桜花と風の追憶 ~裏話~

テーマ:
CR岡本物語です。
皆様、ご来場いただきましてありがとうございました。
 
作品についていろいろ質問が沢山届きました。
折角ですので、ここで裏話も含めて、掲載させて頂きたいと思います。
細かいことや、岡本の脚本演出の持論なども書いております。
別の考えやアイデアを否定するものではありませんのでご了承ください。
より、桜花……を深く知りたい、という方のみご覧ください。
 
「桜花と風の追憶」裏話 ~作品のファンになって頂いた方へ
当作品はかなり伏線が多い作品となりました。
開始の一言目からいきなり
「ちょっと孫娘が遊びに来るのでな、姿を隠しておいてくれんか?」
と、袖の誰かに向かって話すところから伏線が始まります。
話しかけている相手は当然ウォシュレットの神「マドンナ」。この伏線が回収されるのは、2時間後のラスト。
なんの呼び込みもなくマドンナが現れ会話が続く中で、会話の内容よりも「あれから60年以上も一緒にいた……」という状況がお客様の心に響けばいいなと思いこういう形にしました。
そして、導入の「老人と孫娘の灯里(あかり)」で重要なキーワード「キリストに会うための3つの条件」という伏線が大きく張られます。こちらも回収はラスト。答え合わせはせず、二つ目の条件をしくじったエドワードがキリストに会えた直後の死。「人間が金や地位、名声などの欲望を求めなくなる瞬間」というキーワードと共に、終焉の2分前に回収するという効果でした。
更に、メインストーリーとは関係ないですが「灯里が妹と喧嘩している」という情報を出し、ラストシーンでエドワードが「これでケーキを買って帰りなさい。但し二人分な。お前の好きなチョコレートケーキを選ぶんじゃないぞ」という言葉で、「話を聞いた後、妹と仲直りする気持ちになった孫娘」というキャラクターの必然性を含んでおります。
 開始の3分のシーンですでに伏線は3つ。こうして改めて見るとなかなかのペースですね(笑)
続く人柱のシーンですが、これは、徐々にずれていた真実がはまっていくため、1200年前のシーンは全て一つの大きな伏線とミスリードとなっております。桜花が死に、神となったという情報提示が一つのキーワードですね。
茜と千尋の会話でもいろいろ張られております。
「この村は滅んじゃったんだけどね」という一連のセリフ。ここのみが、「後の宗助(宗助のその後)」の唯一のヒントとなっています。
「どっちかと言ったら私がおねえちゃんを守らなきゃいけない方じゃない?」
「ぜってー守れよ死んでも守れよ誓えよ」
「はいはい。小学生かよ。消すよ」
この会話が、水上姉妹のラストシーンの「約束」となっております。
そして、物議を醸しだした飛行場シーンですが、いわゆる「コント」っぽいシーンですね。僕は、ストーリー上必然性の無いキャラクターや回収の無いネタっぽいシーンは「コント」と分類しています。必然性という意味では、外国人観光客が普通に日本語を話し「勉強したんです」というご都合台詞だけで片付けるのが嫌だったので、こういうコントを交えて、「少し引きずる一ネタ」という設定の昇華と、「笑ってもいい作品ですよ」という提示のつもりでした。
神社に入ると、世界観とキャラクターの説明をしつつ、必要性のある台詞で、少しずつ伏線を張っております。
懸衣翁の「恨みをこの世で晴らしても、恨んだまま死んでも良いことは無いぞ」という台詞は、真相を知らなくて流しても問題ないですが、2回目以降はとても重い台詞となって刺さるはずでした。その後の三途の川の貸しボート半額チケット。最後の回収になる伏線となります。コントっぽいシーンこそ伏線を張りやすい(印象に残るくせに、忘れやすい)というのが僕の手法のようです。
役人の登場からようやく話が展開し始めます。鬼よりも大変な者が来た=役人、という構図が個人的には気に入ってます。「結局強いのは人間(茜)」「いつの世も人間が一番恐ろしいよね(道真)」「怖いね、人間は(ゼウス)」というセリフとこのシーンの構造がリンクしたらいいな、と思っての配置です。
この後のコードネームの話、ターミネーターの話はまさに上述した「コントになりやすい」ネタです。「こんな名前なら面白いでしょ?」「巫女衣装の神様がこんな台詞喋ったら面白いでしょ?」というのは作品に必要性のない危険なシーンになりがちなので、その後の牧師の「なんでそんなこと知ってんの?」の世界観の説明からのその後の「アイルビーバック」で回収するという伏線にしました。コードネームは二人の深層でのつながり、それをエドワードの「昔あったこと、それこそ性格を変えてしまうほどの出来事、それに共感することほど強いことはありません」というセリフで、ぐっとセンターに食い込んでいくエピソードにしたいという思いがありました。
演出上、1200年前のシーンを描くのはとても難しかったです。モノローグ的なものや回想シーンは、よほどの必然性がないと、お客様への単なる説明になってしまう。「茜の説明」「ゼウスの映像(見る人は3神)」「ゼウスの映像(見る人は2鬼)」「ミコトの覚醒の頭の中」「ゼウスの映像(見る人はゼウス)」という差異化し違和感のない表現にしようと頑張りました。
道真、ゼウス、の二人は、最もコントになりがちなキャラクターですが、ご存知の通り、「宴会芸のような力」で笑いを起こして、最後に最も衝撃的なシーンで生きてくる「技」となりました。最も重要な伏線の一つです。
道真に「桜花……」の歌を詠ませるためには、途中で歌を詠む前振りが必要でした。結果、ギャグとしてのナンセンスなネタで使いました。
個人的には「こちらこそが言えない姉、ってタイトルで直木賞とったろか」という千尋のセリフはお気に入りなのですが、ここの一連が、最後の「こちらこそ、ごめんね」で回収されます。
もっと印象的にするべきだったかな、とも思いつつ、バランスの難しい伏線でした。
その他書ききれないことばかりですが、もしも、まだ質問がございましたら、個人的に受け付けますので、どうぞどこでもご連絡くださいませ。
では、下の質問に答えて、終わりにしたいと思います。
 
良く頂いた質問①「花びらはなんで2回降らせたのか?」
れっきとした理由があります。
「わらわはこの花は……嫌いじゃ」というセリフがとても印象的なところで現れます。
ミコトが「ふうが姉殺しの悪霊」へと変わるシーン「ニクイニクイニクイニクイ」としゃべるところで桜が降ることで「桜を憎む瞬間」を作りたかったからですね。
ラストシーンの桜が美しすぎて、一回でいいんじゃないか? という質問でした。
ありがとうございました。
質問②「ミコトがエドワードを呼んだとき、なぜ銃を受け取っているのを知っていたのか?」
僕の設定では、ミコトは道真に「自分を殺す手伝い」をお願いしていました。そして、モルダー、エド、牧師の三人の会話を道真が立ち聞きしています。「銃を誰かに渡すこと、渡されるのは恐らくエド」というところから「渡された人間を連れてきてほしい」と頼んだという設定です。
質問③「宗助が狂うシーン2回で、宗助の行動とふうのセリフが1回目と違うのはなぜ?」
一回目はミコトの思い出している世界。2回目はゼウスの映し出す真実。という違いがあります。ですので、一回目は、ふう=ミコトである、というところ以外は蛇足なので、切り取った感じに描いております。
質問④「ミコトはなんで『脱衣婆=桜花』だと解った瞬間に抱きしめあったのか。恨んでたのに」
ミコトが事実、命がけで2鬼に守られるというシーンを描いたのはそのためですね。それを踏まえて、理屈ではない恨みと、願いと、許しの感情をごちゃまぜにしたら、おそらくミコトのあの反応になるような気がします。
 
これでも、細かい伏線は半分くらいですが、少しでも作品の事を知りたいお客様の参考になって頂ければ幸いです。
130分という時間は自分的にももう少し切りたいところでありましたが、18人全員に脚光を浴びるように描くこととの葛藤でした。少しでもご理解いただければ幸いです。
 
多くのお客様がこの作品について、それぞれの見解を書いてくださっている事に本当に感謝です。僕の人生の一部となった大好きな作品ですので、最後にここで僕の一つのけじめというか次に向かうきっかけとして、記載させて頂きました。
 
御来場本当にありがとうございました。
そして、心からこの作品を愛してくださいました皆様
心から自分の役を愛してくれたキャストの皆
本当にありがとうございました。
 
空想嬉劇団イナヅマコネコ 代表
CR岡本物語
 
AD

演劇人としての幸せとは

テーマ:
常に思っていた。

演劇が好きで、俳優をやっている事が好きである、、、はすだ。

と。

いつのまにか、それにすがらないと生きていけないような歳になっていることに気づく。

会社に勤めること。
資格を取ってそれをいかすこと。
結婚して家庭を持つこと。

そういう幸せもあったのではないか。

しかし、今は好きなことをやっている、、、はすだ。

全力でやっているはずなのに、
なぜこんなにも下を向いて歩いているのだろう。
なぜこんなにも誰かに感謝出来ないのだろう。
なぜこんなにも貧乏なのだろう。
なぜこんなにも認めてもらえないのだろう。

ひとつの壁に当たったとき、
自分自身が形取れなくなっている。

何がいけなかったのか、
どこがいけなかったのか、

人間は反省することしか出来ない。
そして、反省とは、自分自身しか出来ない事だ。

そして、次は

手の届く理想を掲げ、
絶対にそれに背かないこと。

それは
「売れること」よりも
「動員を増やすこと」よりも
「お金を稼ぐこと」よりも
大切なもの。

そうして自分自身で、
誰にも頼らずに、
誰のせいにもせずに、
自分自身で一歩を踏み出す。

自分の作った轍に、ついてきてくれる人がいる。

気がつけば、上を向いて歩いている。

嬉しい。

叫びたくなるほどに。
涙が出るほどに。

皆が言う。
言ってくれる。
「出会えて良かった」
「参加できて良かった」

同じ気持ちを抱いていて、
何かに絶望してきた事もあったと思う。

だからこそ言いたい。

「こちらこそ。」と。

「こちらこそ」

桜花と風の追憶
のひとつの小さいテーマでもある。

まずはこの岡本の
全てを注いだこの作品を、
是非、一人の男の分身とも言えるこの劇作を
興味本意でいいから。
覗きに来てほしい。




https://ticket.corich.jp/apply/79386/004/

最高の17人と共に。
最高のスタッフ陣と共に。
ただただ、幸せな時間を生きる。
なんて幸せなのだろう。

明後日からの一週間。

上を向いて歩きすぎて、
転ばないように気を付けよう。
AD

ブログをご覧の皆様へ大切なお知らせ

テーマ:
ブログをご覧の皆様へ大切なお知らせ

CR岡本物語です。
まずは、ツイッター等から、このお知らせをご覧いただきましてありがとうございます。

私CR岡本物語は、所属団体「ポップンマッシュルームチキン野郎」を退団させて頂くことになりました。

10年近くも関わってきた団体を、そして最高の鬼才の元を離れることは不安でございますが、徐々に年齢を重ねるにつれ、自分のやりたいこと、描きたいことに身を投じ、自分の作品を書きたいと思い、また年齢的にも人生最後のチャレンジをしたいと思ったことが主な要因になります。

一人一人の劇団員と話をし、このような僕のわがままに対し、皆、優しく「岡本さんの人生だから」「別々でも頑張りましょう!」と言ってくれ、本当に感謝に耐えません。

今後とも、更に上を、更に面白い作品を目指し突き進んでいく、ポップンマッシュルームチキン野郎共々、応援を宜しくお願い致します。

CR岡本物語
AD