリカではそんなことはできない。まず、広大な地域に学校がひとつしかなくて、子どもたちは毎日遠くから歩いてきている。祖父母の弱った足で、そんな距離を通うのは難しい。それに多くの場合、まず家族が食べていくために両親共働きの家族が多いし、家の食べるぶんを畑で作るのも忙しい。保護者が学校の畑を手伝うというのも、アフリカではいい提案とは言えません。

 保護者を学校に誘うのは、収穫をして、収穫物を分かち合えるとき。収穫物を使って料理のクラスをして、無料で食事をふるまうことができるとき。ただ、年間の菜園計画は親も祖父母も入って考えます。どの時期に何を植えて、育てるときにどんなことに気をつけるか、みんなの知識を総動員して、学校の菜園を作ります。保護者が、大事な種をわけてくれるときもある。結果として、学校菜園が地域の知恵と種の集約の場となっている」

 

 

 

アリス

 

「いま、エディブル・スクールヤードには、(エディブルスクールヤード実施校の)マーティン・ルーサー・キングJr中学校卒業生が2人、今度は先生として戻ってきてくれています。私のレストラン、シェ・パニーズにいる22歳のインターンも、卒業生。中学校生活はたった3年間だけど、短い間でも、一度入れば、ずっと彼らの中に残るのよ。DNAの一部になるような感じね。

 その意味では、土に触れて食べ物をつくる体験は、幼稚園からはじめるのが一番いい。育てて、料理して、食べる、という流れが自分の一部になるから。子どもだけで給食室を運営するのもいい。農家さんとのやりとり、作る量と経費の計算、誰に何が向いているかという心理やコミュニケーションの勉強にもなる。調理室を設計するところから子どもたちがやるのもいいかもしれない。

 って、そんな話をすると、こう言う人がいるの。 “それは素晴らしい職業訓練ですね”。違う、そうじゃない。やりたいのは、五感に戻ること。世界への視点を変えること。そうすることで、人間性まるまるが育つから」

 

ロン

「そう、技術の話じゃない。これは、生きる力の話なんだ。食べ物の話だし、命の話。自分がどう自分であることができるかって話」

 

エディー

「健康で正しい食べ物の側にあれば、人は、正しい側に生き、夢のある側にいようとしがみついていることができる。地域のリーダーとして菜園プロジェクトに関わっていたカンパラの大学生たちは、自分たちの大学の敷地内にも畑が欲しいと大学側と交渉して、見事実現していました」

 

アリス

「素晴らしいじゃない。そう、食べ物については、言って言い過ぎることはないの。だって、そうでしょう?子ども一人あたり5ドルの予算で、安全で美味しい給食と、その給食をつくる人の雇用を生むことができるっていうのに、なにを躊躇しているの? ”ホワイトハウスの裏庭に菜園ができて、素晴らしいですね” ですって?とんでもない。なぜ、正面玄関の側に作らないのって聞きたいわ。」

 

 

ロン

「そうなんだよ!俺の野菜はセクシーだから、正面側で見せびらかしたい。ただそれだけのことなんだ」

 

アリス

「本当に美味しいものを食べるとね、人は、必ずそれをもう一度食べたい、と思うようになるの。私にとって、フランスで食べた旬のアプリコットのジャムと、苺がそうだったように。本物の美味しい食事は、必ず人をテーブルに集めます。また戻りたくなるものなのよ」

 

ロン

「いいものが入ってきたら、いいものが出て行く。美しいものが入ってきたら、美しいものが出ていく。シンプルなことなんだよね」

 

アリス

「この会場もそうでしょう?美しい装飾、本物の空間。場がこんな風だと、会話の質だって変わってくる。”できる” って感じられる。美しさの魔法を、もっともっと使いましょうよ」

 

ロン

「俺たちはファストフードと大企業の奴隷になってしまった。 “なぜあなたは、次世代を育てることにそんなに情熱を持つことができるのか?” だって?別に、みんなに伝えようとは思ってないよ。自分の周りに本当のことを集めておきたいだけ。だっておかしいだろ、うちの近所には教会が2つあるのに、オーガニックのリンゴは10マイル離れた場所に行かないと手に入らない。まじかよ、教会にも畑作れよ、なんのための教会だよって。

 子どもには、”君らしくあれ。君が君でいられるために必要なことを学べ” と教えなくちゃいけないっていうのに、代わりに ”気をつけろ” と恐怖をあおるメッセージを受けつけている。あれをするにも、これをするにもお金がかかるぞ。金を稼げなかったらのたれ死ぬぞって。そうじゃない。オーガニック野菜が4キロあったら毎日飲んでるその薬は、いらなくなるぜ。

 壁は、どこにもないんだ。ただ考えぬき、感じ抜けばいい。やってることの正しさがみんなに伝わるのは、時間の問題なだけ。絶対にやると決めて動けば、自然と結果はついてくる」

 

 

アリス

「私には、待っている時間がないの。もう、明日にも変えたいのよ、学校を。身体を動かすことは学校の仕事じゃなかった時代に、ケネディ大統領の英断で、体育が教科になったように、いま、食を教科にしなくちゃいけない。体育が教科になったことで、校庭にトラックができ、新しい教師の雇用が生まれた。子どもたちも、身体を動かすことで単位をもらえるようになった。それと同じ改革が、いま、食にも必要なんです。

 安心で美味しい給食を食べることで、子どもたちに単位をあげましょう。それが、農家を支える道だから。それが、子どもに “おいしく、きれいで、正しい” 価値観を伝える道だから。給食を学校の教科に。オバマが大統領である間に、ぜひ実現させたいことね」

 

ロン

 

「いま、俺は自分の考えに制限をつくる壁を取り払うだけじゃなく、家の壁も取っ払うことにした。土が育ててくれた野菜をシチューにして来る人に配っていると、アル中や薬中毒がたくさん集まってくる。大変じゃないかって?なんでもないよ。土が人に何をしてくれるか、考えてみてよ。俺のしていることはそれに比べたら、本当になんでもない、人は、そんなことも忘れてしまうくらいに、土から離れすぎたんだな。

 人間は、土から炭素を取り出して、それを土に十分に返していない。だから俺は、土を育てているんだ。植物を育てているんじゃない。土を育てれば、植物は種蒔きゃ勝手に育つ。みんなコンポストを嫌うけど、俺はコンポストよりセクシーなのは母なる自然くらいしかないと思っているよ。

 地球には、人間なんて必要ない。人間が絶滅したって、地球は続いていく。俺たちには、地球が必要なんだ。俺たちは自然の一部で、俺たちがオーガニックなんだ。土は必ず生命を生んでくれる。みんな、もっと土とセックスしようぜ」

 

若い人からの質問:

「みんなと危機感を共有したい。難しい話じゃなくて、今日みたいにセクシーなやりかたで人に伝えるには、どうしたらいいですか?」

 

ロン

「問題があるってわかってるなら、大丈夫。人に伝えることより、君が、君のやりかたで直したらいい。完璧なリーダーなんてどこにもいない。君自身が先導者で、リーダーなんだよ」

 

 

みんな、なんて素敵で、突き抜けているんだろう。世界は広くて、もっともっと高みを目指している。これなら、まだ間に合うかもしれない。日本でだって、まだまだ走り抜けていい。

 

これを、1人じゃなく、これから日本で一緒に動いていきたい、信頼する仲間と一緒に聞けたことも宝物。頑張る勇気、もらいました。

ああ、かみさま。素晴らしい大人たちに出会わせてくれて、ありがとう。