北朝鮮 ミサイルを発射台へ | RE:SUKI

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考えましょう

4月4日から8日にかけて発射されると見られている、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ用ミサイル「テポドン2号」(北朝鮮発表=「銀河2号」に通信衛星「光明星2号」搭載)について、新たな動きが続いています。


新華社通信によると北朝鮮は、日米が人工衛星装備ロケットの迎撃を行った場合、核兵器計画を終わらせるための6カ国協議を脱退すると、警告しています。


The Democratic People's Republic of Korea warned Tuesday that it would leave the six-party talks aimed at ending its nuclear weapons program if the United States and Japan intercept its satellite-equipped rocket.


北朝鮮のスポークスマンは、 「全ての国が平和な宇宙計画を開発することは合法的な権利である」と平和な宇宙計画の1つであると主張しています。また別の報道によると、北朝鮮外務省は、日米を指し、「泥棒が泥棒を捕まえろと叫んでいる」とも伝えています。


同様の内容を中国政府関係者も伝えていましたので、新華社の報道という点を考慮すると、中国政府の政治的な意図が含まれている可能性もありますが、これが北朝鮮の見解です。

DPRK warns it may leave six-party talks(新華社通信)


その様な中、日本政府は、日本の国土内にミサイルが落下をすることを想定し、自衛隊法82条2の第3項に基づく破壊措置命令を、明日3月27日に発令する予定です。


自衛隊法82条2の第3項は、弾道ミサイルによる日本への攻撃が行われた際など、緊急時に対応する為の法です。これは、平成19年3月23日に閣議決定されたものですが、「今後、その能力の向上等により、必要に応じ変更するものとする」とされており、状況に応じてミサイルへの対応方法は変化していくものと考えられています。


防衛大臣(現在は浜田靖一防衛相)の指示により、破壊措置命令が発令されますが、3月27日に麻生首相より指示があれば、浜田防衛相が発令するという流れになります。


様々な条件があるのですが、対象としては、(ア)弾道ミサイル、(イ)人工衛星打上げ用ロケット、(ウ)人工衛星、(エ)その他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であって、航空機以外のもの、の4つと定められています。(参考:防衛省 わが国の防衛のための諸施策より


日本政府は、ミサイル防衛網~MDシステムの運用を行いますが、海上自衛隊はSM3(海上配備型迎撃ミサイル)、そして陸上自衛隊はPAC3(地上配備型迎撃ミサイル・半径約20キロを迎撃)の配備をしています。すでに、海上自衛隊のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」の2隻は、佐世保基地に停泊しています。


テポドン2クラスである場合、ミサイルの高度が1000kmになることもあり、MDシステムで本当に迎撃出来るのか、不安があることも事実です。しかし、日本国土にミサイルなどが落下し、被害が及ぶことを黙って見ているわけにもいかず、「破壊措置命令」が発令されます。


当然ですが、テポドン2の射程内にあるアメリカも、北朝鮮の動きには敏感に反応し、青森県近海では、米海軍の駆逐艦が警戒に当たっています。そして、アメリカのクリントン国務長官は、メキシコで、北朝鮮のミサイルの発射について話をしました。


「この道を追求すれば、6カ国協議に悪影響を及ぼし、犠牲を払うことになる」⇒「この安保理決議違反を国連で取り上げる」


北朝鮮スポークスマンは、発射を妨害すると、6カ国協議を脱退と伝えていますが、同じくアメリカも発射を行った場合、悪影響を及ぼすと伝えているのです。双方に6カ国協議を盾にし意見を述べていますが、反対の方向を向いています。


日本政府の動き、そしてアメリカ政府の動きが活発化してきた様に見えますが、これには理由があります。


北朝鮮の咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクドファデグンムスダンリ)のミサイル発射場に、テポドン2を3段式に改良したタイプのミサイルが設置されたようです。3段式ですので、8000kmを超える距離が範囲となります。(テポドンの距離について)


RE:SUKI-北朝鮮咸鏡北道花台郡舞水端里

設置されたということは、発射される日も近いということでしょう。

この様な中、迎撃が検討されているわけです。


平和的宇宙開発と話す北朝鮮、中立の名の下で傍観する中国。

核搭載可能ミサイルの発射実験と疑う日本、そしてアメリカ。


2つの道のどちらかを選ばなければいけないわけですが、どちらの答えが正しいと思われますか?


①何もしない

ミサイル発射⇒着弾⇒死者や被害⇒北朝鮮を非難⇒制裁


②撃墜する

ミサイル発射⇒迎撃⇒日本助かる⇒日米への国際的非難

※北朝鮮により報復攻撃の可能性


(例外)⇒届かない&通り過ぎる


着弾の場合は、日本の国民への危害や損害がない場合もあります。迎撃の場合は、失敗の可能性もありますが、失敗しても北朝鮮は宣戦布告と見なすかもしれません。日本への攻撃に出る可能性や、「平和的宇宙計画」の建前があるので、中国やイランも日米を非難するかもしれません。また、何も起こらない場合でも、新しい防衛システムをアメリカから買わされる可能性も。


日本にとっては良いことがないミサイルです。


自衛隊法82条2の第3項には、「(イ)人工衛星打上げ用ロケット」とありますので、落下するロケットも対象となります。都心にでも落ちたら、被害があることは確実です。


果たして、射程が20kmとも言われるPAC3で撃墜出来るのでしょうか?過去に高度160kmでの撃墜実験に成功(こんごうでの実験)したとされるSM3は、今回も成功するのでしょうか?クエスチョンだらけになってきました。


今の私の心境は、一応は「平和的宇宙開発」と言ってるのですから、様子を見るのもありかな、という感じです。問題が起こる可能性もありますが、相手が問題を起こすと言っていないのも事実。アメリカのイラク攻撃の二の舞になるのは、お断りですから。


日本に被害があってからでは遅い、という考えも理解出来るのですが、非常に難しい局面に立たされている気がしています。日本国民の命が失われることがあるなら、許されることではありません。


北朝鮮というインチキ国家が近くにあるので、本当に迷惑です。拉致被害者をすぐに返してくれるなら、永遠に無視したいというのが本音です。


北朝鮮は国際連合安全保障理事会決議第1718号 に反してます



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