Austria trip 3 最終回 | 平山ユージ Official Blog「STONE RIDER」 Powered by Ameba

Austria trip 3 最終回



オーストリアで過ごした時間はあっという間だった。
たった1週間ではあったけど、いくつか理解できることができた。

山間のSt Antonと言う小さな町にこれだけの人々がFilm Festivalのために連日集まっている様子や地元のクライマー達の岩場での様子を見てアウトドアや山岳スポーツが根付いていることが見える。
国土の多くが山に囲まれたオーストリアと言う地理的な部分も大きいのだろう。



クライミングのオーストリア代表監督Heikoやアルパインクライミングで最先端で活躍するHansjeorgとのクライミングは本当に楽しかった。何事にも積極的でやる気にあふれていた。
ジョークが飛び交い笑顔が絶えないのもオーストリアスタイルだと思う。
クライマー達はみんなこんな感じだから岩場も楽しい雰囲気に包まれていた。



そしてこれがHeikoの家で見つけた代表のユニフォーム。
これは僕が見た、僕の身近なオーストリアと日本の関係だとも思っている。

Film Festivalが行なわれたSt Antonは72年の札幌オリンピックのころから野沢温泉と姉妹都市を結んでいて町長さんは毎年野沢温泉を訪れているし街中には日本庭園もある。そしてクライミングの世界でもクライマー同志の交流は盛んで10年程前からオーストリアの進んだトレーニングを学ぼうと日本から若いクライマーが訪問しコンペティター同志の距離は非常に近く見受けられる。今では日本の若いクライマー達のレベルもあがりお互い学び合っていると思うが、こんな関係を大切にして行きたいと感じた。Heikoは10月のワールドカップ印西でオーストリア代表を率いての来日を非常に楽しみにしていたことが本当に嬉しい。



オーストリアの岩場で登ったのは93年のインスブルク世界選手権の頃以来で21年ぶりだった。そして亡くなってしまったが世界のトップクライマーを目指し80年代後半、一緒に登ったPeter Schefflerとの時間も懐かしく記憶のなかに蘇って来た。そう言えばSt Antonは彼とイタリアへ登りに行くために良く通った町だった。こうやって、いろいろな記憶や考えが繋がってきたころ旅は終わろうとしていた。もっと知リたいと思うと「また遊びにおいで」ってことなんだと感じている。
そんなオーストリアは全く文化的にも違うヨーロッパの国なのにどこか親近感を感じる国であり人々なんだと強く感じた旅だった。

平山ユージ