玄関・居間が吹き抜けになっている、カッコイイですよね。
2階から陽が入ったり、上下階でコミュニケーションできます。
天井が無いと開放的で気持ちがいいです。でも・・・
でもちょっと注意しないといけない点があります。
①まず構造です。
2階床面、小屋面は平面剛性が求められています。
耐力壁量の計算は床の平面剛性が前提になっています。
しかし、吹き抜けを造ると、重要な2階床面の剛性が損なわれます。
結局、耐震性を弱めてしまうのです。
吹き抜けを造るときは、通常より相当に多くの火打梁を入れて
平面を堅める必要があります。
総合的に判断して、耐力壁を多くし、
バランスよく配置することです。
②それから温熱環境についてですが、
冬場の暖房は、2階へ逃げてしまいます。
1階の足元が寒くなります。
対処としては、1階に床暖房を入れてください。
エアコンやストーブのように空気を暖めるやり方では、
暖かい空気は冷たい空気より軽いので
1階が暖かくならないのです。
③そしてコストです。
私たちはよく坪単価という概念で価格を考えます。
吹き抜けは2階に床が無い。
工事価格を 坪数×坪単価 で考えると
2階の坪数が少ないのですが、
この考え方では大きな誤算です。
2階の吹き抜けのところにも床があると考えて、
吹き抜けの坪数を加算して計算する必要があります。
つまり吹き抜けでも、床があっても、
金額はそれほど変わらないということです。
それから、吹き抜けの効能と言っていいかと思いますが、
建ぺい率と容積率の関係で、
容積率が厳しい時、
例えば、建ぺい率40%、容積率60%角地では良く起こることです。
この時に建ぺい率をいっぱいに使って2階には吹き抜けを造って
容積率いっぱいに建てるとします。
土地が100㎡だとすると、
1階は40㎡、2階は20㎡で60㎡になりますが、
2階に吹き抜けを20㎡造ることができます。
外見は総2階、延80㎡に家に見えるわけです。
ここだけの話ですけど、
後日2階の吹き抜けが無くなってることがあるらしいですね。
吹き抜けは安易に造らない。
費用対効果を考えて決断しましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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ちょっと違った記事が読めますよ。
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