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2011-11-04 06:57:53

フォトケ Photoquai

テーマ:アート・舞台
パリの15区にケ・ブランリー美術館というミュゼがある。
2006年にジャン・ヌーヴェルの設計でつくられた、
アジア、アフリカ、オセアニア、アメリカ・・・と、要はヨーロッパ以外の地域の
原始文明・民俗学に焦点をあてた国立美術館。


11月8日からは、その名も「SAMOURAI サムライ」という
ヨーロッパ初となる本格的な「鎧」の展覧会がひらかれる。
(つづりがSAMOURAIとなっているのは、SAMURAIと書くと
フランス人は「サミュライ」と読んでしまうためです。)


ところで、ケ・ブランリーの「ケ」は、
フランス語で「quai = 河岸」のこと。
セーヌ川沿いの通りはすべて「ケ・なになに」と名がついていて、
ここは美術館が面した通りが「ケ・ブランリー」ということから
そのまま美術館の名前になった。

このケ・ブランリー美術館の「外」で写真展が行われている
というので行ってみた。


「外」というのは美術館の建物前面の緑地のことかと思っていたら、
セーヌ川のすぐ脇の遊歩道だった。

もう歩道にコンクリートまで打ってあって、
雨も大丈夫なパネルでの展示。


2年ごとに開催される美術館主導の「PHOTOQUAI 写真ビエンナーレ」でセレクトされた
29ヶ国46人の写真家の作品がずらりならぶ。
日本からはドキュメンタリー写真家・岡原功祐が選ばれた。

左側のパネルが岡原功祐

PHOTOQUAI 「フォトケ」というテーマは「写真」と「河岸」の造語だが、
「写真河岸」とでもいうのだろうか。

気持ちのいい晴れの日には、
セーヌを見ながらまさに写真河岸な気分にひたれる。
そのコンセプトもいいし、実際の展示作品は
各地域の社会をとらえつつ、インパクトのあるものばかりで
これもまた面白い。

ミュージアムショップもきちんと、
この並びにありました。


展覧会は実はラストミニッツ。
11月11日まで。
(Takeshi)




2011-11-01 20:39:49

パリでいちばんの餃子?

テーマ:フランスの食
パリの東のほうにベルヴィルという地区がある。

パリ19区・・・といえば、20区とならび
日本人観光客は行ってはいけない危険な地区。なんて言われているが、
ふつうに昼間歩いているぶんにはまず問題ないし、
むしろ庶民的でがやがやして面白いところ。

ここはパリでも屈指の中華街。

Rue de Belleville という通り沿いには、
ここは中国か台湾か、というほどにずらり中華料理店。

駅から歩いて5分くらいのところに
最近在住日本人のあいだで話題?のレストランがある。

阿国餃子館。
餃子の「館」ですよ。
これは行かずにはおれない。

ということでトライ。

餃子だけでも、鶏、牛、豚、ニラ、セロリなど

その具の違いで十何種類とあって

焼き餃子、水餃子が選べる。


そして驚きはその値段。

パリ中心部では4個で3€、4€する残念な餃子が多いなか、

ここは15個ほどお皿に盛られて、なんと5€くらい。

2人で餃子を2皿、ビールとモヤシ炒め、ご飯もつけてトータル16€。
それで「ちょっと食べ過ぎたかな」という満足感。

日本と比べたらそれでも高いでしょうが、
レストラン価格の異様に高いパリでは貴重な値段なのだ。

しかも写真の餃子さんの顔つきで日本の方ならわかるでしょうが、
味もかなりいけます。もちもちっとした食感も合わせ、
いまのところ私のなかではパリ一番。


帰りがけにベルヴィル駅前の中華系スーパーへ。
これまたすべてが安い。

ふつうのスーパーで売っているものも
時おり半値くらいの勢いでおいてある。
どういう仕入れなのか?

ともかくベルヴィルの激安パワーに驚いた一日でした。

(Takeshi)


2011-10-31 21:53:39

MAC/VAL 楽しみながらアートにふれる、パリ郊外の現代美術館。

テーマ:アート・舞台
パリからちょっと離れた郊外に、
世界レベルでもちょっと話題の現代美術館がある。

通称、MAC/VAL マクバル。
Val de Marne ヴァル・ド・マルヌ県にある公立美術館だ。

郊外にはCentre d'art (アートセンター)といって、
地域の芸術振興のためにアーティストの活動を支援したり
展覧会を行ったりする機関、スペースは数多くあるけれど、
ここは自らがコレクションを持つ美術館。
1950年代から現在までの有力なフランスのアーティストを中心に、
収蔵し、展示をしている。

展示室に入って最初の作品がこれ。

どこがアートなの?と素通りせずに、つつつっと横へ移動すると、


3つの円に見えるポジションがある。

作家はスイス生まれ、フランス在住のFelice Varini。

彼は日本をふくめ世界中で屋内外を問わず、こうした視覚の遊びを利用した作品、インスタレーションを創っている。

思わず真剣に、カメラの向きを合わせたりして。



こちらはスクリーンの前に立つと自分の影絵が映り、

しばらくすると上からオブジェが降りてきて、自分の影にくっついていく。

はじめは楽しくて、近くにいた子ども達も喜んでいたが、

いくつもついてくるとだんだんうんざりしてきて、荷物になってくる。

そうこうするうちに、自分のまわりはゴミのようなガラクタでいっぱいになり

ついには画面全体が埋まって、自分たちもいなくなってしまうという映像。

ゴミで埋もれた現代社会を映しているのだろうか。

インドのShilpa Guptaという作家のビデオインタラクティブ作品。


こんなものも

作品の名前は、Black Whole Conference。

Michel de Broinというカナダ生まれの作家だが、

どこから出てくるんだ?というような奇想なアイディアで

素敵なオブジェを創ってしまう。


面白かったのは

フランス民法を使ったビデオ作品。

結婚の規定や何かに、反対の意見を持っている人のところへ持っていって、

ではその民法の条文を消して、あなたが書き直してください。という。

法律を消しゴムで消して自分で書き直すというコンセプトに、観客からも笑い声。

書き直した民法も展示してあった。


中には「何?」というものもあるけれど、

面白かったり、考えさせられたり、これまた新しい発想に出会える美術館。


センスのある見せ方と作品の集め方がけっこう好きです。

(Takeshi)

MAC/VAL ヴァル・ド・マルヌ県現代美術館

http://www.macval.fr/francais/



2011-10-11 06:25:55

マティス、ピカソ、セザンヌ・・・。画家たちを偉大にした、ある一家のお話。

テーマ:アート・舞台
偉大な画家たちは、その絵に特別なものがあるというだけで有名になるわけではない。
そこには作家を売り込む画商の力があったり、
作家に惚れ込んだコレクターの力があったりする。

マティスやピカソ、セザンヌといえば、
世界の誰もがその名を知る作家だが、
栄光の背景には、ある一家が大きくかかわっていた。

というと、なにやらミステリアスな感じだが、
いまパリのグランパレで開催中の展覧会
「マティス、セザンヌ、ピカソ・・・ スタイン家のアヴァンチュール」は、
20世紀の巨匠たちの作品を、この一家を切り口に語る
面白い企画だった。

その主役の一人がこの女性。

その名は、ガードルード・スタイン。
彼女に、レオ、マイケルという2人の兄弟をふくめた
いわゆるスタイン一家のコレクションが展示されている。

もうすでに世界中に散逸してしまったコレクションを一堂に集めて、
展覧会はまずサンフランシスコMoMAで開催され、
そして今回にパリに移り、さらに来年はニューヨークに渡る。

私がとくに見たかったのはこの絵。


1905年パリの、サロン・ドートンヌという絵画展でマティスが出品。
その色の派手さからセンセーショナルを巻き起こし、
「野獣派」などというマティス本人もがっかりするような
レッテルを貼られてしまった作品「帽子の女」。

しかしスタイン家はこれを購入し、以後、ピカソらのキュビズム作品、
あるいはアヴァンギャルドの作家たちまで、
当時アカデミックな画壇からブーイングを受けた
新しいスタイルの作品をどんどん取得して
20世紀アートの変革に大いなる役割を果たした。

さらには友人となったピカソやマティス、あるいは
他の分野の文化人を招いたサロンをひらき、
この時代のパリカルチャーの震源地ともいうような場所を
提供していたというから、
その影響力は計り知れない。

単なる近代絵画展でなく、
スタイン一家の審美眼とコレクションの貪欲さにおどろく展覧会。
有名な作品の習作などもふんだんにあって、
本では見られないような作家の素顔や、新しい画風への挑戦、
あるいは苦悩が見られるような内容。


1月16日の閉幕までに、パリにいらっしゃる方はぜひ。

Matisse, Cézanne, Picasso...   L'aventure des Stein
「マティス、セザンヌ、ピカソ・・・ スタイン家のアヴァンチュール」
グランパレ Grand Palais
10月5日から2012年1月16日まで


2011-10-02 23:22:27

ベネチアビエンナーレ 3

テーマ:アート・舞台
初日以外、ベネチアは本当にいい天気。
色とりどりの建物、ヴァカンスを楽しむ人たちの姿を浮かびあがらせる
青い空と輝く海は、つくづく最高の背景だと思う。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

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さてビエンナーレのもうひとつのハイライトは
世界でも傑出したアーティストを集めた企画展。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活
ジャルディーニ会場の企画展パビリオン


ジャルディーニ会場の一角にある企画展パビリオン、
そして、造船工場を改修して生まれた
もうひとつのメイン会場アルセナルの
企画展スペースは、まさに世界の現代美術のショーケース。


$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活
アルセナル会場


マウリツィオ・カトラン、シンディ・シャーマン、
ウルス・フィッシャーなどなど
特に若手を中心に70人ほどの現代美術家が集まった。


$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活
マウリツィオ・カトランの作品は、会場中にめぐらされた鳩たち


$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活
フィリップ・パレーノの作品


スイスの作家、ウルス・フィッシャーの作品は、
オブジェの変化と崩壊に焦点をあてる。

実物大の人間、オフィスチェア、そして
ローマ伝説「サビニの女たちの略奪」像などがおかれているが
これがすべて「蝋」でできている。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活


$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活


ビエンナーレの会期中、ずっと火が灯され、
作品はとどまることなく変化し、いつしか崩壊していく。

オープンから3ヶ月がたった9月。
それらはすでにもうだいぶ崩壊が進んでいた。



撮影が禁止されているので写真はないけれど、
このビエンナーレで大きな話題を集めたのは、
美術家であり、音楽家でもあるクリスチャン・マークレーの
「The Clock」という映像作品。


24時間におよぶ大作は、
世界の映画の中から、時計が出てくるシーンを集めたコラージュ作品で、
上映している時刻と登場する時計がぴったりシンクロしている。
中には少し進んでいる時計もあるのだが、
そうするとすぐ後のシーンで、登場人物が「あの時計は5分進んでるから」
というオチがあったりする。

その手間のかけようとマニアックな念の入れようはハンパではない。

はじめて見たのは横浜トリエンナーレだが、
何の情報もなく見たので、気づいた時にはなんと驚いたことか。

ビエンナーレのオープニングセレモニーで金獅子賞を受賞したのだが、
それも当然。今回のビエンナーレのメインスポンサーは「Swatch」なのだ。

作品はもちろん受賞に値すると思うけれど、
これは最高の広告でもある。
ビエンナーレ各所のショップには、Swatchの時計がたくさん並べられていた。

ぜひ横浜の「日本郵船海岸通倉庫」会場でご覧ください。
たしかスウォッチは売ってなかったと思うけど。
(トリエンナーレは11月6日まで開催)



最後に街のなかに点在している
他の国の展示会場を見に行った。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活
ニュージーランドの展示会場


各国の出展と、そのほかのビエンナーレ連動展示が
それぞれ40ほどあるのだが、
広大な街のなか、すべてをまわりきることは到底できない。

見るべきものが多いのは知っていたので、
はじめは5日ほど予定していたのだけれど、
ビエンナーレや映画祭が重なる超ハイシーズンのホテル代がそれを許さなかった。



そのほか、ベネチアを訪れたらぜひ行きたいのが、
美術館「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活


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ニューヨークやビルバオにある
グッゲンハイム美術館を運営するソロモン・R・グッゲンハイム財団の
創始者の姪にあたるペギー・グッゲンハイムの収集作品が所蔵されている。

ピカソ、ブラック、デュシャン、ミロ、ジャコメティ、ポロックなど
キュビズムから未来派、抽象表現主義、アヴァンギャルド、シュールレアリスム、
アメリカ抽象絵画などまで、20世紀前半の錚々たる作家と作品が
美しい大運河に沿ったPalazzo Venier という屋敷の中にならぶ。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

近代美術の勉強には、もってこいの場所です。



さらに、水上バスで行けるから、と、
映画「ベニスに死す」のメインロケ地、リド島へも足をのばした。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

こちらはベネチア映画祭の真っ最中。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活



しかしベネチア、このポテンシャルはなんだろう?

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

ディズニーランドのような、よくできた巨大な集客装置で、
実際かなり観光地なのだが、
細密な装飾に包まれた大聖堂や古ぼけた建物、
そして迷路のような路地と運河、
1500年以上の歴史が醸し出した空気は、やはり特別なものがある。

$sucre @ Paris 刺繍作家とライターのパリ生活

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フランスにも美しい都市がたくさんあるけれど、
フランス人にとってもVenise(フランス語では「ヴニーズ」と呼びます)は
いつでも行きたい街の上位。


ヨーロッパ中のあこがれを集める街・ベネチアには、
またいずれ行きたいと思う。

(Takeshi)

より鮮明な写真はこちらで
http://www.flickr.com/photos/takesucre/

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