1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2012-04-21

いれて

テーマ:人間とマイン
子どもの頃、「いーれーてー」という提案をし、遊びの輪に入ることが苦手だった。今日日の子どもらも「いーれーてー」、「いーいーよー」、のやり取りをしているのだろうか。


私は「いーれーてーなんて平気さ、拒絶されるわけないしみんな友だちだ!」といった顔色をしながらも、こっそしビクビクしていたと思う。
「いーれーてー」、「いーいーよー」、一見なかよし、半ばルーティンであるこの冗長なやり取りにおいて、「いーれーてー」と言われた側はそれを拒否する、喰った術を持たない。

――もし、彼らの本心がボクを輪に入れたくなかったら、気を遣わせてしまう。これは、形式的な問答を通した、押し付けではないのか。


「もしかしたら拒絶されるかもしれない」という恐怖感、そして「既存の輪の連中に気を使わしているかもしれない」という不安感が「いーれーてー」には潜んでいる。
「そんなの潜んでねえよ!」といった顔しながらそれらを飛び越え、「いーれーてー」は私の口からハイジャンプのように発せられていたと思う。


キーキャーやかましい焼き肉屋で、焼けた肉に箸を伸ばせぬまま、そんなことを思い出した。



2012-03-01

テーマ:人間とマイン
雪が結構積もっており、雪が結構降っていた。サクサク歩いて移動している途中の細い道路脇で、廃材を載せたトラックが全く動けなくなっていた。
私と同年代くらいのドライバーとそのマッチョパートナーが気になりつつも、「大丈夫かなあ」と思うのみで、先を急いだ。

用事を済ませ、戻る途中、30分近く経過しているのに同じ位置で同じように難儀している同じトラック、同じ兄ちゃんたちを見つけた。急いでいたため「面倒くさいことになるかなあ」と思いつつも声をかけた。

「手伝いましょうか。」
「あ、すみません、お願いします!」
「これはキツいですね。」
「ほんと急いでるんですけどどうしようもなくて!」
「後ろから押してみましょう、いきますよ、いちにのさん!」
「あーダメですね(笑) もう一回お願いします」
「じゃあいきますよ! うーーん」
ギャギャギャギャ
「うーーーん」
「あーーよかった! ありがとうございます!」
「いえいえ、まさか本当に動くとは思いませんでした(笑) 実はさっきココを通り過ぎたんですよ。気になってたんですけど何もせずすみませんでした」
「いえ、助かりましたよ! 今から○○まで行かなきゃいけなくて、本当助かりました!」
「まだ降ってますし、気をつけてくださいね。こんなんで○○まで辿り着けるんですか?(笑)」
「いやーとりあえず行くだけです!(笑) 本当にありがとうございました、ご恩は忘れません!」
「忘れていいすよ、気をつけてくださいね!(笑)」


こんなだった。嬉しかったから、書き留めておこうと思う。



2012-02-01

ルーティンワーク

テーマ:人間とマイン
電車に乗り込み、空席を見つけ、ほっと座っていたところ、次の駅で同じ車両に乗って来、キョロキョロしながら私の隣にのっしり座った白人のオッサンの体はマーベラスなデカさであり、その大きさと窮屈さにただ驚いているうちに、その次の駅で同じドアから老夫婦が乗ってきた。

開放感とともに席を立ち、さり気なく席を譲ってみたところ、隣のオッサンもそそくさと席を立ち、少し離れたところから私に「アア!」という口でにこやかに顔を上下させた。


愛想良く目配せする彼に向かって少しおどけた表情をするに留めたが、やはりなんとなく嬉しく、彼をおんぼろ居酒屋に連れて行き、ファミリーの写真を見せられ、「アメリカに残して来たんだ、中々会えなくて寂しいよ」としょげて見せる彼を朗らかに慰める、といった妄想を楽しんだ。

しばらくして彼は普通に電車を降り、私は妄想と電車内に取り残された。こんなもんだと思う。




2012-01-01

趣味

テーマ:人間とマイン
趣味が欲しい、そう思った私は「彫刻家になろう、でも作品は売らないでおこう。所詮趣味なんだから欲しいっていうひとが居たら格安で譲ればいいし、タダでも良いな、ボクの作品を好きだと思ってくれること自体がありがたいよな」と、デパートでピカピカしてる彫刻刀と、木材をひとつ買った。この木の中には、これから私が生み出す生命が宿っており、それを取り出すのが私の仕事なのだと思った。


家に帰り、木材に彫刻刀を刺そうとするも、刃が通らなかった。驚き、他の彫刻刀で削ろうとするも木はもの凄く硬く、「カリカリ」としかその周りを削れなかった。


以上が彫刻家への夢を諦めた理由だ。あの木のせいで、無趣味が続いているのだと思う。今年は趣味ができればと思う。






2011-11-26

正義

テーマ:人間とマイン
最近、「アンパンマン」が気になる。「アンパンマンの気になり方100選」はこれまでの人生において把握しておるつもりだが、今はそのうちの「正義とは」という点において気になっておるようだ。

「正義」といえば「あんたはあんた、俺は俺! レッツ正義、さあ来い!」という、「ファースト・ガンダムはそこがイイんだよね!」になりそうだが、アンパンマンさんに関しては「自分の頭を喰わせます」といったところが気になるのである。


やなせたかしはインタビューでこのことに触れておるようだ。レッツ正義である戦争における唯一の正義はひもじい子どもにパンを分け与える行為であると。

ここでもなお、「パンを施しその子どもの生を存えさせる行為すらそもそも」とうんたらかんたらなのであろうが、私にはよく分からない。

よって「ボクは大きくなったらアンパンマンになりたい」と、大きくなってしまった今を上手に隠蔽したうえで小さい頃の私には思いもよらなかった新たな人生における決意のみを記し、ここは筆を置こうと思う。「頭を喰わせる」という物凄い自己犠牲にも負けずにありたいと思う。





2011-11-17

相対性理論

テーマ:人間とマイン
最近の日曜日、私はおとなしい。月曜日を誤魔化そうと軽く飲みに出る夜もあるが、日中の外出はせいぜい近所のスーパー。「あ、ニラが安い。ハッピー。」で済んでしまう休日だ。


――天気の良い休日、ニラが安くてハッピー。これは、アンハッピーではないか。



自身のアンハッピー性を自覚した私は、久方ぶりに街へ繰り出すことにした。街に特段用事は無い。

「まだ行けんじゃねえか」という程度のお洒落をし、電車に乗る。街に着き、ギャラリーや懐かしい店、書店を巡り、カフェでビールを飲みながら一服。購入した写真集を眺める。

煙草をくゆらしながら、ふと、ガラスに映る自分と目が合う。――まだ行けんじゃねえか。


その安堵を抱き、電車に乗り、自宅の最寄り駅へ到着。駅前のスーパーに寄るもニラを買うのを忘れる(ニラが好きです)。
家に到着。やきそばを作る。ニラは入っていないが、美味い。


写真集はその後一度も開いていない。来週の日曜日はニラを買いに近所のスーパーに行くのだと思う。



2011-11-02

everything I do is a balloon

テーマ:人間とマイン
普段、高速道路を走ることはない。車に、普段乗らないからだ。

タマに高速道路を走ると、ドキドキしますな。合流でぐわーってスピード上げるところなぞ、カオでは「冷静ですよ」を装いながらも内心「トンデモねえ、いいのかしら」と不安になる。私のようなちっぽけな存在がコントロールして良いスピードがこれほどまでで良いのかと感じる。分不相応な行為に思えてしまう。

昔、車はスピードを上げ過ぎると「分不相応ですよ」つって「キンコーン キンコーン」と教えてくれた。高速道路を走ることが多かったのだろうか、幼い頃乗せられていた車はしょっちゅう「キンコーン」と鳴っていた。
どんな状況だったのかは覚えていない。しかし、「キンコーン」のかもし出すあの緊張感は独特だった。


最近の車は「キンコーン」と鳴らない。高速道路を普段走ることはないが(普段車に乗らないからだ)、日常での「キンコーン」が欲しく思う。「キンコーン」と鳴るから安心して「キンコーン」を無視できるのだと思う。




2011-07-18

優しさについて

テーマ:人間とマイン
風邪を引いて、寝込んでいます。夏風邪だからでしょうか、とても辛いです。まさしく「咳をしても一人」、看てくれるひともおらず、独りで寝込んでいると、辛さは倍増するものです。


昨晩、飲みの約束をしていた後輩に、「風邪を引いて寝込んでいる、俺キャンセルな」とメールを送りましたところ、「了解しました!^□^」と返信が来、しばらくして「風邪には野菜をたっぷり入れたリゾットが良いです! あと良質なタンパクを…、ビタミンCは…、」といった、「ボクのオススメ栄養満点レシピ」を山ほど送ってきやがりました。

微笑ましくもある、この種の無邪気な善意は、普段の私でしたら「サンキュー! お前も夏風邪、気をつけるんだゾ!^□^」てなもんで許容することも易いのでありますが、昨晩はあまりの辛さ故、(恥ずかしながら!)彼に殺意しか芽生えず、「阿呆か貴様! それらの素晴らしいお食事をどちら様が作るのだ、おう?」と感情任せに返信しようと思うに至ったのでありましたが、しかしながらこれは「後輩の優しさに対してそれは酷かろう」と諭される類の感情であることも自覚しておりますため、ぐっと一息に殺意を飲み込み、何も了解せぬまま「了解!^□^」と返すことのできた、大人な私でございました。


そして本日、丸一日寝込めども快方に向かわず、横になり、咳き込みながらただただ「CCレモン」を飲み続ける私に、先程後輩は、「チョーキレイです!この素晴らしい景色を見て早く元気になってください!」と、デート中の写メを送ってきやがりました。

微笑ましくもある、この種の無邪気な善意に対し、私は今、布団の中独りアイスノンを抱きながら、「やはりどうしてくれよう」と思案しているところなのでございます。





2011-07-09

メールさん

テーマ:人間とマイン
私は未だにメールに慣れない。特に携帯のメールに慣れない。特に女性相手の携帯のメールに、慣れない。
我ながら「いまどきそんな」とも思うのだが、メールなやり取りにおいて、ほぼ私はモヤモヤしている。そのやり取りにおいて私がほぼモヤモヤしていることを、先方にもご理解いただきたいと強く思う。


絵文字なメールが届くと、絵文字を使用して返信するべきか、どこでメールを終わらせたら良いのか、失礼はなかったのか、私はかなりの時間を悩む。届く文面の多角的な解釈に、かなりがんばる――このシンプルな文面と絵文字たちの裏にはどんなメッセージが隠されているのか。

特にあのピンクの奴、^□^←こいつの笑顔の裏には必ず何かが隠されている。あらゆる相手からのメールにしょっちゅう登場する^□^こいつのせいで、私はなんだか^□^こいつとメールをしている気になってしまっている。

知人の男性(飲み屋で知り合った60代の社長さん、怖い)からたまに届く飲みの誘いメールが^□^こいつのバリエーションに満ち溢れとてもラヴリーであり、「これは僕も^□^こいつを使ってお返事を書かねばいけないのではないか。そして怖い。」と思い、先日^□^こいつ一派の使用を解禁した。ようやく私も、^□^こいつになったところだ。


2011-06-28

ママ4

テーマ:人間とマイン
最近私は、週末に予定を入れることを躊躇っている。いつ何時唐突に訪れるやもしれぬ運命的な出会い(スペシャルナイトウィズスペシャルガール(ズ))に、備えておかなければならないのだ。世の女性たちよ、どうか許して欲しい。

その結果、近所の小料理屋で一人寂しく焼酎を飲み、ママと二人でせっせと千羽鶴を折る週末を送っている私だ。折鶴なら任せて欲しい。


協力的な私に対し、ママはメタレヴェルから「そんなんだから駄目なのよー」と説教してくる。あんまりだと思う。
微笑むママに反論できぬまま、「私は何故こうなのだろう、来たくないのに」と焼酎が進む。そんなオブジェクトレヴェルな週末だ。


思えば子どもの頃から「遊ぶ約束」が苦手だった。
「遊ぶ約束」に届く日が楽しみで待ち切れなくなる。その日までに起きるであろう事柄の味が落ちてしまう。そしてその「遊ぶ約束」が終わってしまうと夏至を過ぎた気分になり、ぽつねんと「楽しかったあのとき」を反芻し「おえっ」となるのである。


時間と「今の自分」が有限だからこそ遊ぶ約束は大事になる。予定と予定に挟まれた時間はただの隙間なのだろう。
しかし私はその隙間にこそ何かが隠されていると思ってしまう。結果、隙間だらけな日常だと言ってよい(言わなくてもよい)。


ママは月曜日と火曜日(定休日)以外、毎日店に居る。ママは隙間だろうがなんだろうが会うことができる。
相変わらず店には通いたくない。そろそろゴキブリの季節も到来する。今年の対策はどうしようと頭を痛めている隙間だ。





Amebaおすすめキーワード

    1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>