ごくごく個人的な見解なので、

あなたのお気に入りの作品がけなされてることもあるやもしれません、ご容赦くださいまし。


にほんブログ村 本ブログへ
2005-09-19 06:18:50

ながらく

テーマ:ブログ

お休みしてました。

プライベートなことで、ものすごくいろんなことがあって。

それこそ角田光代氏の言葉を借りていうならば、

人生ベストテンを塗り替えるような、

大変な出来事が続いてしまったのです。

大好きな読書も映画鑑賞も、

全くできないってくらい、心が弱ってました、それらの出来事のせいで。


で、ようやく、復活したので、

またぼちぼち再開してこうと思います。


とりあえず、

「富士山」田口ランディ

「あどけない殺人」リサ・ガードナー

あたりの感想を近々投稿する予定。

でもって今読んでるのは

翻訳モノの「カジノを罠にかけろ」とゆー作品。


図書館も延滞しまくっちゃって、

さすがに電話かかってきて

彼に「入院しちゃってるんですよ、本人」と言わせてしまった。

いや、もち彼に返却してきてもらったけども。

この場合、退院しました、すいませんでしたって言ったら、

また借りれるようになるんでしょーか?

図書カード作って、初めて借りた5冊をひと月も延滞してしまったよ。

いや、ほんと、すいませんでした>図書館の方々。

AD
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
2005-08-03 03:06:00

人生ベストテン 角田光代 ★☆

テーマ:読書

  

直木賞受賞第一作
13歳のあの夏から、私に会いにきたひとは?
どこにでもいる男たちと女たちの<出会い>が生みだす、ちいさなドラマ。おかしくいとしい6つの短篇。
「床下の日常」 水漏れ工事に向かったマンションで、陰気な人妻から食卓に誘われたぼくは
「観光旅行」 恋人と訣別するためイタリア旅行中の私は、観光地で母子喧嘩に巻き込まれ
「飛行機と水族館」 アテネ帰りの飛行機で隣り合った泣き女が、なぜかぼくの心にひっかかり
「テラスでお茶を」 男とのねじくれた関係を刷新すべく、中古マンション購入を決意した私だが
「人生ベストテン」 40歳の誕生日を目前に、恋すらしていない人生に愕然とした私は
「貸し出しデート」 夫以外の男を知らない主婦の私が、若い男を借り出してデートに挑むが

  

「人生ベストテン」というタイトルから、

勝手に、人生を振り返ってランク付けしながら書き連ねられている

長編だとばかり思い込んでいて面白そうと期待してたんだけど、

上記のような短編集でした。

さて、角田女史ですが、今まで読んだこと一度も無くって、

直木賞受賞の少し前くらいから、

やたら愛読雑誌のダヴィンチで取り上げられていたのは知ってたけど、

どうも読む気になれなかった作家のひとりでした。

が、受賞後。

本作「人生ベストテン」といい、「この本が世界に存在することに」といい、

やたら印象的なタイトルや興味深そうなテーマに、

私の中で気になる作家として急上昇したのでした。

そこへ来て、本作をたまたま図書館で見かけて、借りてみたのだけれど、

う~ん・・・

私自身短編が苦手というか、好きじゃないせいかもしれないけど、

はっきり言って面白くなかった。

出てくる主人公みんながみんな屈折&暗い。

山本文緒の小説に出てくる主人公の暗さから、純粋さを引いたような、

いいとこがひとつも見つけれなかった。残念。

このくらいのレベルなら江国・唯川・山本の御三家を読んでる方が、

安心できていいなぁと思ってみたり。

なんていうか文章に個性が足りないのよね。

軽いんだか、重いんだか、中途半端で、

結局何が書きたかったのか全くわかんない感じも好きになれず。

つくづく買わないでよかったと久々に思った本でした。

AD
いいね!した人  |  コメント(5)  |  リブログ(0)
2005-07-31 22:44:28

ささらさや 加納朋子 ★★☆

テーマ:読書

事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。

  

  

連作短編集ではあるが、ミステリとはちょっと違うような。

ミステリと期待して読むと肩透かしを食らうと思う。

どちらかというと、オカルトめいた感じも無くはないが、

基本的にはハートウォーミングな話なので、

暖かい話をさくっと読みたい時にはぴったりじゃないかと。

デミ・ムーアの出世作「ゴースト~ニューヨークの幻~」のような話で、

新しさはないけれど、

いらいらするくらい弱弱しい主人公の強くなっていく様や、

主人公を取り巻く個性的な人々がいい味出してる感じ。

ヤンママとサヤの友情は「下妻物語」の

ロリータちゃんとヤンキーちゃんを彷彿とさせるものもあるし、

おばあちゃんたちのキャラ設定もいい。

川上弘美の「センセイの鞄」のような、

淡々と流れるけれど暖かい話。

難点は、連作短編にしたこと。

そのまま長編にしてくれれば、先が気になって読み進めれるものを、

各章の終わり方が中途半端なせいで、

とまらないほどはまれなくって、

一編読んだだけで満足してしまう。

それと、主人公のキャラと、

心でどう思ってどう感じたかの説明が

噛みあってなくって、

サヤってこんなキャラだっけ?と

いちいち引いてしまうので、

ちょっと勿体無いかなぁと思った。

まぁそれでも、軽く読めるわりには、

ほろりと、くすりと、できる話なので、

通勤や、家事の合間なんかに息抜きとして読むにはいいかもしれない。

AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2005-07-25 07:29:21

幸福な食卓 瀬尾まいこ ★★☆

テーマ:ブログ

「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」  

とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説!

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。・・・父さんの衝撃的な一言で始まる本作品は、いま最注目の新鋭作家・瀬尾まいこ氏による4作目となる長編小説であるとともに、主人公・佐和子の中学~高校時代にかけての4編の連作による構成となっています。 佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄・直ちゃん)、そして佐和子のボーイフレンド、兄のガールフレンドを中心に、あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます。

  

吉川英治文学新人賞を満場一致で受賞した本作。

またも、帯につられて買ってしまった。


 

「ドラマ作りの名手によるパーフェクトな小説」(浅田次郎氏)

「一頁ごとに「或る重み」が伝わってきた。大変な才能である」(伊集院静氏)

「自分の子供に読ませたいと強く思った」(大沢在昌氏)

「物書きとしての勇気を感じさせる。すばらしい。」(高橋克彦氏)

「主人公の内面の変化に胸打たれる。泣きました。」(宮部みゆき氏)


 

こんなことが、帯に堂々と書かれていたら、

惹かれないわけがない。

・・・のだけど、最近この手の販売戦略多すぎて、ちょっと信頼度が薄れてる気がする。

とか言いつつも、買ってしまうのだけどね。

なんか選評委員の絶賛がつらつらと書かれているものほど、

肩透かしを食らうことが多いような気がする、

と、本書を読んでいて初めて気がついたし。


 

なぜなら、前半、はっきり言ってつまらなかったから。

丁寧だし、上手とも思う。

それに、兄や父や母やその他もろもろの登場人物たちのキャラが、

いそうでいなそうな暖かな感じがとてもいい。

なのに、なぜだろう?あまり面白いと思えなかった。

というか、面白い話ではないから、面白いと思えなくてもいいんだけど、

なんか冷めた目で眺めてしまって、

読書の楽しさを味わい始められるまでにえらく時間のかかる作品だった。

きっと、主人公の内面はうまく描かれているけれど、

主人公自身に共感しにくいというか、

いい意味でも悪い意味でも児童文学という感じのテーマだからダメだったのかなぁ?

でも、石田衣良の直木賞受賞作「4TEEN」の時はそんな違和感なかったしなぁ・・・。


  

確かに最後まで読んでみると、なるほどいい小説だな、とは思えた。

決して幸福なことばかり描かれているわけじゃなくて、

むしろ、家族それぞれの他人から見たらちっぽけに移りがちな

些細だけれど、本人にとっては大きな、深刻な、悩みや壁をシリアスに描かれているのだけれど、

それでもなぜだか、暖かくて、幸福という言葉がぴったりくる作品であった。

タイトルのつけ方は完璧としか言いようがないくらい。


 

ただ、なんていうか、全肯定できない何かもあるんだよな、確実に。

クライマックス以後の主人公の心情描写は実に巧みだし、

それだけで、作品への評価がぐんとアップしたのは確かだし、

こういうクライマックスじゃなければ、

普通の小説、どこにでもある小説だったかもしれない。

けど、このクライマックスはあざといと思います。

というかベタすぎます。

読んだ瞬間、サササーっと私の中で何かが引いていってしまいました。

これは私のピュアさが足りないから?

それとも、同じように感じた人っているのかなぁ?・・・すごく気になるかも。

せっかく新鮮な本を読んだ気がしてたのに、

このせいで、新鮮味がなくなってしまったというか。

 


まぁ、それは目をつぶったとしても、

その後の主人公の巧みな心情描写は、

10代後半や、20代前半の若手作家ならともかく、

30すぎの著者がここまで10代の心理を書き起こせるのは、

本当に凄いことだと思うのです。

それだけで、凄い作家だなぁと、ほんのちょっぴり思ったり、

中学の現役国語教師というプロフィールを見て、なるほどねと思ったり

と、そんな感じだったんだけど、

でもなぜか、どこか釈然としないものが残って、

読後感がいいはずの秀悦な作品なのに、

すごく微妙な読後感なのです、今現在。


 

なんでなのかな?

私はなんで釈然としないんだろう?


読み終わって、ネットゲームをしながら黙々と考えました。

結論。

著者はうますぎるからダメなんだ。

高校生の主人公の心情描写は、

上手に、きれいに描かれている、それがダメなんだと。

多分、きれいすぎて、心の奥底でどっか気持ち悪いような、

何かがつかえてるような、妙な感じがぐるぐるとしちゃってるんですね、私の中で。


 

もっと下手に書くことも出来たろうに、と思うから余計にそう感じるんだな、きっと。

非常に計算しつくされて書かれているだけに、

計算しすぎな感じが、最後になって全面に押し出されちゃったように、

そんな風に私自身は感じてしまうのでした。


  

でも、こういう風に思うのは、私が今の年齢だからであって、

もし中学生とか高校生くらいのときに読んでいたら、

泣いてたのかなとも思うし、うーん・・・・。


 

今自分が感じている気持ちを、自分のために書きとめておきたかったのだけれど、

上手く書くことができない。

だから、もし、本作を読んで、ものすごく感動したって人が読んだら、

気分を害されるかもしれないけれど、

いい作家だし、いい作品とは思ってますので誤解なきよう・・・。

ただ、どんな違和だったのか自己分析してみたかっただけなので。


でも確かに、大沢氏の言うように、中高生に読ませたい本ですね。

というより私の場合、中高生がこれを読んでどう感じるのか知りたいという感じ。


いいね!した人  |  コメント(8)  |  リブログ(0)
2005-07-24 15:49:20

嫌われ松子の一生 山田宗樹 ★★☆

テーマ:読書
     

30年前、松子24歳。教職を追われ、故郷から失踪した夏。その時から最期まで転落し続けた彼女が求めたものとは? 一人の女性の生涯を通して炙り出される愛と人生の光と影。



出た当時、ダヴィンチなどで大々的に宣伝していた本書。

タイトルからして、ネガティブなイメージなので読む気は全くなかったのだけど、

たまたまいろんな人の読書感想ブログを読んでたら、

面白そうだなーと思って購入してみた。

 


何を書いてもネタバレになってしまうので、

詳しいことは話せないけど、

2段詰めでぎっしりと、力を込めて書いた様子がありありと浮かぶわりには、

ありふれた転落だった。

確かに、壮絶な人生だし、同情の余地はある。

 

でも、いつの時代でもこういう不幸体質の女って絶対いるし、

そういう女性は、実は好き好んでダメ男に尽くしていたりもする。

愛してくれれば誰でもいい。

私を必要としてくれるのなら誰でもいい。

気持ちはわからないでもないが、誰でもいいって時点で、

人生捨ててるとしか思えない。

 

彼女は父の愛のトラウマから、

ただ誰かに依存したいだけなのだろう。

だからと言って、それまで一切の恋愛感情を持ってなかった相手に

「愛してる」と言われたからって、

信用するか?一緒に生きて行こうと思うか?

よくよく調べて書いてるし、人間模様もそれなりに巧みに描かれているけれども、

所詮、男の書いた不幸女だよな、と、

読了後一気に引いてしまった。

宮部みゆきや、桐野夏生の描く不幸女系話に

一見似ているが、

やはり女性心理は女性が描いてこそだろうと思う。



いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2005-07-22 01:36:53

銀行籠城 新堂冬樹 ★★★☆

テーマ:読書

男に命じられるまま、両手を頭上に高々と上げて背を向ける行員と客。
うだるような猛暑に襲われた7月15日午後3時、あさがお銀行中野支店で惨劇は起こった。
男は閉店のシャッターが半分下りたところで、行内に入り込み、脱出しようとしたサラリーマンを射殺。
さらに2階の行員を全員1分以内に1階に集合させるよう命令したが、トイレに入っていた行員が1秒だけ遅れたため、盾にしていた案内係を冷酷にも射殺した。
そして男女全員を全裸にさせ、人間の尊厳すら奪い、完全に奴隷化した。
男の名は五十嵐。
いったいなぜ五十嵐は銀行に篭城し、悪魔のような残虐な行為を繰り返すのか。

 

「カリスマ」で、その下品な描写は時に鼻につくが、

それでも肯定せざるを得ないほどの出来で、

未読の人には是非薦めたい一冊だと感嘆してから、

密かに新堂冬樹ファンになった私は、

ここのところの彼の出版ペースが嬉しいと思う一人だったりする。

が、ハードカバーは嵩張るし、

今まで「カリスマ」「鬼子」「炎と氷」を読んだが、

どれもこれも、読み出したら止まらないほど集中させてくれるという意味では

素晴らしい作品なのだけれど、

結局同じ展開なんだよな、と内心わかっているから、

ついつい文庫待ちしてしまって、

なかなか読めずにいたのだが、

先日、珍しく彼の著作をブックオフで見かけて思わず購入。

やっぱり、新堂冬樹作品は面白い。

最初は、彼の作品にしては珍しく、

武器や、警察内部などのいらん説明に字数を割いているのが、

ただでさえ、新堂ならではのボリュームがない作品なのに

どうなのよこれ?と思ったが、

最後まで読んでみると、そういうマイナス面を省いても、

やっぱりこの人の作品は凄いなぁとしか言いようがないのだから凄い。

なんていうか、

人間の憎悪とか、根底にある純粋な気持ちとか書かせたら、

ほんとにもう天下一品なんですよね、彼は。

しかも、凄いなって思うのが、

こんな薄っぺらい本にこれだけの内容というか、重みを

上手くまとめあげたこと。

展開とか、オチは、なんのこともない相変わらずな感じなんだけど、

それでも、映像を見ているかのようなスピーディーな展開と、

こんなにも残虐で、

実際にはありえなそうな冷徹な犯人とか設定とかだったりするのに、

リアルに浮かぶ、つまりどこかしら共感してしまうんですよね。

世の中には宮部みゆきの方が受け入られてるけど、

私は、醜いけれど人間の本質を描く新堂冬樹の方が、

断然好きだったりして、

こんなこと言ったら宮部ファンに怒られちゃいそうだけど、

どうして宮部女史より売れないんだろうと

常々不思議に思ったりもするというのが本音だったり。

と、ここまで誉めたけど、

もしこれにつられて新堂作品を読んでみようという人がいるとしたら、

「忘れ雪」などに代表される感動系は避けてくださいね。

いや、好きな人は好きなんだろうけど、評価別れてるし、

感動系と期待しても、結局のところ新堂ワールドになってしまうので、

私のように、その組み合わせに無理を感じちゃうと、

読むのさえイヤになっちゃうと思うので。

     

↑なんと言っても一押しは「カリスマ」。

某心理教の某尊師がなぜあそこまで崇められたか、

なぜ、そんなにも宗教にのめりこむ人々がいたのか、

そんな心理に納得し、

自分も気をつけなければなんて思える作品です。

次に読みたい新堂作品↑、読んだ人TBくださいな。

ところで、本作は「ポンツーン」という文芸誌に連載されてたものと

書いてあったけれど、売れてる雑誌?

しょっちゅう本屋行くのに見たこともないのはなぜ?

どんな表紙かWEBで探したけど見つからず。

どなたか画像載ってるURL知ってる人いませんか?

すげー気になる。


いいね!した人  |  コメント(7)  |  リブログ(0)
2005-07-19 14:25:45

人のセックスを笑うな 山崎ナオコーラ ★★

テーマ:読書

19歳のオレと39歳のユリ。歳の離れたふたりの危うい恋の行方は? 年上の女性との恋愛をまったく新しい文体で描いたせつなさ100%の恋愛小説。全選考委員がその才能を絶賛した第41回文藝賞受賞作!

 

「山崎ナオコーラ氏には、天賦の文才が宿る。思わず嫉妬したくなる程の才能。」(田中康夫氏)
「この作品について書くべきことはほとんどない。わたしは読んでいて、ひたすら楽しかった。」(高橋源一郎氏)

  

タイトルしかり、ペンネームしかり、

そして↑のような褒めたたえたものしかない選考委員の書評が、

帯にだだっと書いてあると、

私みたいな読書好きはイヤでも気になる。

でも、この厚みで1000円ってはずしたらと思ったらイヤだから、

さすがに新刊じゃ買えず、

先日ブックオフで見つけたので

「これも縁かな」と迷いながら購入。

  

なんのこともない恋愛模様が、大学生のオレの視点で淡々と描かれていて、

言葉の使い方とか、流れる雰囲気は江国香織のそれに少し似ている。

ただ、言葉の選び方なんだけど、

選びに選びました、という肩の力の入れようが、

すごく伝わってくるわりに、

肝心なとこで、投げてるのか、選び間違えてるのか、

話の流れの区切り毎のオチとして使う言葉が半端で、

読んでいるこっちは一定の流れでついていけない。

  

というか、最初から最後まで

ひどくグラグラと不安定な小説だなぁと思った。

  

どうしてユリにそこまで惹かれるのよ?とか

ユリの気持ちをもっと掘り下げないの?などというのは、

最初から捨ててる作品なので突っ込んでも仕方ないし、

捨ててるからこその受賞なのだともわかるのだけれど、

やっぱり私としてはせめてもう少しでも描いて欲しかった。

  

きれいな言葉を並べても、少しくらい感情移入できなければ

物語は尻すぼみで終わってしまうのに。

というか、物語にすらならないのに。

タイトルの印象が強いだけに、

言葉を重視して内容が薄っぺらになってしまっては、

がっかりさせられるのも仕方ない。

  

印象的なタイトルをつけれる人っていうのは

もうそれだけで才能があると思うのだけれど、

彼女の場合はどうなんだろう?

2作目、3作目次第で、

本物だったのか、そうじゃなかったのかはっきりしそう。

  

つまり、才能があって適当に勉強してもいつも上位にいられる人と、

努力という才能だけで、なんとか100点を取れる人の違い。

私はうすうすだが、彼女は後者ではないかという気がする。

  

やっぱり小説というのは、

ひとつの要素だけでなく、

なるべく全ての要素で読者を唸らせてこそなんじゃないかなぁ。

  

まぁ、これぞ純文学の王道と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど。

最近、王道的純文学を書いて受賞した人ってあまりいない気がするから、

選評委員たちに絶賛されたのはそのせいかもしれないね。

  

だからビバ純文学な人にとっては、

「凄い新人が出たぞ」と興奮する内容なのかも。

  

興味ある人は著者山崎ナオコーラ本人作成のHP を見てみよう。



いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)
2005-07-19 02:49:57

イン・ザ・プール 奥田 英朗 ★★★

テーマ:読書
    

どっちが患者なのか? トンデモ精神科医伊良部の元を訪れた悩める者たちはその稚気に驚き、呆れ…。水泳中毒、ケータイ中毒、ヘンなビョーキの人々を描いた連作短篇集。



直木賞を授賞した「空中ブランコ」の原点にあたる「イン・ザ・プール」。

奥田氏はかつて、「最悪」を読んだきり、

「また読みたい」と思う作家ではなかったので、

その後、縁がなかったのだが、

彼が「面白そうだよ?」と買ってくれたので読んでみた。


なるほど、映画化も納得できるわね、といった内容で、

読んでいるそばから、映像がありありと浮かんでくる作品。

もう公開は終わってると思うので、

DVD化されたら是非見てみようと思った。

・・・本当は映画よりも連ドラとして映像化してくれた方が

おもしろそうにも感じるのだが。


この手の連作短編は、主人公が読者に受け入られるか否かで、勝敗が決まると思う。

系統としては、石田衣良の出世作「池袋ウエストゲートパーク」シリーズに

近い感じで、少し前に読んだ「最後の願い」にも似ている感じ。

そんなわけで、これらの作品が好きな人であれば、

間違いなく気に入るであろう一作だ。

しかも、本作の主人公は神経科の医者なので、

神経科に集まる人々の壊れ具合はとても面白く、

なおかつ、自分は健康なのだなと再認識できる作品でもある。


現代のハイテク化社会が無かったら、

こういう作品は生まれることはなかったのだろうな、と思うと、

なかなか考えさせられるものがある。


例えば、火を消したかどうか外出してから心配になったり、

携帯のメールの返信が無くて少し寂しく感じたり、

クリスマスのような世界的イベントの日にスケジュールが埋まらないのがイヤで、

でも埋まらなかった時、

あいつはこんな日に一人だと思われるのがイヤで、

マックや牛丼屋に入れなかったり、

・・・そんな誰もが、経験したことのある気持ちを、

こんな時代だからこそ、な病を

本作は実に実に巧みに描いている。


歌詞の良い歌に多くの人が共感して売れるように、

この本も、ほんの少しのきっかけで、

ちょっとクレイジーから、おもいっきりクレイジーな人になってしまう予備軍の人々に

多くの共感を得たのだな、と、なるほど売れたわけが納得できるのだ。


「明日は大事な予定があるから、今日こそ早く寝るぞ」

そう思っても、なかなかパソコンの前から離れられないそんな人には

打ってつけの一冊かもしれない。


ただ、主人公の医者のキャラは面白いし、

毎度出てくる病んだ登場人物も面白いんだけど、

毎回説明じみてるのがくどい気がするし、

いつのまにか解決してた的なオチが少し弱い気がする。


それに後半の患者は若者もいたので共感しやすかったが、

オヤジの病というのは20代女子の私にはちょっと共感しにくくて、

なおかつ、一話一話のオチが弱いもんだから、

前半は、正直言うと読んでちょっと退屈でした。

せっかくテーマがいいんだから、

もうひとつ、キラリと光るもの、というか、パンチが欲しかったなぁ。


どちらかというと、男の人、

それも中年以降の人ほど読んだら面白いと感じるような気がします。


     
いいね!した人  |  コメント(14)  |  リブログ(0)
2005-07-18 01:42:24

ビネツ 永井するみ ★★☆

テーマ:読書

青山の高級エステサロン『ヴィーナスの手』。サロンオーナーの安芸津京子にヘッドハントされた麻美は、その手の特性から"神の手"の再来ともてはやされる。このサロンにはかつてサリという神の手を持つエステティシャンがいたが、六年前に何者かに殺害されていた。京子と夫の健康食品会社社長・弘庸、様々な思惑でサロンに通う客たち、弘庸と前妻の息子・柊也などの愛憎が複雑に絡み合いながら物語は展開するが―。




かつてエステで働いていたことがあるので、

この本の存在を知り、欲しくて欲しくてたまらなくなり、

珍しく文庫待ちせずに購入。

さっき、ようやく読了。

一言で言うと随分淡々とした作品だった。

ミステリというよりは、山本文緒とか、唯川恵あたりの作品に近い感じ。

といっても、ちょっとパンチに欠けるが。

麻美のキャラが前半と後半で違いすぎてちょっと違和感。

散々、かつてのカリスマ「サリ」の伏線を貼っておいて、

オチがちょっと弱いかなぁ。

ミステリと思わずに読めば問題ないかもしれんけど。

でも、このオチならば、もっと犯人の心情描写を掘り下げて描いて欲しかったな。

せっかくわりと分厚めの長編なのだから。

本作には、沢山の女たちが出てくる。

しかも、どこにでもいそうな女たち。

そういう意味では連ドラにでもしたら面白そうというか、

非常に連ドラ的な作品ではあるけれど、

多くの登場人物を使ったわりには、うまく使いきれてない感も拭えない・・・。

ネタばれになるので詳しく書けないけど、

麻美を陥れた人たちじゃなくて、

その原因になった人たちだって、

悪い部分あるだろうに、ハッピーエンドなのが、

読了後のもやもやの一番の原因かもしれない。

まぁ、どの女もみんな幸せになりたいだけなんだけどねー。

(ここらへんは、同性ゆえに共感できる部分かもしれない)

本作を読んで面白いと思うか、つまらないと思うかは人それぞれだけれど、

どちらにしても、「ちょっと贅沢してアロママッサージでも受けにいこうか」と

女ならば誰しもが思うんじゃなかろうか。

それでもって、日々の忙しさに忘れがち、怠りがちな、

スキンケアやボディケアを「もっとやらねばなぁ」というきっかけ作りにはなる一冊。

この本を読まなかったら、メイクも落とさずに寝ちゃうほど疲れていても、

しっかりきっちり洗顔&スキンケアして眠りにつこうと改めるので、

不精・・・もとい、忙しい女性には自分を見つめなおすきっかけとして

おすすめできるかもしれません。


いいね!した人  |  コメント(5)  |  リブログ(0)
2005-07-16 03:05:36

グレイヴディッガー 高野和明 ★★☆

テーマ:読書

乱歩賞授賞&映画化の「13階段」が、とてもとても面白く、

かつ、よく出来ていたので、

文庫化として書店に並べられてるのを見て、

何の躊躇もなく買った。


「13階段」があんなにも絶賛され、話題になったというのに、

その後の著作が話題にならないのは何故だろうと不思議だった。


私自身も、「13階段」で「間違いのない作家」と認めたはずなのに、

なぜか、買う気になれなかった。


それは多分、キャッチャーではないタイトルの付け方と、

凡庸なペンネームにあるのだろうと思っていた。


乱歩賞作家、13階段の人ってわかってはいても、

どうも「高野和明」という名前は、

本屋だと目立たないような気がするのは私だけだろうか?


そんなわけで、彼の2作目を読むのは文庫化を待ってからになったのだが、

本書を数ページめくって、「本当にこれが13階段の人?」と疑問がもたげた。

最後まで読んでみると、確かに「13階段の人」だと納得できるくらい、

スリリングな展開の描写や、オチまでの巧みな持って行き方は悪くないんだけど、

主人公八神の動機や行動に無理がありすぎて、

読むほどに引いてしまうのだ。

グレイヴディッカーだって、武器の持ち歩きに無理があるように思うし・・・。


最後まで読んで思ったのは「13階段」はまぐれだったんだなってこと。

というか、高野氏の場合、

想像力とか、組み立て力とかはちゃんとあるとは思うんだけど、

テーマや動機や主人公がはまったらいい作品を生めるけど、

それらの題材を誤ったら不出来な作品になってしまうんだなと。


それでも解説者の西上心太さんはベタボメしてるので、

本作を「素晴らしい作品」と思う人もいるのだろうけど、

私はダメだした。


五十嵐晴久のRIKAとか、

映画化で話題のハサミ男を彷彿とさせるけど、

2番煎じ止まりなので、

読むならこれらを読んだ方がいいかなと思う。


背表紙の後ろのあらすじ見て

「面白そう!」と思わない限りは、

「13階段」のような面白さを期待して読んだら、がっかりすると思います。

100円200円の中古本なら「良かった」と思えるかもしれませんが。


ハードカバーのときに、買わなかったのは

直感でピンとこなかったわけで、それは正解だったってちょっと実感してみたり。


*読みどころ*

・主人公のありえない逃走。

・グレイヴディッカーの行動。


いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。