青空のヴァレリー・カーター | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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3月3日、日本ではひな祭りの日にシンガー・ソング・ライター、ヴァレリー・カーターValerie Carterが64歳で亡くなりました。ヴァレリーが死去と言うニュースを聞いて最初に頭に浮かんだのがスティーヴ・ウィンウッドのヒット曲「青空のヴァレリーValerie」でした。

まぁ同じヴァレリーだけど、ウィンウッドとの繋がりはないだろうから関係ないだろうとは思ったのですが、気になって調べたら「青空のヴァレリー」のモデルってやっぱりヴァレリー・カーターのことだったんですね、知りませんでした。

「青空のヴァレリーValerie」はウィンウッドと後にタイタニックのテーマとなった「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」やクラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」で大成功をおさめるウィル・ジェニングスWILL JENNINGSとの共作曲で歌詞はジェニングスが書いているようです。ジェニングスは歌詞についてこんなこと言ってます。

>ヴァレリーは実在の人物なんだ、正体は明かさないよ。彼女の属する世界ではほとんどトップにいたんだけど、知らないうちに姿を消してたんだ。彼女は心を許せる友人でこの曲は僕から彼女へ捧げたものなんだ"

ジェニングスは正体は明かさないよと言っているのですがタイトルが「ヴァレリー」だしおのずと分かるというものですよね。米ウィキには「青空のヴァレリー」について以下のように書かれています。

この曲は、いつかもう一度みつけたいと願っていた失われた愛について思いをはせる男を描いています。 ウィル・ジェニングスは歌手のヴァレリー・カーターについて考えながら、歌詞を書いたと伝えられています。

ということなのです。

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「青空のヴァレリー」はウィンウッドの82年のアルバム『トーキング・バック・トゥ・ザ・ナイトTalking Back to the Night』からのシングルです。確かにヴァレリー・カーターは1977年に『愛はすぐそばにJust a Stone's Throw Away』と78年に『ワイルド・チャイルドWild Child』という2枚のアルバムをCBSから発表し、80年ごろまでは本当に多くの歌手のバックでその歌声を聴かせていたのですが80年代に入ると活動が目立たなくなっていたという感じはありましたので、ジェニングスの「知らない間に姿を消したSlip away」という思いに繋がったのかもしれません。なんかちょっとジム・ウェッブの「P.F.スローン」を思い出してしまいました。






とってもワイルド
髪をかきあげながら
そこに立っている
彼女が僕に触れたのを
思い出さずにはいられない
ここが彼女の場所なのに
その顔は今も見られない

とってもクール
夏の日のジャズに
彼女は似ていた
心をうたれる
ハイトーンで甘い音楽
今彼女は腕の中の風を
温めることはできない

ヴァレリー、電話してくれ
電話してくれ ヴァレリー
会いに来てくれ
僕はあの時と同じ少年のままさ

愛の歌が夜を満たす
でもすべては語れはしない
最後が訪れたように
恋人たちは泣くのだろうか
彼女の叫びは 時間の中で
宙ぶらりんになっている

いつの日か いい風が吹き
彼女を連れてくるかも
ある夜 僕は聴く
彼女は昔のまま
いや 彼女は腕の中の風を
温めることはできない

ヴァレリー、電話してくれ
電話してくれ ヴァレリー
会いに来てくれ
僕はあの時と同じ少年のままさ

僕はあの時と同じ少年のままさ 

確かにそう思って歌詞を眺めると、ヴァレリー・カーターの顔や歌声が浮かんでくる気がします。



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