「前例がない、だからやる」。
約20年前、アサヒビールの再建へ、
当時の社長・樋口廣太郎氏が掲げた
モットーである(『人材論』)
業界でのシェアは1ケタ台。
経営状態は、どん底。
そうしたなか、若手技術者が
「辛口ビール」の商品企画を提案した。
従来、ワインや日本酒にしかなかった
「辛口」の概念。幹部からは
「世界にも前例がない」と、
反対意見が相次いだ
若い彼らは引き下がらなかった。
「前例がないからこそやらせてほしい」。
その後も意欲的に研究を重ね、
ついに新商品が完成。
業界トップの販売の原動力となった
技術者たちの熱意、執念が
「前例がない」道を切り開いたと言えよう。
“誰もやったことがないなら、
自分がその最初の一人となろう!”。
その燃ゆるがごとき心意気が、
惰性や限界の壁を破る