キム・セロン… 今、公開中の映画「アジョシ」にも出ている女の子です。
韓国の芦田愛菜かなあ～と思ってみたら、いやあ～、気の強い女の子でした！
ある意味かわいげのない女の子、しかし、抜群の存在感のある女の子でしたね。
監督は、ウニー・ルコント。実は、この監督さんこそが、養子として韓国からフランスに渡った経験の持ち主… その当時（１９７５年頃）の韓国の海外養子縁組の問題を扱った作品なんです。
９歳のジニ（キム・セロン）は、父（ソル・ギョング）と仲良く暮らしていた。
ある日、よそ行きの格好で、ケーキを持って父親と訪れた場所は、児童養護施設だった。
父親は、絶対帰ってくると信じているジニは、食事にも手をつけることなく、まわりの友だちを受け入れることもなく、反発をくり返し、脱走を試み、いつも荒れていた…。
やっと、うち解けてきた唯一の友だちスッキ（パク・ドヨン）と、海外に一緒に行こうと約束をし、二人で小鳥を育てることになったのだが… その友だちが、先に一人で海外に養子に行ってしまい、また孤独な生活に戻り…
やがて、自分の運命を感じ取り、自分の力で生きていこうと覚悟を決め、養子縁組を受け入れて、外国へ行くことになる…
とにかく、表情の変化が凄い（芦田愛菜ちゃんにも、そんなことを書いた気がするが…）
明るく楽しそうな父との生活から、周りを受け付けない暗い表情、あきらめの無気力な表情、怒りを抑えられない表情… 何とも言えない演技力・存在感… これが映画初出演とは思えない…
韓国の、海外養子縁組という問題については、まったく聞いたこともなく知らない世界だったが、子どもを捨てるっていう行為については、けして許されるべきことではないと思います。
突然舞い込んできた不幸を受け入れることができなかったジニ…
周りの子ども達は、訳もわからず明るく施設で過ごしているように見えるのだが…
一人一人、想いはジニと一緒なんだろうけど…
何度もくり返される「蛍の光」… 切なく悲しい…