地元工務店が発展していこうと望むなら、やってはいけないことがある。
その代表的な事が、「既製品の寄せ集め」だ。
リフォームにしても新築にしても、その工務店に何か特徴や魅力がなければ、受注できるはずもない。

かつてこの業界は伝統技術に裏打ちされた確固たる技術があり、家づくりとはこういうものだというしっかりとした足場があった。それに基づいて大工や左官職人など家づくりにかかわる職人は技術を磨き、まじめに仕事をこなしていけばそれなりにいい仕事はあった。
その様相が戦後ガラッと変わってしまった。
住宅の工業製品化が始まり、建材も手づくりではなく大量生産の世界になってしまった。
今でもなんだかんだと手を変え品を変え新製品がでている。
大工や左官を軸とした地元工務店もその渦に飲み込まれ、次第に伝統技術を失い、特徴のもてない存在に追いやられてきた。多くは大手の下請け的仕事や手間受け的職人にならざるを得なくなってしまった。
その結果、家づくりは住宅展示場に出展しているような大手や、営業センスの優れた経営者が率いる地元大手の工務店が主力となっている。
そうした状況の中で、本来の技術を引き継いでいる職人や心底いいい家づくりを願う地元工務店は隅に追いやられもんもんとしながらも打つ手もなく、下請けや手間仕事に甘んじてしまうしかない状況になっている。
もちろん、しっかりとがんばって自分の足で立っている地元工務店もたくさんある。
そうした工務店もややもすると、大手の真似、それは結果として既製品の寄せ集めて的家づくりになってしまっている所が多い。それでも何とか発展している所も少なからずあるが、よく見るとその成功の要素は経営者の「売るセンス」のよさにあるようだ。
売るためのアイデア、それに基づいた営業力、売ることに全力を掛けているのだろう、一見するととてもセンスがよくいい会社に見える。
とても素晴らしいことと思う。
その発展が長期に続いて欲しいと願うが、やがて大手に飲み込まれていくのだろうと危惧される一面もある。
営業センスが抜群の経営者が存在している間に、「寄せ集めて的家づくり」の技術から「本質的に一本筋の通った技術に裏打ちされて家づくり」に会社のあり方をスライドできるならば、一層人材も厚くなり、ぶれることのない家づくりの思想が評判となり定着し、地元に深く根付く工務店になりうる。
そんな代々続き発展していける地元工務店のあり方を模索している。同じような考え方をもつ工務店の方と話をしてみたい。楽しいでしょうね。