復興増税の怪、府中市でも | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

復興増税のあきれた使い道が問題になっています。


ポイントは
 1.復興といいながら、被災地以外にも使われている
 2.防災、日本再生という名目で復興以外にも使われている


点で、問題は、


・国民は復興のためだから増税もやむをえないと納得したはずだが、

それに対する裏切りであること。
・被災地ではお金が届かず、いまだに家も立たず、店も再建できない

 人がまだいるのに、沖縄の道路や官舎の修繕が優先されていること、


です。

さらにこの問題は、NHKスペシャルなどから火がつきましたが

本来なら国会が発見すべき話で、国会の機能不全を物語っています。


同様の機能不全は、府中市議会でもありました。


じつは

復興増税計画の19兆円の中には地方自治体の増税分も含まれます。

市町村民税と都道府県民税がそれぞれ1人あたり500円増税されます。

府中市民も、平成26年度から、合わせて1000円の増税になります。

この増税については、それぞれの地方議会で条例改正がされています。

府中市では今年の3月議会で、市税条例改正案が可決されましたが、

私はどうもおかしいと思い、会派の意向に反して、「反対」しました。

反対したのは、議員30人中、共産党と生活者ネットと私の7人でした。


おかしい、というのは、当初、復興支援のために市民税を増税する、

と市から説明がありましたが、審議をするうちに、どうも被災地には

お金がまわらないということがわかり、基になる法律にあたってみると、

「復興のために」、自治体の防災に使いなさい、と書いてありました。

担当職員にきくと、「実は私たちもよくわからないんです」、とのこと。


おまけに、3月は予算審議もありましたので、防災の予算案をみると

前年度比減でした。26年度に増額する必要があるか聞いても、

具体的な増額予定はありません。しかし市民税増税だけはするのです。


こんないい加減なことでも、役所の提案だからといって、

ほとんど疑問も持たずに、「追認」してしまうのが、今の市議会です。


私は、仮に防災のためということを認めたとしても、気になります。

市は、増税分6000万円を、防災事業に充当するというでしょう。

しかし、今まで防災に使っていたお金を他にまわして、結局、

防災のためといって増税しても、別のことに使われるのではないか。


ごみの手数料はごみ処理に使うといいながら他にまわるのと同じです。

消費税を福祉に使うといいながら、借金の穴埋めに使うのと同じです。


市民税増税分6000万円に見合った新たな防災事業が行われるなら、

「防災のための増税」といえますが、そうでなければ、残念ながら

国の復興増税と同じインチキ増税といわざるをえなくなるでしょう。


いずれにしても、被災地にお金がいかない、ことは確かな増税です。