【タイトル】
「カップの行方」
【人物】
内田静(28)
安尾秀樹(28)
【本文】
○アパート・リビング(夕)
新聞紙に包んだ皿を次々にダンボール箱に納めていく内田静(28)。
背中合わせ、安尾秀樹(28)がプラモデルを詰めている。
静「お皿貰っちゃっていいのかな?」
安尾「アイツと使えよ」
静は皿を詰める手を止める。
静「そう。じゃ私貰うね」
静と安尾は振り向きペアカップを同時に取ろうとした為に手が触れる。
安尾「ソレはやめとけよ。きっと嫌がる」
静「だけど……あんたが、初めてくれたヤツだったから」
安尾「やめろよ!俺、ちゃんとお前の事嫌いになろうとしてんじゃん。お前も
最期まで、ちゃんと嫌な女やれよ。」
安尾は机を叩きつけて、ベランダに逃げていく。
静も追い駆けようとするが、安尾の震える背中を見て立ち止まる。
○同・ベランダ(夕)
ベランダの窓が開くと、目に涙を浮かべた安尾と、その肩越しに立ちす
くむ静が見える。安尾はカップを抱えるが、次の瞬間床に叩きつけ、
粉々に砕く。
安尾「大好きだったよ。マジで」
静が隣に立ち、カップにくちづけする。
静「ごめんね」
静も自分のカップを叩きつける。
粉々になったガラス片が夕日を乱反射する。


