鳥肌音楽 Chicken Skin Music

WRITING ABOUT MUSIC IS LIKE DANCING ABOUT ARCHITECTURE.


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一昨日朝でがけに郵便受けを除くとアマゾンからのメール便が届いていました。先日ブログにも書いたキー坊2枚とスティルスの幻のセッション・テープです。


Just Roll Tape: April 26th, 1968

スティルスのやつは前から買おうと思っていたのですが、お気に入り登録させていただいている nyarome007さんの記事やその記事に触発されたというwhiteさんの記事を読みますます聴きたくなり買ってしまいました。

さてこのアルバムはタイトルにもあるように1968年の4月26日にニューヨークのエレクトラ・スタジオで録音されたテープをCD化したものです。バッファロー・スプリングフィールドの解散が68年の5月ですから、解散前の結構ゴタゴタしていた時期の録音ということになるのでしょうね。このテープが録音された経緯はスティルスがあるアルバムの録音に参加した事から始まります。


Judy Collins Who Knows Where the Time Goes

60年代初めから活躍しているフォークの歌姫的存在であったジュディ・コリンズ。68年のこのアルバムは時流を意識してかヴァン・ダイク・パークスやクリス・エスリッジ、ジム・ゴードンといった若手ミュージシャンを起用してアルバムを録音します。そんな中ギタリストとして召集されたのがスティルスでした。レコーディングも無事に終わり本来であればLAに帰るはずであったスティルですがセッション後に自分の新曲を記録しておくことを思い立ちます。

「1968年僕はジュディ・コリンズのセッションでニューヨークにいた。ジュディが終わった後僕はエンジニアに百ドル札何枚かをくれてやり新曲を録音してもらった。いくつかの曲は君たちも知っているし、いくつかは君たちが知らない曲だ。その秋に僕たちはCS&Nの1stアルバムを作るのだが、テープは風とともに消えうせ40年近く見つからなかった。どういうわけかそれは見つかり僕の手許に戻ってきたんだ。そしてその曲たちは若く偉大なともだちのように今は思えるんだ」

そうしていくつかの曲がスティルのギターと歌のみで録音されます。

>いくつかの曲は君たちも知っているし
知っている曲の一曲、それが後にCS&Nとして発表される「組曲:青い目のジュディ」です。


クロスビー、スティルス&ナッシュ

「最初はジュディ・コリンズと僕の関係についての長い物語だった。歌詞は何ヶ月もの間次々に湧き出てきて数冊分のノートが埋まってしまった。でもそうしたそれぞれの歌詞に合う曲がなかなか出来上がらなかった。それであるとき、ふと思いついた。「そうだ全部一緒にして歌おう。組曲ってことにすればいいんだ」、すべて同じことについて書いてあるし、要するに言いたいことはひとつなのだから。」

そう当時23歳のスティルスは6歳年上の青い瞳の美しい歌姫惹かれ恋に落ちていたのです。ただしジュディは人妻であり結局は結ばれることの無い恋ではあったのですが。まぁそういった経緯はさておき今回のアルバムで最も聞いてみたかったのがこの「青い目のジュディ」でした。CS&Nの3人のコーラスが変幻自在に絡みあう完璧な一曲の最初のバージョンはどんなものだったのか?CS&Nの「青い目のジュディ」を聴きこんだ人だったら誰もが好奇の気持ちを抱くことでしょう。

スティルスがバッファローを解散するのが5月、ローレル・キャニオンのジョニ・ミッチェルかママ・キャスの家でクロスビーと新しいグループの結成を試行しながら歌っていた「ユー・ドント・ハフ・トゥ・クライ」にたまたま居合わせたナッシュがハーモニーを付けた瞬間に魔法が起こったのが7月のこと。ということはこのテープを吹き込んだ時点では「青い目のジュディ」にクロスビーやナッシュのハ-モニーが付くというイメージはかけらも無いということになります。

しかしながらスティルスが独りで歌う「青い目のジュディ」のメロディはクロスビーとナッシュのハーモニーのパートが付くことをを踏まえて歌っているように聴こえてしかたがありません。この歌を聴くと3人がグループを結成するのは神が決めた必然であったと思えてしまいます。(ちなみに3人にヤングがくっつくことは神も予測できなかった蛇足であったかもしれません)

40年近くもお蔵入りしていただけあって一部音がひずんでいたりと難点はありますが、そんなこともたいした事じゃないと思わせる貴重なレコード(記録)だと思います。スティルが、CS&Nが好きな方だったら必ず聴くべき一枚です。


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