グラム・パーソンズの記事に江戸門弾鉄さんからいただいたコメントで
アリフ・マーディンの死を知りました
先の日曜日に膵がんで74歳の生涯を閉じたようです
アリフの仕事についてはある程度知ってるつもりでしたが
あらためてネットなどで調べてみると
自分の思っている以上にアリフのかかわった
アーチスト/アルバムを聞いてきていたことに気がつきました
アトランティックのハウス・プロデューサーでしたからね
当然といえば当然なのでしょうが
ここではアリフへのトリビュートの気持ちを込めて
偉大な足跡を振り返ってみたいと思います
(all music のバイオグラフィーを基に 構成いたしました)
アリフ・マーディンは1932年3月15日にトルコのイスタンブールで生まれました
イスタンブール大学時代は趣味で音楽を聞いていましたが
1956年ディジー・ガレスピーのトルコ・ツアーを体験し音楽を生業にする決意をします
バークリー音楽院のを1961年に卒業しその2年後ネスヒー・アーティガンのアシスタントとして
アトランティック・レコードに入社し、すぐにハウス・プロデューサーの職を得ます
アリフの初期の仕事はソニー・スティット、フレディ・ハバード、モーズ・アリソン、エディ・ハリスといった
ジャズ・アーチストのプロデュースでした
しかし、アリフの本当の成功は1967年にアトランティックと契約した
アレサ・フランクリンによってもたらされます
ジェリー・ウェクスラー、トム・ダウドそしてアリフの3人によって製作されたのが
アルバム「I never loved a man the way I love you 」と
ソウル・クラシックとなったシングル「リスペクト」でした
Aretha Franklin I Never Loved a Man the Way I Love You
1年後の1968年には傑作「Lady Soul」が同じチームによって生み出されます
Aretha Franklin Lady Soul
ブルー・アイド・ソウルのグループ、ラスカルズにもデビューからかかわり”第5のメンバー"と呼ばれました
1969年には英国の歌姫ダスティ・スプリングフィールドを連れてメンフィスに赴き
これも傑作の誉れ高い(傑作ばかりで申し訳ありません)「Dusty in Memphis」を製作
Dusty Springfield Dusty in Memphis
この年アリフはアトランティック・レコードの副社長(vice president)となります
1970年には孤高の歌姫ローラ・ニーロとマッスルショールズのミュージシャンを結びつけます
Laura Nyro Christmas and the Beads of Sweat
70年のマッスルショールズといえばギターはデュアン・オールマンですね
同じ年、アリフ自身の初のアルバム「Glass Onion」を発表しています(画像、詳細不明)
71年には日本で最も過小評価されている(というかほとんど知られていない)シンガ・ソング・ライター
ジョン・プラインの「John Prine」をプロデュース
John Prine John Prine
これを機にそれまでのジャズ、R&B系だけでなく幅広いジャンルのプロデュースを行うようになります
- Roberta Flack Donny Hathaway Donny Hathaway
- Quiet Fire Donny Hathaway Live
- Danny O'Keefe Hall & Oates Bette Midler
- O'Keefe Abandoned Luncheonette Bette Midler
- Steve Goodman The Average White Band
- Somebody Else's Troubles AWB
60年代から70年代初めヒットを飛ばしたビージズですが70年代前半その人気にも陰りが見えていました
彼等のマネジャー、ロバート・スティグウッドは再起をかけビージズをアリフに託します
上に挙げた英国産ブルー・アイド・ファンク・バンド=アベレージ・ホワイト・バンドの
大成功を参考にしたのか当時流行し出したディスコ・オリエンテッドな音楽にかけることになります
そうして74年に発売された「Mr.Natural」は残念ながら泣かず飛ばずでしたが
続く75年の「Main Course」は大ヒット「Jive Talkin'」というNO1シングルも生まれ
ビージーズの人気は完全復活、後の化け物アルバム「サタディ・ナイト・フィーバー」へとつながります
- The Bee Gees Original Soundtrack
- Main Course Saturday Night Fever: The Original Movie Sound Track
70年代半ば以降も勢力的にプロデュースの幅を広げていきます
というか引き合いがとにかく多かったんでしょうね
- Willie Nelson Rod Stewart The Average White Band
- Shotgun Willie Atlantic Crossing Cut the Cake
- Manhattan Transfer Barry Manilow Ringo Starr
- The Manhattan Transfer Tryin' To Get the Feeling Ringo's Rotogravure
- Roy Buchanan Carly Simon George Benson
- Street Called Straight Boys in the Trees In Your Eyes
中でもルーファスの強烈なボーカリストであったチャカ・カーンとの出会いは
80年代に入り「I Feel For You」という傑作を生み出します
- Chaka Khan Chaka Khan Chaka Khan
- Chaka What Cha' Gonna Do for Me I Feel for You
80年代に入ると従来のベテラン勢のアルバムに加えニュー・ウェイヴのアーチストも手がけています
もう50歳越えているんですけどね、頑張ってます
これなんかはグリーンがアレサ・フランクリンの大ファンだからオファーかけたんでしょうね
スクリッティ・ポリッティの2ndアルバムを全面プロデュースしています
Scritti Politti Cupid & Psyche 85
- 他にも80年代はこんなアルバムをプロデュース
- Culture club Marilin Martin Haward Jones
- From Luxury Heart Marilin Martin One to One
Ofra Haza Desert Wind
続いて90年代 さすがにロック系はぐっと減りますね
申しわけありませんが聞いたこと無いアルバムが多いです
Bette Midler Lisa Fischer Najee
For The Boys: So Intense Just an Illusion
- Anita Baker Carly Simon Various Artists
- Rhythm of Love Film Noir VH1 Divas Live 1999
アレサから始まりアリフは結構女性ボーカルのプロデュースが多いですね
そして21世紀に入り、一応はジャズ・ボーカルとしてくくられますが
ジャンルを越えた新感覚の女性ボーカルを見出します
まさに21世紀の歌姫、その人は・・・もうお分かりですね ノラ・ジョーンズです
Norah Jones
Come Away With Me Feels Like Home
ノラのデビューが2002年ですからアリフ70歳でのプロデュースということになります
多くの素晴らしいアーチスト/レコードを紹介してくれたアリフ・マーディン
彼の向かった天国はトルコのまぶしい太陽と音楽がいっぱいの天国に違いありません
-----------------------------------------------------------
本文中で紹介した以外にもこんなアルバムが
そしてこのアルバムがアリフ・マーディンにとっての最後のプロデュース作となったようですね
Raul Midon State of Mind
最後の最後に新人をブレイクさせてしまうあたりが
生涯プロデューサーであった彼らしいところですね




















