2012-01-27 10:57:53
「柔よく剛を制す」の土壁構造
テーマ:和風古い建物を再生する場合、その構造をよく調べる必要があります。
築50年以上の日本建築は土塗り壁がほとんどですよね。しかし近年、建物は筋交いでがちがちに固めて、地震力には力で対抗しようという考えが主流になり、構造体としての土壁は、その強度が過小評価されてきました。
ただ、最近になって、土壁の粘りをもっと評価してもいいのではないかという考えが広がってきて、実験や研究も盛んに行われるようになりました。また、その結果を踏まえて、計算方法もかなり確立してきました。
土壁の粘りを利用する耐震は、柔よく剛を制す、という日本にはなじみの深い考え方に基づいていて、文化財に指定されている伝統建築は、ほとんどがこの構造です。
ただ、温故知新なんて言うと、「やはり古いものは正しいのだ」と、納得してしまうのは日本人の悪い癖ですから要注意。
写真は古い建物の解体を始めたところです。外壁の土壁をご覧ください。壁が途中でプツンと切れていますよね。これでは耐力壁にはなりません。柱を繋ぐ土台を設け、両側の柱と桁と土台で土壁を固定して初めて力を発揮します。
いくら「柔よく剛を制す」といっても、あくまでも力学的な合理性が必要です。
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