WHOの発表では、74カ国2万8,774人の感染者と144人の死者が発表されている新型インフルエンザですが、「フェーズ6」への引き上げが発表されました。
(画像のクリックで拡大します:フェーズ5-6はパンデミック)
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/phase/en/index.html
オーストラリアでの感染1,307人やチリの1,694人(2人死亡)など、複数の地域で急増していることが大きな要因となりました。
アメリカの感染者は1万3,217人(27人死亡)、メキシコは5,717人(108人死亡)ですが、前日からの増加はそれほどでもありません。しかし、オーストラリアでは173人、チリは1283人の感染者数の増加が確認されています。
ちなみにイギリスの今日発表された感染者数は、昨日の666人から156人増加し822人。日本は、前日から33人増加で518人(報道548人)と発表されています。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「フェーズ6」への引き上げを発表しました。「フェーズ6」の判断基準自体に疑問の声があり、各国から見直しの話が出ていましたが、世界の状況をWHOが危機と判断し引き上げが行われるようです。
しかし、危機と言っても「地域的な拡大」のみに対する危機との認識をWHOは持っており、新型インフルエンザの人体に与える重症度を考えての引き上げではないようです。
「フェーズ6」引き上げの決め手となったのは、南半球(チリ・オーストラリアなど)での感染者数の拡大と述べています。チャン事務局長は、「フェーズ6」の発動に際し、インフルエンザの専門家やウイルス学者、有名な防疫官などに相談をしたと伝えています。
会見の中で、痛ましい死ではあるが死亡例は少ないと話し、急激にその数が伸びるとは見ていないとのことでした。
重い症例は、呼吸器疾患、喘息、循環器系疾患、糖尿病、自己免疫障害、肥満(respiratory diseases, asthma, cardiovascular disease, diabetes, autoimmune disorders, obesity)などの、慢性の症状を持っている方に起こっていると伝えています。
15歳前後の若年層や妊婦は注意が必要とのことです。慢性疾患の85%は低中所得者とのことですので、裕福な国では穏やかに見える症状が、違う国では厳しい形へと変化する可能性も高いようです。
発生のピークを過ぎた国は、第2波に備える必要があります。
"WHO continues to recommend no restrictions on travel and no border closures."
渡航制限や企業活動の自粛などは、勧告されておらず、WHOのマーガレット・チャン事務局長は冷静な対応を求めています。
日本の河村建夫官房長官は、「世界規模で感染が拡大している状況を踏まえつつも、引き続き現在の基本的対処方針等に基づき、弾力的な対策を講じていく」と伝えています。
日本は現状の対策をベースに、「フェーズ6」への対応を行うようです。私たちは、現状通り冷静な行動を心がける一方で、これらの話にあるように警戒をし、今後の第2波に備えておく必要があります。
「フェーズ6」の言葉は重いですが、WHOの発表した内容を見ると、重大発表というわけでもなく、拡大を懸念した結果の会見と私には思えました。さて、「フェーズ6」の後はどうなるのでしょうね?7はないので…
新型インフルエンザのワクチンは約2週間で出来るとのこと
■WHO Influenza A(H1N1) - update 47
http://www.who.int/csr/don/2009_06_11/en/index.html
http://www.cdc.gov/h1n1flu/update.htm
■swine flu propagation animation
■プー坊のてあらいムービー
↓関連映像
新型インフルエンザ 警戒レベル「フェーズ6」に 06/12-01:34
World Health Organization declares H1N1 as Pande