青森で肥満児なぜ多い? 雪国で運動不足 塩分多い食生活
河北新報より http://www.kahoku.co.jp/news/2010/10/20101025t21014.htm

 青森県の不名誉な全国1位の一つが、肥満気味の子どもが多いことだ。専門家は「雪が多くて運動不足」「塩分の多い偏った食生活」などを原因に挙げる。子どもの肥満は平均寿命が全国ワーストの「短命県」に甘んじていることと原因が共通しているとも考えられる。県教委は本年度、大学や医療機関で「子ども健康生活推進協議会」を組織し、実態把握に乗り出している。(青森総局・佐藤理史)

<活動量計を着用>
 四方をリンゴ畑に囲まれた鶴田町の梅沢小。全校児童73人の学校で20日、県教委の委託を受けた県立保健大(青森市)の調査が始まった。
 「青森県はちょっとだけ太り気味の子が多いので、皆さんが日ごろ、どのぐらい運動しているのか教えてください」。中村由美子教授(55)は、5年生の男女19人にこう切り出した。
 調査では、児童は土日を含む4日間、時間帯ごとの運動強度を自動的に記録する「活動量計」を腰に着ける。雪がある時期とない時期で運動量に変化が見られるかどうかを調べるため、来年1~2月に2度目の調査を行う予定。同町をはじめ、むつ市、横浜町の小中高計16校の児童生徒約500人が対象になる。
 運動不足のほかに、肥満になる原因とみられるのが食生活。中村教授は2009年、県内でも肥満傾向の子どもの割合が高いむつ市で、小学5年生61人を対象に食事調査を実施した。その結果、平均で野菜の消費量は必要量の約半分、塩分は1.5倍を摂取していることが明らかになった。
 中村教授によると、下北地方の伝統的な食文化として、大皿料理が多い。個別の皿に盛り付ける食事と比べて、子どもが好きなものだけを食べすぎる傾向があるとみられる。

<1000人データ収集>
 保健大とは違った側面から、八戸大と弘前大も今月から小中高生を対象に調査を始めた。八戸大は南部町で、約600人の運動能力と肥満の関連を探る。弘前大は弘前市の市街地と郊外の地域差を調べるため、生活状況や健康状態、体力測定などについて1000人規模のデータ収集を行う。
 3大学の取り組みは、学校関係者や医療機関など20団体で組織した同協議会で集約。年内に予定している次回会合では、調査の経過報告が行われる。協議会は今後、肥満を防止する運動プログラムの開発や子どもに健康的な生活習慣を考えさせる副読本作成に活動を発展させる計画だ。
 県教委が770万円の予算を組んで、大規模な調査に乗り出した背景には、平均寿命が全国で最も短い「短命県」の汚名を返上する狙いがある。
 県教委スポーツ健康課は「子どもの肥満を放置すれば、将来的に成人の生活習慣病に移行する可能性が高まる。子どものうちに手を打つ必要がある」と強調している。

<メモ>文部科学省の学校保健統計調査(2009年度)によると、肥満傾向児の割合(出現率)は、青森県の男子で7、8、15、17歳、女子は6、8、13、14歳で全国1位。ワーストを記録した年齢区分が全国最多となった。一方、厚生労働省の5年に1度の調査(05年度)では、青森県の平均寿命は男性76.27歳、女性84.80歳で、全国平均に比べ男性で2.52歳、女性で0.95歳短い。男性は1975年度から、女性は2000年度から全国ワースト。


私は、北海道出身ですが、雪がたくさんあるほうが、冬は、運動量が増える気もするのですが…。

決して、家の中にじっとしているわけではないと思うのですが。