作家のミソ帳*ときどきトマソン

◆ふられないメール術、笑える文章の黄金律、難材を出版するヒント、あの売れっ子作家の創作のタネ・・・
20年間、出版業界をほふく前進する (株)『スタジオポケット』 のライター達がわらをもつかむ思いで獲得した【文章・出版のヒント】と、ときとき世迷言をお送りします


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スタッフの青木ポンチです。

今年から、ドキュメンタリー系映画館「渋谷アップリンク」で毎月 ように上映イベントを見てきましたが、イチ押しのイベントに出くわしました。

『暗闇の発酵食堂』
誰でもモテ文章が書ける! 現役コラムニストが贈る 物書き術1000-暗闇の発酵食堂

謎すぎますね。相当、力技なネーミングです。
翻訳すれば「真っ暗な中で発酵食品(早い話が味噌)を味わい、専門家による『放射能トーク』を浴びる」というイベント。説明するほど謎が深まります。

「暗闇で何かをする」催しを耳にしたことはありますが、そんなものにお金をはらうのもなー、と思っていました。今回、3500円も払うのですから僕的には大冒険です。イベントは二部構成でした。


1)暗闇味噌テイスティング

3500円分のボリュームを期待してはいけません。味噌キャベツがスプーン4杯、味噌スープがコップ4杯、それだけ。それを暗闇で1時間かけて食すのです。

聞いた人の98%が「何が面白いの?」と思うでしょう。
たしかに一人でそんなことしても、アホらしくて早々にさじを投げるでしょう。ですが、真っ暗な会場で40人一斉にやると、ふしぎな感覚に襲われました。

まず暗くて何も見えないので、コップを持ち上げ、スプーンを口に運ぶだけでも緊張が走ります。そして参加者の方々が、暗闇の不安に駆られて「これは味噌ですね」「ああっ、キャベツだ」など、当たり前のことをみな一斉に口走るのです。

僕は「4口を30分かけて食べるのだたら、1口7分、50回以上噛まなきゃ」と計算のうえ、はじめに5分以上瞑想してから臨みました。

あまりに沈黙していたもので、「青木さん、静かだけど食べていますか?」などと他の参加者に心配されてしまいました。暗闇ならではの親切効果ですね。

視覚を遮断されるので、味覚をはじめ他の感覚が鋭敏になるのは確かですが、暗闇の緊張のほうが勝り、味は思ったほど感じ分けできませんでした。4種類の味噌だったのですが、ただ「味噌を食べているなあ」という感覚に終始しました。

でも、あまりにもゆっくり食べたもので、わずかな量で腹がふくれました。

僕の場合、暗闇で雑念が削ぎ落とされ、「食べる」という行為に集中できたのは確かです。ふだんいかに視覚情報に支配されているか…視覚から解放される意味は大きかったです。

他人とのコミュニケーションも「声だけ」となるので、ビジュアルに左右されないピュアなやり取りになります。「真っ暗闇合コン」「暗闇プレゼンテーション」、やれば面白そうです。

誰でもモテ文章が書ける! 現役コラムニストが贈る 物書き術1000
真っ暗すぎて写真がいまいちですね。

2)暗闇放射能トーク

つづいて放射能の基礎知識のレクチャーコーナー。
講師は某大学で放射線研究をされている若い学者さんで、「放射線芸人」を自認されています。思いのほか軽快なしゃべりで、はじめは「この人、本当に学者かしら?」と思ってしまいました。

はじめに「放射線を可視化する装置」なるものを持ち込み、東京の石から微量の放射線が放出される様子を披露。

ますます「?」と思いながらのぞくと、うっすらミジンコのような波が見えるような、見えないような…。ピンと来ないでいると、女性客から「ええーー!?」「ヤバーい!」など抜群のリアクションが。僕がニブいだけなのでしょうか。

ですが、トークは俄然引き込まれました。一部をご紹介します

◆「福島の復興の見通しは厳しい。まだ人々が安心して住めるレベルとは言えない。収束宣言を鵜呑みにすると危険」

◆「今のところ日本人に放射線被害が少ないのは、発酵食品や穀物菜食で免疫力が高いおかげ。高脂肪な動物食中心のアメリカ人のほうが、放射線に弱い傾向がある」

◆「福島産のお米の汚染を言うなら、フランス産のパスタだって同じ。チェルノブイリ原発事故でセシウムが残留した麦を原料としている可能性があるため」


放射能の恐怖を煽りまくる専門家は好きではありませんが、こうして「あまり知られていなかった視点」を与えてくれる方は貴重かもしれません。

とりあえず、僕は発酵っぷりのよい味噌を買い込みました。さっそくわが家の定番となりました。

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