鳥肌音楽 Chicken Skin Music

WRITING ABOUT MUSIC IS LIKE DANCING ABOUT ARCHITECTURE.


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定期メンテナンスを知らなくて書いた記事がほとんどぶっとんでしまった。ほんと疲れてしまう。でも阪神勝ったから許すとしよう(関係ないやン)。先行してJFKで逃げ切りという勝ちパターンはまだまだ有効というのがはっきりしました。今日も安藤が踏ん張って、打線が先に点を取れば「逆転の中日」も怖くない。

アメグラ

昨日に続きトラック・バック・ステーションのネタで。今日は映画ジャンルのお題から。”子供心取り戻せる映画、夏の日のワクワクドキドキ感を呼び覚ますような映画”がテーマということで僕が思い出したのは「スター・ウォーズ」でお馴染のジョージ・ルーカス監督の1973年の出世作「アメリカン・グラフィティ」です。

映画の舞台は1962年のカリフォルニアの田舎町(ロケはペタルマ*注1で)の夏の終わりの夜。カート(リチャード・ドレイファス)は東部の名門大学に進学が決まり明日は旅立ちの日。街をポンコツのシトロエンで流していた彼は白いTバードを運転する美女と出会う。すれ違いざまに声をかけられるが彼女の言葉が聞き取れなかったカートは夏の最後の一夜を彼女を探して街をさまよいあるくことになる。

このカートのモデルはルーカス自身らしい。

カートの親友スティーブ(後に「アポロ13」の監督となるロン・ハワード)も進学が決まっているが恋人であるカートの妹に引き留められ旅立ちを迷いに迷っている(オイオイいいのかそんなんで)。

チビでメガネのさえないテリーはスティーブからインパラを借り通称”テリー・ザ・トード(がまがえる)”から自称”テリー・ザ・タイガー”に大変身(本人だけが思っている)。いかした女の子をナンパに出かける。

街で一番の飛ばし屋ジョンはひょんなことから中学生の女の子キャロル(マッケンジー・フィリップス、なんとあのママス&パパスのジョン・フィリップスの娘!チャイナの姉ということですね)をひろってしまう。キャロルに振り回されながらカッコ悪く街を流すハメに。愛車はバッチリ改造したデュース・クープ。

55年型シェビーを操り街に流れてきたカウボーイ・ハットの気障なよそ者ボブ。ジョンのクープをションベン色とからかい挑発するが相手にされずしっこくつきまとう。若きハリソン・フォードが演じています、必見。

American Graffiti Trailer


だいたい以上のメンバーが中心で各々のエピソードをつなぎ合わせながら夏の終わりの一夜が描かれていきます。大きな事件が起こるわけでもないが、いつもとちょっとだけ違う夏の一夜をみんなが過ごし,夜が明けると無邪気に過ごした夏の日は終わりを告げている。

この映画はイノセントな子供時代との決別を描いた映画なのだと思う。

それは個々の登場人物だけではなくアメリカという国にとってのイノセントとの決別でもある。この映画の舞台の翌年である1963年はケネディがベトナム戦争への積極的関与を決めた年であり、泥沼化する戦争により多くのアメリカの若者が戦死していく(勿論もっと多くのベトナム人が殺されましたが)ことになります

無邪気なだけでは生きられない時代が始まったのです。

長期化するベトナム戦争などが要因となり70年代前半のアメリカの景気は低迷し、政治的にも経済的にも「強いアメリカ」という誇りは失われて行きます。そして50年代の古き良きアメリカへの郷愁が人々の間に広がっていく、そんな時代の気分の中でこの映画は作られています。

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サントラ, ビル・ヘイリーと彼のコメッツ, ザ・クレスツ, デル・シャノン, フランキー・ライモンとティーネイジャーズ, バディ・ホリー, バスター・ブラウン
アメリカン・グラフィティ ― オリジナル・サウンドトラック



この映画の全編を通して流れる50年代から60年代頭のR&Rの名曲の数々はそんな「古き良きアメリカ」の象徴となっています。映画の中でそれらの曲の多くは伝説のDJであるウルフマン・ジャックのラジオ番組のリクエスト曲として流れています。バラバラに思える登場人物個々の一夜の物語もウルフマンのかける45回転のドーナツ盤によってひとつに結ばれているのです。このへんはルーカスの上手いところです。

50年代から60年代にかけてのR&RやDoo Wap、Popsがいっぱいのこの映画のサントラ盤はちょっとしたオールディズ・ブームをアメリカで巻き起こします。僕もそうでしたが日本でもこのサントラによって50年代から60年代初めのR&RやDooWapの魅力を知った人も多かったはずです。

映画は結局のところ美女を見つけられなかったカートが飛行機で東部に旅立つところで終わりを迎えます。
最後に自分の育った街を一目見ようと飛行機の窓を覗くカート。カートの視線で地上を俯瞰するカメラは真っ直ぐな道路を走る白いTバードをとらえます。

大空の上のカートと大地を走るTバードの女、そして登場人物のその後の人生が簡潔な言葉で紹介される・・・夏は終わった。
スクリーンからはブライアン・ウィルソンの切ないファルセット。ビーチ・ボーイズの「オール・サマー・ロング」だ。

Beach Boys-All Summer Long


君の家の前に車を停めていた時
君はコークでブラウスをビショビショにしちゃったのを覚えてるかい
シャツにカット・オフ・ジーンズに革のサンダル
僕らは夏のあいだ 思いっきり楽しんでた
夏のあいだ ずっと君と一緒だったけど
君のすべてをまだ分かっちゃいない

夏のあいだ 僕らはずっと自由だったけど
夏の終わりはもうすぐやってくる
だけど夏は終わることはないのさ

丘の上にはミニ・ゴルフやホンダが集まり
馬に乗った時にはゾクゾクした

いつだって僕らの曲が流れている
あぁ、夏のあいだ 僕らはずっと楽しんでたのさ




ザ・ビーチ・ボーイズ

オール・サマー・ロング


まさにこの映画のために作られたような一曲です。最後のこの曲が聞きたくて僕はこの映画を夏の終りが来るたびに観る事になるだろう。

American Graffiti Ending


PS 「オール・サマー・ロング」の発売は64年、おいおい時代が合わへんやんっていう無粋なつっこみはやめときましょうね。

*注1)ペタルマというとこのジャケットを思い出す人もいるのでは。CD出ているのかな
    
 ノーマン・グリーンバウム「ペタルマ」

ペテルマ

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