1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2017年03月22日(水)

君たちに石を投げる資格はあるのか?

テーマ:報道

 読売新聞が、


++++++++++++++++
 DeNAサイト 情報を発信する責任は重い

 利益に目を奪われて、記事発信の原則を 蔑ろにした代償は大きい。
 IT企業ディー・エヌ・エー(DeNA)のまとめサイト問題で、弁護士で構成する第三者委員会が調査報告書を公表した。
 37万件を超える記事から400件を抽出して調べた結果、全体で最大5・6%の記事に著作権侵害の可能性があったという。画像についても、全体の16%に当たる約75万点に侵害の疑いがある。
 著作者保護の意識が欠如していると言うほかない。問題発覚後の昨年12月に、DeNAが全10サイトを休止したのは、当然だ。
 サイト開設に伴う巨額の投資だけでなく、利用者からの信頼も失ったと言えよう。
 報告書で注目すべきは、DeNAのまとめサイトについて、「プラットフォームではなくメディアだ」と判断した点である。サイトは一般利用者の投稿の場である「プラットフォーム」だ、というDeNAの主張を否定した。
 多くのサイトでは、投稿の占める割合は5%以下で、ほとんどは、DeNAが企画、執筆に関わる記事だった。それを考えれば、報告書の見解はうなずける。
 DeNAがプラットフォームだと主張すること自体、内容に関して責任を負うのを回避しようという意図の表れだ。
 メディアである以上、記事には法的、社会的な責任が伴う。記事を公開する際には、正確性や公正性への細心の配慮が不可欠だ。
 DeNAの実態は、それとはほど遠いものだった。医療系サイトの「ウェルク」では、専門知識を有する編集者はおらず、医療関係者らの監修も経ていなかった。
 参照先の文章を丸ごとコピーしたり、原文の単語や表現を変えたりしただけの記事も多かった。
 サイトの製作現場は、閲覧数を伸ばして、広告収入を増大させることに追われていたという。第三者委の弁護士は「数値偏重から公正な稼ぎ方に変えるべきだ」と戒めた。もっともな指摘だ。
 DeNAは、守安功社長の役員報酬を半年にわたって50%減額するなど、関係者30人の処分を決めた。日本を代表するIT企業の一つであるDeNAは、抜本的な意識改革を避けて通れまい。
 ネット上の情報を集めるまとめサイトは、著作権侵害の危険性と隣り合わせだ。他社でも同様の問題が生じている。一部のサイトを閉鎖した運営企業もある。
 業界全体で、サイトの健全化に努めなければならない。
 読売新聞 03月17日 06:02

++++++++++++++++

 こんな社説を書いていた。


 長いものだが、「何が書かれていて何が書かれていないか」を知ってもらうために全文掲載させていただいた。これは著作権法における「引用」というものである。
 この引用では勘違いして「文章の量の多寡」が問題だと思っている人もいるようだが、問題になるのはあくまで構成上の「主」と「従」である。
 ブログの中にはいまだに新聞の記事だけをコピーして貼ったものなどもあるが、ああいうものは完全に著作権法に違反しているのでネットのリソース整理のためにも、運用者は何とかすべきだと思うが。

 著作権法というのはそういうもので、このDeNAのサイトは、行ってみればその「記事コピペだけをしているブログ」と同じことをしていたのだから、会社としてもきちんと片を付けておかなくてはならない案件だろう。

 だが、読売新聞が「重い」としたその「情報を発信する責任」というところにピントを合わせるならば、彼らはこの社説を書く二日前に、


++++++++++++++++
 読売記者、福島・楢葉町長の談話を捏造 他紙参考に作成

 読売新聞グループ本社は、同紙に掲載した福島県楢葉町の松本幸英町長の発言を巡る記事で、いわき支局の男性記者(25)が町などに内容を確認しないまま 記事を書き、町長の談話を捏造(ねつぞう)していたとして、15日付朝刊におわび記事を掲載した。談話部分を削除し、記者を懲戒処分するとしている。
 同社によると、記者が談話を捏造したのは、一部地域の7日付夕刊、8日付朝刊で掲載された「帰還しない職員 昇格・昇給なし 楢葉町長」という記事。東京電力福島第一原発事故による避難指示が2015年9月に解除された楢葉町の松本町長が昨年11月の庁議などで「避難先から帰還しない職員は昇格・昇給させないようにする」との趣旨の発言をしたという内容だった。
 
記者は、7日付の他紙の朝刊に掲載された記事を参考に、町や町長などに取材しないで記事を書いた。町長が7日の読売新聞記者の取材に答えた内容として 「(発言は)町職員が率先して帰還する姿勢を示すべきだという思いからだった。今後については改めて協議したい」とする談話も掲載していた。記者は社内調査に対し「締め切りが迫る中、取材しないまま安易に書いてしまった」と説明したという。同社はおわび記事で「記者教育を徹底して再発防止に取り組み、信頼回復に努めます」としている。
 楢葉町によると、町側がウェブサイトに掲載された記事の談話に疑問を持ち、同社側に問い合わせたという。同町は「誠に遺憾。震災以降、マスコミとは互いに信頼や協力のもと取材対応をしてきた。その信頼を失い、被災地から発信される情報の信憑(しんぴょう)性へも影響しかねない」などとするコメントを出し た。
 朝日新聞デジタル 3/15(水) 11:03



 <読売新聞記者>談話捏造、楢葉町長を取材せず…おわび掲載

(読売新聞に掲載された「おわび」)

 読売新聞は、福島第1原発事故に伴う避難指示が一昨年9月に解除された福島県楢葉町の松本幸英町長が、町に帰還しない職員は昇格・昇給させないとの趣旨の発言をしていたとする記事について、同県・いわき支局の男性記者(25)が内容を確認せずに他紙の記事を後追いして執筆したとして15日朝刊におわびを掲載した。記事中の松本町長の談話も捏造(ねつぞう)だった。読売新聞グループ本社は、記者の懲戒処分を行うとしている。
 読売新聞によると、問題の記事は7日夕刊と8日の朝刊一部地域に掲載。男性記者は7日朝刊で発言を報じた他紙を参考に執筆し、松本町長の「(発言は)町職員が率先して帰還する姿勢を示すべきだという思いからだった。今後については改めて協議したい」との談話は本人に取材していなかった。
 おわびには「本社は重大な記者倫理違反と認識しており、関係者、読者のみなさまにおわび致します」とのコメントを掲載、談話を削除した。男性記者は「締め切りが迫る中、取材しないまま安易に書いてしまった」と話しているという。
 
楢葉町によると、記者が取材に来ていないのに記事がインターネットに掲載されていたため、問い合わせたという。【乾達】
 毎日新聞 3/15(水) 11:41

++++++++++++++++

 こういう事件を起こしているのだ。

「情報を発信する責任の重み」と題するならば、このことにも触れてしかるべきではないだろうか?

 しかもこの件で読売は「記者を処罰」「捏造部分の削除」だけで話を終わらせようとしている。

 この読売の事件を伝えている朝日新聞もかつて「吉田調書」で現場にまったく取材をしないまま「記者が机の前の思い込み」で一大キャンペーンを張ったことがあった。(2014/09/12の記事、「『批判のあり方』についてメディアは何を知るだろう?」参照)
 その時には「慰安婦問題」の話とも絡んで、社長が交代するということにまでなった(そのわりには、いまだに朝日は「慰安婦問題」では韓国側に立って嘘を支持しているが)というのに、読売の責任の取り方はこんな社説を書く社にふさわしいといえるのだろうか。


毎日新聞も以前福島のダム湖の湖底のセシウム地で捏造記事を書いたことがあった(2016/10/14の記事、「読者が裏取りしなくてはならない『報道』なんて……」参照)し、産経が軍事話の中にちょくちょく「政治的意図での歪曲」を混ぜてくるのも、関係者の間では白い目で見られていること。
いや、それ以前に(2016/10/14の記事、読者が裏取りしなくてはならない「報道」なんて……)で指摘したように、日本のマスメディアは事実報道の後に記者の感想を入れて「方向を誘導する」ことが実に多い。
まあ、考えようによってはそれは「この会社はこういうことに従っているのだな」ということが目に見えやすくなっているわけで、(2007/05/11の記事、人の心は保守本流)で書いたNHKの「米兵の犯罪」の後に「米軍基地返還運動」の話を持ってきて印象操作するようなやり方よりはよほどいいともいえるのだが、それでも、報道が本来持つ役目という意味では、好ましいものではない。


 昨日も書いたように「石原叩き」で韓国型ポピュリズムをあおっているようなメディアが、消費税増税論議の時には「民主主義のなんたらびっくり」といって「他の商品が上がっても自分田地だけは軽減税率を認めろ!」と騒ぎ、認めさせたのである。
「情報を発信する責任の重さ」を掲げて上から目線で他社を非難する読売新聞は、今の新聞業界の体たらくを見て、何も思わないのだろうか?



 本日の迷彩。


++++++++++++++++
 指紋の盗撮を防げ 技術改良で「ピースサイン」も違和感なく 国立情報学研究所が発表


(写真、産経新聞より。国立情報学研究所が改良した指紋盗撮防止技術)

 国立情報学研究所の越前功教授らは17日、画像などに写った指から指紋を偽造されるのを防ぐ「バイオメトリックジャマー」技術を改良したと発表した。20日からドイツのハノーバーで開催される国際見本市「セビット」で公開する。
 越前教授らは、ネットなどにアップした画像から指紋を復元して不正なアクセスがされないように指の表面をマスクする技術を世界で初めて開発済み。マスクを装着していても、スマートフォンやマンションのロック解除の際にはセンサーが認識できる素材を使っているのが特徴だ。
 従来公表していた技術は、指紋の特徴を隠すために幾何学的パターンを利用しており、指の表面にマスクを付けているのが明らかで写真に写ったときに違和感があった。
 改良技術は、疑似指紋パターンを使用することで自分の指紋の特徴を隠す。2種類の指紋が重なったように見えるが、近づいて見ないとほとんど分からないため、これならば自撮りのときやレンズを向けられたときも自然にピースサインができそうだ。
 さらに従来の技術では、指先にベース素材を塗布したあとに幾何学パターンを重ね塗りする手間が必要だったが、1回で塗布できるように使い勝手も改善した。
 産経新聞 3/17(金) 16:48

++++++++++++++++

 以前「監視カメラで顔がわからないようにする」眼鏡を開発していたところがあった。
 それはつけているととても怪しいもので、逆に目立ってしょうがないものだったが……こちらは、う~ん。
 家を出る際にはいちいちこんなものを貼らなければならない社会になるのは嫌だなぁ。
 この技術を悪用して入国の際の指紋判別をすり抜けようとする輩も出てくるだろうし。


 逆に今のカメラが搭載している「顔認証」技術を進化させて、カメラ側で「指先の画像は自動的に加工する」ようなものを搭載義務付けさせるほうが手っ取り早いのではないかという気がしてならない。



 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2017年03月19日(日)

「勝った」のは誰かな?

テーマ:報道

++++++++++++++++
 <東海地震>「ひずみ計」データ即時公開…気象庁検討


(図、毎日新聞より。ひずみ計のしくみ)

 東海地震の直前予知を目的に、気象庁などが静岡、愛知、長野県に設置している「ひずみ計」について、気象庁が観測データを迅速に公開する方向で検討を始めることが分かった。
 ひずみ計のデータは、東海地震に関する情報の発表基準に使われているが、これまで一部の関係機関を除いて地震研究者にもリアルタイムのデータは公開されていなかった。
 ひずみ計は、地下の岩盤の伸び縮みを観測する装置。小中学校にあるプールに水を満たし、直径1センチのビー玉を落とした時の水面の上昇を検出できるほど高い精度で変動を観測する。データは、地震研究者6人で構成する地震防災対策強化地域判定会が、東海地震の前兆かを判断する材料にしている。
 気象庁によると、研究者などを中心に過去にもデータ公開を求める声はあったが、データが「独り歩き」することなどを懸念し、公開を見送ってきた。しかし、南海トラフ巨大地震の予測可能性を検討する政府の有識者会議が昨秋、データの変化の状況などをリアルタイムで発表する必要性について指摘したことなどを受け、公開の方向で検討することになった。
 ただ、ひずみ計は高精度のため、潮の干満など不要な情報(ノイズ)を拾ってしまうこともある。このため、ノイズを取り除かないとデータの意味を誤解される懸念もあり、従来は処理済みのデータを月1回ペースで公開してきた。
 今後、観測したデータそのものを即時公開できるかどうかや、解説を付けて公開することなど、データの提示方法について検討していく考えだ。【飯田和樹】

◇「独り歩き」より信頼構築
 地震や火山の分野で観測データを公開する動きが進んでいる。気象庁は昨年12月、全国の火山の火山性地震の回数、噴煙の高さといった観測データのホームページ公開を開始。政府の地震調査研究推進本部でも、研究機関などが個別に管理してきた観測データの一元化と公開が議題に上がっている。
 観測データについては「加工していない生データは専門家しか理解できず、公開の必要はない」などの意見もある。しかし、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の上田英樹・火山観測管理室長は「専門家と社会との信頼関係を構築するためにもデータ公開は不可欠。さらに正確で分かりやすい説明をつける努力をすべきだ」と話す。
 静岡県庁で35年にわたって防災担当を務めた岩田孝仁・静岡大防災総合センター教授(防災学)も「行政や市民が日ごろから同じデータを見ていれば、危機感を共有しやすく、迅速な判断や行動につながる。データの変化と人々の行動との関連を分析して防災対策に生かすなど、研究の裾野が広がる可能性もある。公開は防災上とても重要だ」と指摘する。【飯田和樹】
 毎日新聞 2/19(日) 8:00

++++++++++++++++

 まったくといっていいほどニュースにならなかったが、先月気象庁がこんな「データ公開」の方針を決めた。

 拙ブログではhttp://ameblo.jp/statesgrow/entry-12165462474.html(2016/05/30の記事、素人にきちんと話せてこその専門家)などで「地震の予知はもう『何年前にあったから今度はこういう確率である』という『さいころを六回降ったら一回は六が出る』というギャンブルのような考えから、物理的に地盤の様子を観測してその「危険性」を測っていく科学に生まれ変わるべきだ」と主張してきたが、ようやくそのための土壌が整いつつある。
 上記エントリーで取り上げた記事に出てくる京都大防災研究所の西村卓也准教授のような人たちには、地震学の近代化に向けて頑張ってほしい。


 一方で気象庁が危惧するように「ノイズ」を拡大解釈して不安をあおる「学者面した扇動家」も出てくるだろうが、そちらの方は、社会がしっかり「ノイズフィルター」を実装していくしかない。



 さて、


++++++++++++++++
 <原発事故>「国と東電に過失」避難62人に賠償命令


(前橋地裁の判決を受け「一部勝訴」などと書かれた幕を掲げる弁護士=前橋市で2017年3月17日、徳野仁子撮影)

◇「津波予見できた」…前橋地裁
 東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民ら45世帯137人(うち3人は提訴後に死亡)が東電と国に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁は17日、東電と国に対し、原告62人に総額3855万円の支払いを命じた。原道子裁判長は「東電は2002年以降に敷地を超える津波を予見できたのに、対応を怠った。国が津波対策を命令しなかったことも著しく合理性を欠く」と指摘。原発事故を巡って国の賠償責任を初めて認め、東電の過失責任も事実上認めた。
 原発避難者らによる同様の集団訴訟は全国20地裁・支部で約1万2000人が起こしており、初めての判決だった。争点や証拠はほぼ共通しており、影響が広がることも予想される。
 第1原発は11年3月11日、高さ15.5メートルの大津波に襲われ、全ての電源を喪失し事故が発生した。判決はまず、政府の地震調査研究推進本部が02年、福島沖でも巨大な津波地震が起き得ると指摘した「長期評価」を「津波対策の上で考慮しなければならない合理的なものだった」と指摘。東電はこの数カ月後には非常用電源が浸水するような津波を予見でき、08年に最大15.7メートルと試算している点を挙げ「実際に予見もしていた」と認定した。
 また配電盤や非常用発電機を高所に設ければ事故は起きず、対策も容易だったとして「経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむを得ない。特に非難に値する」と批判した。
 国の責任については、07年に東電から津波対策に関しての記載がない耐震指針の中間報告を受けていたことを重視。「東電による自発的な対応は期待困難だった」とし、津波対策を命じなかったの>は違法とした。
 一方で判決は、原告側が「被害の実情を反映していない」と批判する原発賠償基準である国の「中間指針」について「賠償を迅速、公正に実現するために策定された」として一定の合理性を認めた。その上で、原告それぞれの事情を精査し、慰謝料の大部分は既に東電が支払い済みと判断。72人の請求を棄却し、慰謝料の上積みを認めた原告についても、1人当たり7万~350万円にとどめた。【尾崎修二】
 毎日新聞 3/17(金) 21:20

++++++++++++++++

 左系団体によって導かれているとしか思えない「福島訴訟」の一つで、地裁判決が出た。


 弁護士たちははしゃいで「びろーん」を掲げ、


++++++++++++++++
 <原発避難者訴訟>原告、笑顔なき勝訴…苦労報われず落胆

 笑顔なき「一部勝訴」だった。17日の原発避難者訴訟の判決で、前橋地裁は東京電力と国の賠償責任は認めたものの、命じられた賠償額は原告の請求からは程遠かった。古里を奪われた代償を求めて3年半。大半の原告が周囲に知られないように名前も伏せ、息をひそめるようにして闘ってきた。「もっと寄り添ってくれる判決を期待していたのに」。苦労が報われなかった原告の顔には落胆の表情が浮かんだ。【尾崎修二、山本有紀、鈴木敦子】

◇認定、137人の半分以下
「国と東電の責任を認めさせた。心からうれしいのは間違いない」。判決後の集会で壇上に立った原告の丹治(たんじ)杉江さん(60)はこう言った後、言葉に詰まった。「この6年間つらいことばかりだった。納得できるかな……」
 原発事故当時、福島県いわき市に住んでいた。夫の幹夫さん(63)はワープロ修理業を営み全国から注文を受けていたが、事故後、「福島にワープロを送るのは……」と敬遠され、注文が激減した。
(中略)
 国の指針に基づくと、自主避難の場合、東電からの慰謝料は生活費との合算で総額8万円。原告たちを突き動かしてきたのは「ふるさとを奪われた苦しみへの賠償が不十分」という思いだったが、判決で賠償が認められたのは原告の半分以下の62人だけだった。
「もっと温かい判決を期待していたのに」。喪服姿で傍聴した原告の50代女性は、判決の内容を知って肩を落とした。いわき市で暮らしていたが、事故の影響でパート勤めしていた会社が業績不振に陥り、解雇された。
 被ばくへの不安もあり、夫と共に群馬県へ避難したのは2カ月後。翌年、県の借り上げアパートに入居できて生活が落ち着いた後に夫が悪性脳腫瘍で倒れ、14年秋に52歳で帰らぬ人となった。
 いまだに働く元気も出ない。頼りは貯金と夫の遺族年金だけ。今月末には福島県による住宅補助も打ち切られる。地裁が認めた賠償額は「想像できないぐらい低い額」だった。この6年間の苦しみは何だったのか。「これでは主人にも報告できない」。女性はそう言って涙をぬぐった。
◇「国と東電が断罪された」福島訴訟の原告
 前橋地裁は、各地で起こされている同様な原発避難者訴訟の中で最初に判決を言い渡した。各地で同様の訴訟を起こしている原告や弁護団も17日は前橋市を訪れて見守った。
 福島県いわき市の訴訟の原告で、「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」の佐藤三男事務局長(72)は「国と東電が断罪された。両者の責任が明らかになったことは大きい」と話しつつ、「私たちの被害の実態や苦しみが分かっていないのではないか。お金のために裁判をやっているのではないが、損害認定には納得できない」と不満をもらした。【杉直樹】
(中略)
 毎日新聞 3/17(金) 21:20



 6年の苦労こんなものか…原発避難訴訟、不本意な原告も

 国と東京電力は、ともに津波を予見できた――。原発事故後、福島県から群馬県に避難した住民たちが起こした訴訟で、前橋地裁は17日、国と東電の責任を認める初めての判断を示した。震災から6年。全国で避難生活を続ける住民に力を与える「画期的な判決」となったが、半数以上の原告の賠償請求は棄却され、悔しがる原告もいた。
 判決後、群馬県教育会館で開かれた原告団集会では、全国各地の弁護士たちから喜びの声が上がった。
「全国から注目されているなか、国の責任を認めたこの判決の意義は大きい。おめでとうございます」
 支援者や原告らでほぼ満員となった会場から、拍手が次々とわき起こった。
 ただ、約15億円の請求に対して、認められたのは約3800万円。慰謝料の大半は、国の指針に基づいて東電から払われた賠償金により、相殺されると判断されたためだ。素直に喜べない原告も多く、集会で登壇した3人の原告からは、「不本意だ」「弱い立場の声は聞いてもらえない」「額については再度考えたい」といった後ろ向きな言葉が続いた。
 集会でじっと目をつぶっていた松田健宏(まつたたけひろ)さん(37)は、福島県郡山市から群馬県高崎市に避難してきた。避難指示区域には含まれていない自主避難者だ。
 震災から約1年後、家族で高崎市へ避難することを決めた。警備会社を辞め、看護師の妻も病院を退職した。松田さんはアルバイトをしながら看護学校に通い、看護師をめざした。妻は新しい職場になじめず、体調を崩して仕事を辞めた。松田さんも試験が間近に迫ってバイトを辞めたため、夫婦で多い時は20万円ほどあった収入が昨年11月ごろからゼロになった。
 心ない言葉も浴びせられた。避難してから数日後、自宅前を通りかかった子どもが、福島ナンバーの車を見て「原発が来てる」と叫んだ。2014年冬には、車のフロントガラスに「福島に帰れ」と書かれた紙が挟まっていたという。
 自主避難を理由に東電による賠償はほとんどない。判決で認められた額は夫妻で数十万円。長男の請求は棄却された。「苦労してきた6年間はこんなものだったのか」と悔しがった。(角詠之)
 朝日新聞デジタル 3/17(金) 23:58

++++++++++++++++

 原告団はいつものように文句を言い、新聞は嬉々として、


++++++++++++++++
 原発賠償判決 国と東電への警告だ

 東京電力はもちろん、国の原子力行政に厳しく反省を迫り、自覚を促す判決だ。
 福島第一原発の事故で避難生活を余儀なくされた住民が、東電と国に賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁は両者の責任を認める判決を言い渡した。
 根底に流れるのは、事故が起きれば甚大な被害をもたらす原発を「国策民営」で推進してきた以上、事業者も国もそうした事態を招かないようにする、極めて重い義務を負うという考えだ。うなずく人は多いだろう。
 一方で、刑事と民事の違いはあるが、東電の元幹部について検察が2度にわたって不起訴にした末に検察審査会が強制起訴の議決をするなど、事故をめぐる法的評価は定まっていない。
 今回と同じような集団訴訟は各地の地裁に起こされている。救済すべき住民の範囲や金額もふくめ、今後の裁判例の集積を注視する必要がある。
 判決を聞いて改めて思うのは、3・11前に関係者全体を覆っていた「慢心」である。
 地裁は、東電は遅くとも02年には大津波を予測できたのに簡便な対策さえ怠った、そして国は必要な措置をとるよう東電に命じるべきだったと指摘した。判決には「経済合理性を安全性に優先させた」「国の不合理な態度も東電と同様の非難に値する」といった苦言が並ぶ。
(中略)
 安倍首相はことしの東日本大震災の追悼式の式辞で、「原発事故」の言葉を使わなかった。だが、掘り下げるべき課題は、たくさん残ったままである。
 朝日新聞デジタル 社説 2017年3月19日

++++++++++++++++

「国を断罪だ!」という社説を書くが……とりあえず、大川小のものでもそうだったが、この手の裁判で「予想ができたはずだ」という文言を判決理由の中に入れるのはやめにしないか?
 津波が予想できようができまいが、発電機の管理に失敗して冷却機能を失わせたのは間違いないのだから、東電の責任というところはそれで充分に問えるはずである。

 こういうものは「今は知っている」人間が神になったつもりで過去を罵るもので、まったく建設的ではない。
「○○のはずだ」というのならば「いや、××という可能性もある」という水掛け論になってしまうだけ。冒頭にも書いたように、津波や地震に関する地学というのはまだしっかりとした再現性のある「科学」の分野には立っていないのだ。「昔あったから今度もあるはずだ」というのはただ経験則を語っているだけで、そういうものを経営や政策の立脚点にするのでは、かつてレーガン米大統領が夫人の星占いで政策を決めていたという噂を実行するのと変わりがない。


 とはいえ今回の判決、朝日新聞などは大喜びで「勝った勝った」とはしゃいでいるようだが、きちんと見ていくと、彼らの今後のためにはならない判断がいくつも入っていることがわかるだろう。

 その一つが、福島の事故の要因を地震ではなく「冷却機能の損失」だと認めた点である。
関西や四国の方では「地震の基準振動がなんたら」で原子炉を停めようという訴訟が起こされ、判事にも「規制委が決めた数値ではなんたら」というものがいるようだが、福島の事故は地震が直接的な原因ではない」という判決が出たのだから、この手の「地震がー福島の検証がー」というやり方で訴訟を進めていくと、この判決理由と齟齬が出ることになるし、そうなれば上級審ではどういう「整合性取り」が行われることになるだろうか。


 もう一つが、「認定、137人の半分以下」というところ。
 記事では「慰謝料の大半は、国の指針に基づいて東電から払われた賠償金により、相殺されると判断されたため」と書かれているが、「原告は避難指示区域からの避難者が6割、自主避難者が4割」(毎日新聞 3/17(金) 15:11配信 「<原発避難者訴訟>東電と国に賠償命じる 前橋地裁」より)というその「自主避難者が4割」は、この「認められた」中にどれぐらい入っているのだろうか?
 これがきちんと「線引き」されているのならば、朝日や毎日のような「いわき市」や「郡山市」からの引っ越し者を「悲劇のヒーロー」のように取り上げる記事はもう書けなくなる。

 あの地震の後、水戸からも西日本に引っ越していった人もいる。東京から沖縄に行った人も、以前ニュースに出ていたこともある。確か当時は「静岡から~」という話もあったように記憶している。
 こういう人は「自主避難者」と呼んでいいのだろうか? 「いや、それはちょっと」というのならば、どこでその線引きをするべきか。
 ここはやはり、政府が非難区域だと決めたか否かというところだろう。

 朝日新聞はそれ以外の区域から引っ越した人を連れてきた上で、「自宅前を通りかかった子どもが、福島ナンバーの車を見て『原発が来てる』と叫んだ」と書いているが、「放射能が来る!」という見出しをでかでかと表紙に書いた本を書店やコンビニに並べたのは、いったいどこの会社だったか
 そういうことをしながら、こういう人物を「被害者」扱いし、政府バッシングをしているような「クズ」を排除するためにも、今回の判決で補償が認められる人と認められない人に線引きをしたのは大きい。
 彼らの「コマ」を分断し、「汚染されたフクシマ」という反核活動家が必要とする虚構を潰していくことは、彼らが「俺は正義」であるうぬぼれに使う「放射能いじめ」をなくすことにもつながるだろう。
(それにしても、「判決を聞いて改めて思うのは、3・11前に関係者全体を覆っていた『慢心』である」とはひどい言いぐさだ。以前にも書いたように、私の知り合いには「防護服を着て原子炉の下に入ってボルトを締める仕事をしていた」人間いるが、そういう現場の人間の話をきちんと聞いていれば、「慢心」などという感想は絶対に出てこない。これは現場から離れたデスクの前にいる人間が頭の中で悪感情を増幅させているだけのものだ)


 原裁判長は、結構いい仕事をしてくれた。

 それだけに「過去を知った神目線」は残念である。


 本日のキッス。


++++++++++++++++
 〝赤い口紅塗った唇〟見ごろ 京都府立植物園


(写真、産経新聞より。口紅を塗った唇のように赤くなったサイコトリア・ペピギアナ=京都市左京区)

 赤い口紅を塗った唇のような姿から「ホット・リップス(熱い唇)」などと呼ばれる植物が、京都府立植物園(京都市左京区)で見頃を迎えた。国内で鑑賞できるのは珍しいという。
 コロンビアやコスタリカなど中南米原産のアカネ科の植物「サイコトリア・ペピギアナ」。開花時期に唇のような形をした苞(ほう)が緑色から濃い赤色に変化する。「ホット・リップス(熱い唇)」「キス・オブ・ジャングル(ジャングルのキス)」とも呼ばれる。花粉を運ぶハチドリやチョウを引きつけるために、鮮やかな赤色と唇のような形に変化したとされる。
 同園では昨年5月から約10株の栽培を始め、今年初めて1株が色づいた。観覧温室で3月下旬まで楽しめる。問い合わせは同園((電)075・701・0141)。
 産経新聞 03月16日 09:34

++++++++++++++++

すごいタラコ唇だな。「口紅を塗った」というよりは「塗ったくった」といった方がいいような……(笑)。
 

花粉を運ぶハチドリやチョウを引きつけるために、鮮やかな赤色と唇のような形に変化したとされる」と記事にあるように、花の本来の役割からすれば、こういうのもありなのかも?





 

いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2017年03月10日(金)

NHKも「日付まで間違う」に名前を連ねている

テーマ:報道

 NHKニュース7を見ていたら、また「明日11日は東日本大震災と福島の事故から6年目」という大嘘が流されていた。
 毎年のように、そしてことあるごとにNHKはこの嘘を流し、視聴者に刷り込んでくる。
 何度も書いているように、福島第一原子力発電所が事故を起こしたのは12日。この1日の差が事故の原因を知るためには大切なことであり、事故直後から書いているように、地震で原子炉は壊れなかったことの証でもある。
 福島の事故は、津波で冷却手段が失われたために「どんどん熱がこもっていったことが引き起こしたものであり、きちんとした対策が取られていたら防げたものである。だから私は初めからあの事故は人災だと書いているのだ。

 だというのに、公共放送が進んでそれを見えなくしようとする。
 地震当日に亡くなった人の多さやそのインパクトに合わせて「原発がー」とやりたいがために、事実を歪めているのだ。


 おかげで福島の事故の本質である「冷却機能の損失」というところが「地震がどうの」という話にすり替えられ、


++++++++++++++++
 大飯原発3、4号機「合格」判断=地震動評価、過小恐れのまま・規制委

 原子力規制委員会は22日、定例会合を開き、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働の前提となる審査に事実上合格したとの判断を示す審査書案を了承した。
 残っている別の審査や検査を早期に通過した場合、2基の原発は年内にも再稼働するが、耐震性で過小評価との指摘も出ている。
 審査書案が示されたのは計6原発12基となった。関電がこれまで申請した3原発7基全てで、事実上の合格判断が出たことになる。
 大飯原発をめぐっては、地震学者で元規制委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授が、想定する地震の揺れ(基準地震動)について過小評価の恐れがあると指摘していた。規制委は、島崎氏が求めていた政府の地震調査研究推進本部(地震本部)で用いられている手法での再計算を拒み、審査書案を作成した。
(後略)
 時事通信 2/22(水) 11:26

++++++++++++++++

 一人の「反核」地学者の話をまるで学会を二分するものであるかのように取り上げて不安をあおり、

++++++++++++++++

 大飯原発 不安がぬぐえていない

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が新規制基準に適合する、との審査書案を原子力規制委員会がまとめた。
 大飯3、4号機は、福井地裁が14年に運転を差し止める判決を出し、安全性に重大な疑問が投げかけられた。福井、京都、滋賀の3府県にまたがる30キロ圏には約16万人が暮らすが、事故時にスムーズに避難できるかという難題も残ったままだ。
 朝日新聞の今月の世論調査では、原発再稼働に57%が反対し、賛成のほぼ2倍だった。東京電力福島第一原発事故から来月で6年たつが、国民の不安はぬぐえていない。
 関電は3、4号機を早ければこの夏にも再稼働したいとするが、とうてい賛同しがたい。
 大飯原発の周辺には複数の断層がある。地裁判決が最も懸念したのは、想定を上回る地震が起き、原子炉や使用済み核燃料プールが壊れる恐れだった。
(後略)
 朝日新聞デジタル 社説 2017年2月23日

++++++++++++++++

「不安があるから原子力反対」という論陣を張るメディアが出、(2016/10/22の記事、頭を冷却する装置も整備しなければ)で取り上げた名古屋高裁金沢支部の判事のようなピンとずれのまま判決を出そうとするような人間も現れることになる。



 ヤフージャパンで配信されている、普段「嫌韓サイトのこれはフェイク」とやっているBuzzFeed Japanというサイトがある。
 創刊時の編集長が元朝日新聞編集部の人間で今でも朝日との関係が近いのか、最大の「フェイクニュース」である慰安婦問題のことを取り上げることをしないところでその政治姿勢が見えてしまっているところだが、そのサイトが、「なぜ福島デマが残り続けるのか? 専門家が勘違いしてたこと」という記事を書いていた。

 長い記事なので一部だけ引用して要約すると、


++++++++++++++++
 なぜ福島デマが残り続けるのか? 専門家が勘違いしてたこと

「福島県産の食品は実は危ない」「放射能がうつる」。原発事故から6年が経とうというのに、根拠のないデマはあとをたたない。なぜ起きるのか。専門家と住民のコミュニケーションのズレにその一因がある。【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

「放射能のはなし、難しくておぼえてない」
 リスクの伝え方を研究し、食品企業のコンサルティングなどを手がけてきた西澤真理子さん(48歳)はズレを経験した専門家のひとりだ。
 2011年9月、福島県飯舘村から「放射線リスクをどう村民に伝えたらいいか」のアドバイザーを務めてほしいと依頼された。
 西澤さんが主催し、放射線の専門家と住民の少人数の対話集会を開いた。
 福島市内にできた仮設住宅の一角。専門家は、飯舘村が直面している放射性物質のリスクについて、住民を素人扱いせず熱心に、かつわかりやすく話した。
 放射性物質は事故前に日常的に食べていたもの、例えばバナナやポテトチップスなどにも含まれていること。食品で気になることがあるなら、それらと比較して判断すればよいこと。
(中略)
 ところが2012年1月末、集会に参加した住民の感想を聞いて、西澤さんは愕然とする。
「先生、この前の話、全然おぼえてない」と子育て世代の女性は話しはじめた。
「バナナにも(放射性物質が)あるって言っていたから、娘にバナナ食べさせるのやめたんだ」
 比較のために、バナナの事例を出したが、バナナを食べないようにという話はしていない。  西澤さんはもう一度、女性に尋ねる。
「えー。あれだけメモとってたじゃないですか」
「うん、でもあとはラドン温泉の話くらいしか覚えていない」
「そうですか……。わからなかったこと、次に聞きたいことあります?」
「先生、放射能の話は難しいんだよね。なにを質問していいのか、わからないんですよ」
 専門家としては、住民の関心にあわせてわかりやすく説明したつもりだったが、住民は覚えていない。
(中略)
 ずれるコミュニケーションはデマにつながる
「住民が聞きたいことを引き出し、専門家が伝えたいこととすり合わせること。聞きたいことと、専門家が伝えたいことのミスマッチを可能な限り減らす場をつくること」
 これが西澤さんの教訓だ。そして、ミスマッチを放置してはいけないのは、いまだ福島を巡って繰り返されるニセ科学やデマの素地になっているからだ、と指摘する。
 人はどうしても、自分の仮説や信念に都合のいい情報ばかり集めてしまうバイアスがかかってしまう。
 前述したように、いちど専門家に不信感を持ってしまったら、人はどんな情報を集めるようになるか。
「事態が深刻だという人」の声を集め続けることになるだろう。
 
不安につけ込むように、インターネット上に大量に、危険を訴えるデマや誤情報も入ってくる。例えば「福島県産食品は実は危ない。子供たちに食べさせてはいけないのだ」。
 福島県産食品のデータを調べれば簡単に否定できる情報だが、よかれと思って善意から忠告する人もいる。
「科学的には正しいけど、結論を押しつけられて終わる。それなら『優しくて、温かいコミュニケーション』がとれるニセ科学、デマのほうが自分にマッチしているという人は残り続けます」
(中略)
 原発事故から6年目の現実だ。西澤さんはこう話す。
「説明したいだけ説明して、科学的結論に納得してもらう。これをリスクコミュニケーションだと思っている人もいる。これでは、単に結論を受け入れろと言っているだけです」
「普通の生活する人たちの『不安だ』という言葉の裏に何が隠れているか。現場で起きていたことから、学ばないといけないのです」
 BuzzFeed Japan 3/5(日) 10:46

++++++++++++++++

「専門家は科学的なデータで安全を言うばかりで、不安に思う気持ちに寄り添っていない」という話である。

 なんだかネットでいわれている「女は話をするときに同調を求めているから男とすれ違う」という話と相似形になっていて、これは「放射能デマ」に関する事例だけではないと思えてしまうだが、これもまた、「反原発」勢力がよく使う「安全と安心は違う」というすり替え論を肯定するものになっている。

 専門家がわかるような話をしないというのは、拙ブログでももんじゅ訴訟のころから何度も指摘していることであるが、一方でその話を聞く方も、事故からもう何年もたち。小学生でも高校を出るぐらいになっているのだから、話の基本を理解するぐらいの知識は持つべきだ。
「不安に寄り添ってくれる偽科学」に安易にいかないよう、不安のもとになっているものをきちんと見る。そういうことができる高等教育を、ほとんどの日本人は受けているはずではないか。
 

 NHKの番組で、


++++++++++++++++
 くわばたりえ「福島米食べてます、って言えない自分」 NHKで本音連発に複雑な反応

「なんか、『福島米食べてます』って言えない自分がいる」――。お笑いコンビ「クワバタオハラ」のくわばたりえさん(40)が漏らした福島産の食材に対する「本音」が、インターネット上で激しい賛否を広げている。
 くわばたさんは、東日本大震災による「風評被害」を特集した2017年3月8日放送の『あさイチ』(NHK総合)に生出演。検査で安全が保障されていると理解しつつも、福島産の米に「抵抗」を感じてしまうことについて、複雑な思いを吐露した。

■「みんな買ってないから、私も買わんとこって......」
 東日本大震災の発災から3月11日で満6年がくる。8日のあさイチでは「データで読み解く!東日本大震災から6年」と題した特集を放送した。これは、大震災が人々の身近な生活に与えた影響について、データをもとに振り返るという内容だ。
 その中では、東京電力福島原子力発電所の事故による福島産の食材をめぐる放射線の影響に関する「風評被害」が取り上げられた。実際、番組が紹介した東京都調布市のあるスーパーでは、震災前後で福島米の売上は4割ほど減ったという。さらに、JA福島みらいの担当者も番組の取材に、
「福島県という名前が出ていると、どうしても消費者が嫌ってしまう部分がある。スーパーなどの量販店には出しにくいので、業務用に回っているのが現状です」
 と話していた。
 福島県では2012年から、県産米の放射線量をチェックする全量全袋検査を実施している。14年収穫分からは食品衛生法上で定められた基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える米は出ておらず、15年収穫分では全体の99.99%が基準値の4分の1以下となる25ベクレル未満だった。
 このように「安全が保障されている」状況にも関わらず、福島米に「抵抗」を覚える消費者は少なくない。今回の「あさイチ」にゲスト出演したくわばたさんもその一人で、番組では、
「なんか、『福島米食べてます』って言えない自分がいる。この前スーパーに行ったとき、(福島産の米が)売ってたんです。ちょっと安く。でも、買わなかった。安全なのに」
 と切り出した。続けて、そのスーパーでは、他の米より値段が安い福島産の米があまり売れずに残っていたとして、
「みんな買ってないから、私も買わんとこっていうのがどこかにある」
 と実体験を交えて率直な思いを吐露した。
(後略)
 J-CASTニュース 3/9(木) 15:46

++++++++++++++++

 こんなやり取りがあったという。

 私はこの番組を見ていないのでこの後どういう展開になったのかわからず、くわばた氏に向かって何を言うこともしないが、記事にあるようなただ「不安を肯定」するだけで終わってしまっているのならば、これこそBuzzFeed Japanのいう「福島デマが残り続ける」大きな理由の一つといえる。

 ヤフージャパンのニュースページで配信されたこの記事や上のBuzzFeed Japanの記事につけられたコメントで「福島罵り」をやっているような人間の存在が、「デマ」が残り続け、それでいじめが起きる原因になっているのは誰が見ても明らかだろう。

「福島を叩くことで正義感に浸れている」と思い込んでいるような人間。それを煽っているのが、上で引用した「規制委はインチキ! 不安がー」と書く時事通信や朝日のようなメディアであり、事故の日付を改ざんして事実から目を背けさせるNHKなのだ。


 彼らは福島の事故を自己の「反核運動」に使っている勢力のためのお先棒担ぎをしているだけなのだから、いったい「ジャーナリズム」というのはなんなのだろう。



 本日の交代。

++++++++++++++++

 実物大ガンダムお疲れさま 次に立つのは…あのガンダム


(写真、朝日新聞デジタルより。多くのファンが見つめる中行われた実物大「ガンダム」立像のクロージングセレモニー=5日午後6時12分、東京都江東区、西畑志朗氏撮影)

 東京・お台場に立つ高さ18メートルの実物大「ガンダム」立像が5日、展示を終了し、「クロージングセレモニー」が行われた。ピアノ三重奏によるガンダムの代表曲の演奏などがあり、訪れたたくさんのファンが別れを惜しんでいた。
 立像は海外からも観光客が訪れるなど観光名所となっていた。今秋、同じ場所に実物大の「ユニコーンガンダム」立像が展示されると発表され、大きな歓声が上がった。「ユニコーンガンダム」は作家の福井晴敏さんによる小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」を元にしたアニメーション作品に登場する。(西畑志朗)
 朝日新聞デジタル 3/5(日) 20:39

++++++++++++++++

 ああー見に行く前に撤収されてしまったか。
 どうせならば数か月前から「ラストシューティング」させて徐々に解体していったらいいイベントにもなっただろうに。


 後釜は「ガンダムUC」?
 ここは「Zガンダム」にすべきじゃないのかなぁ。ユニコーンならばユニコーンモードからデストロイモードに変形しなくては見ている方もつまらないだろうし。
 逆に、それができるのならば「ものすごい人気アトラクション」になるぞ。Zの変形は今の科学力では無理だろうから(笑)。




 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2017年03月09日(木)

人にお金を払わないと 自分のところにもお金はこないよ

テーマ:報道

 どうにも身体の具合がよくならないなぁ。



++++++++++++++++
 公的年金の運用益10兆円超 株高で過去最高の黒字額に

 公的年金を市場で運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3日、昨年10~12月期に10兆4973億円の運用益があったと発表した。2001年に自主運用を始めて以来、四半期ベースで過去最高の黒字。世界的な株高となったことが影響した。
 昨年末の株高は、トランプ氏の米大統領就任が決まり、景気拡大への期待感が影響したとみられている。これまでの最高益は、アベノミクスによる影響とされる株高となった13年1~3月期の7兆6273億円。これを大幅に上回った。
 GPIFは14年10月から運用資産のうち株式の比率を50%に倍増させ、株価の影響を受けやすくなった。14年10月以降の通算成績は昨年4~6月期にマイナスに転じたが、今回の上積みで11兆7757億円の黒字と持ち直した。
 市場で自主運用を始めた01年以降の通算では53兆617億円の黒字で、15年6月末時点の53兆3826億円に次ぐ水準。資産総額は144兆8038億円と過去最高になった。
(後略)
(井上充昌)
 朝日新聞デジタル 3/3(金) 15:34

++++++++++++++++

(2016/11/26の記事、「自分のやったこと」を否定するならそのまま消えればいいのに)で取り上げた2016年7~9月期に続いて、10~12月期もGPIFは黒字を出し、累積の黒字も過去最高になったという。

 同機構が赤字になったときに「アベノミクスの失敗だ! 総理は退陣せよ!」と騒いでいた勢力は、大阪の問題をなんとしてでも安倍総理に結び付けようと印象操作に励んでいるおかげでまったく見向きもしないが、おかげで彼らの「底の浅さ」がよく見えてしまっているから馬鹿らしい話だ。

 ヤフージャパンで推進されたニュースのコメント欄には「赤字になったり黒字になったりするようなものなどけしからん」というものがあったが、ここまでくるともうただのいちゃもん付であろう。


 さて、経済といえば、


++++++++++++++++
 宅配便、27年ぶり値上げ=個人向け含め全面的に―ドライバー不足深刻・ヤマト運輸

 宅配便最大手のヤマト運輸は7日、宅配便の基本運賃について、個人向けを含め全面的な値上げを検討していることを明らかにした。インターネット通販の急増でドライバー不足が深刻になるなど、サービスの維持が困難になっている状況を打開するのが目的。基本運賃の全面的な値上げは、消費税の引き上げ時を除くと1990年以来、27年ぶりとなる。
 現在の基本運賃は、箱の3辺の長さが60センチ以内の荷物を関東から関西に送る場合で864円。バブル期の人件費高騰で90年に100円程度引き上げたのを最後に、基本料金には手を付けていなかった。
 今回の値上げ幅や時期はこれから詰めるが、新たな中期経営計画を公表する今秋までに値上げの詳細を固める見通しだ。
 大口の法人向けは、基本運賃から割引する形で決めており、2014年に全国規模で値上げを実施した。ヤマトは今回の値上げ検討と並行してアマゾンジャパン(東京)など法人顧客との料金改定交渉も進めている。
 料金面以外では、配達時間の見直しに着手。配達の時間帯を6区分から指定できるサービスのうち「12~14時」を廃止し、ドライバーらが昼食時間を確保できるようにする方向だ。
 また、仕事から帰宅後の受け取りが集中する「20~21時」は、ドライバーの負担が大きいため、「19~21時」への変更を含め、時間帯の組み替えも検討する。ただ、時間帯を広げると不在による再配達のリスクも高まることから、ヤマトは時間帯について慎重に検討するとみられる。
 時事通信 3/7(火) 7:50

++++++++++++++++

 こんな話が出て、話題になっているようだ。


 ネットでは「値上げけしからん」的な意見も多くあるようで。確かに個人としては値上げの話は痛いが、これがドライバーなどの労働環境改善につなげてもらえるならば、社会としては歓迎すべき話になるだろう。
 なんとなれば、今までこういうところで「コストが人件費が」といって現場にしわ寄せをしてまで低価格を維持しようとしてきたことが、日本のデフレを長引かせてきた要因の大きなところになっているのだから、ヤマトという社会的に大きなところが逆向きの流れを作ってくれれば、そのマイナススパイラルが崩れていくことにもなるはず。

 現に、

++++++++++++++++

 福岡でもトラック長時間労働を改善へ ヤマト値上げに波及期待

 トラック輸送事業の長時間労働が深刻化する中、福岡労働局と福岡運輸支局は7日、福岡市博多区で「トラック輸送における取引環境・労働時間改善福岡県地方協議会」を開いた。宅配最大手のヤマト運輸が配達時間見直しや運賃の値上げを検討しているが、物流業界全体でも労働環境の見直しが求められている。協議会に出席した関係者からも人手不足の窮状などを訴える声が上がった。
 全日本運輸産業労働組合福岡県連合会の山田英樹執行委員長は「人手不足はヤマト運輸に限らず物流全体の課題」と言う。労働時間が長い上に過当競争の影響で賃金が下がっているためだ。「国民生活に関わること。社会全体の問題として議論することが大切」と強調する。
 食品などの輸送を手掛ける東西産業運輸(福岡県粕屋町)の河野清二社長は「仕事の単価を上げないと人を雇えないが、値上げすればよそに仕事を取られる。ヤマト運輸の値上げで、業界全体が良い方向に行くかもしれない」と期待する。
 協議会では、トラック運送業の生産性向上や労働条件改善に向けた実証実験の事例を紹介。荷主の協力で荷物の積み込みを1カ所にしたり、発着時間を調整したりした結果、ドライバーの拘束時間を短縮できたことなどが報告された。ただ出席した運送業者からは「発着先で荷主が異なる場合は融通が利きにくく、待ち時間が発生する」などの意見もあった。
 福岡運輸支局は「今後、全国の取り組みを集め、事例集を作る予定。事業者にはぜひ参考にしてもらいたい」としている。
 qBiz 西日本新聞経済電子版 3/8(水) 11:29

++++++++++++++++

 地方発でこんな動きも出てきているのだから、いい加減に「安く安く。金を使わないのが美徳」という金持ちのお遊びのような感覚を捨てて、「みんなでお金を回してみんなのところにお金が回るようにしよう」という方向に行かなければ。


 スイスの時給が高いとかうどんが一杯1200円するとか紹介されて「高いなぁ」ではなく、「ふ~ん」といえるようになるのが、本来の成長路線というものだ。



 ところで、ヤマト運輸は、


++++++++++++++++
 ヤマト、再配達の有料化検討=本格値上げ、同業他社が追随も

 ヤマト運輸が、個人向けを含め宅配便の基本運賃を27年ぶりに本格値上げする方向で検討に入った。背景には、インターネット通販の普及などに伴い、宅配 便の取扱量は増加傾向が続く一方、少子高齢化の影響もあり、ドライバー不足が深刻化していることがある。同社はドライバーの負担感が増す原因となっている 再配達の有料化も検討。最大手の同社が値上げに踏み切れば、同業他社も追随する可能性が高いとみられる。
 宅配便の取り扱い個数は、2015年度が前年度比3.6%増の37億4500万個で、過去最高を更新。16年度はこれをさらに上回ることが確実とみられている。
 時事通信 3/7(火) 19:56

++++++++++++++++

 こういうこともいっているのだが、これをやるのならば、今会員あてに提携企業などから荷物が送られたときにやっている「荷物が届きますよメール」通知サービスの対象を個人のものまで拡張して、「その会員に送られる荷物はすべて事前に通知する」ようにしてもらいたいな。
 このサービスと、受取人の方から受け取り日時・時間を逆指定できるサービスを併用してくれるのならば、再配達有料化も「あり」だ。
 

 で、一方今の宅配便増加の大きな原因になっている「通販の雄・アマゾン」にも、いい加減に「早くお届けするために発送を分割しました」という余計なサービスはやめてもらいたいと思う。
「お急ぎ便」にもしていないのに複数商品を分けて発送、ひどいときには同日の午前中と午後に「別々に届く」ような状況を作っているのは異常である。
 聞くところによると、イギリスアマゾンには「急がないよ」オプションがあるというのだが、日本でも「分けなくていいよ」オプションを設定してもらいたい。
 アマゾンジャパンはしばらく前から「送料無料は2000円以上の注文から」とやっているというのに、その注文を小口に分けて発送しているのでは、「いったいなにをやっているのだ?」といわれるだけだ。



 本日の答え合わせ。


++++++++++++++++
 秋田美人、口の形をよーく見ると… ポスターの正解発表


(写真、朝日新聞より。クイズの「解答編」になるポスター)

 今年の答えは「あ・き・た・が・す・き」。秋田観光コンベンション協会(秋田市)は「秋田美人」のメッセージを当てる観光ポスターの正解を発表した。答え入りのポスター約1200枚は、秋田市内の宿泊施設や飲食店などに掲示する。
 女性の口の形から1文字ずつ推理し、つなげてメッセージを当てる。これまで7人だったモデルの女性が今回は6人になり、答えも6文字になった。
 昨年(711人)の2倍以上の1793人から応募があり、正解者1508人から抽選で市内のホテルペア宿泊券や特産品が贈られる。同協会は応募者が増えたことについて「1文字短くなり、問題が簡単になったのかも」と話している。
 答えや市内の観光地の紹介は特設サイト(http://www.2016akitacity-bijin.com/)でも見られる。
 朝日新聞 03月08日 08:29

++++++++++++++++

(2017/01/16の記事、これが「低次元のポピュリズム」の好例だ)で紹介させていただいた秋田県のポスター、彼女たちの口の形をつなげた政界分が発表された。

「あ・き・た・が・す・き」ねぇ。母音はあっていたな(笑)。単語の区切りがわかれば、正解率ももっと上がったのではないだろうか?
 

 まあ、正解率84%ならば、これからは逆に「難しく」していかなければならないだろうけど。
 ここはやはり、秋田弁の出番だな。




 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2017年03月05日(日)

「盗み見」をするのが君らのいう「取材」なのか?

テーマ:報道

++++++++++++++++
 電通社員自殺・メディアへの圧力に言及 米の人権報告書

 米国務省は3日、約200カ国・地域を対象にした2016年の「人権報告書」を公表した。日本に関しては、広告大手、電通の新入社員の女性が過労自殺したことや、メディアへの政権の圧力を指摘。アダルトビデオ(AV)の出演強要問題も盛り込まれた。
(中略)
 また「報道の自由」については、日本政府は一般的には尊重しているとしながらも、「いくつかの事例が、政府によるメディアへの圧力の高まりについて懸念 を生じさせている」と指摘。昨年2月、番組の政治的公平性を理由に、放送局に「電波停止」を命じる可能性に言及した高市早苗総務相の発言を示した。また昨 年4月に来日した国連特別報告者の発言も引き合いに「報道の独立性は重大な脅威に直面している」とした。
 若い女性が「モデル業」などと偽の勧誘を受けて、AVに無理やり出演させられる被害が広がっていることにも触れた。(ワシントン=高野裕介)
 朝日新聞デジタル 3/4(土) 18:59

++++++++++++++++

 またマスコミが「アメリカさまが日本をとがめている」式の報道をしている。いやはや。
 

(2016/02/13の記事、「正義の嘘つき」の正体はばれたのだ)などでも書いたように、高市氏の「停波発言」は、民主党政権の時に改正された放送法に則って、民主党政権時代と同じことを答弁しただけのものである。
 日本の左派マスコミはその「民主党政権時代の」を隠し、さらにこれが「聞かれたから法律の運用について答えたもの」であることを隠して、まるで大臣が突然「俺たちに逆らうテレビは電波取り上げるぞ!」と脅しをかけたかのように報道した。
 こんな「フェイクニュース」を信じて他国の内政に干渉しようとするような議会も、「フェイクニュース」に敵意を燃やすトランプ大統領の影響で変わってほしいものだ。



 さて、そんな「独立性が重大な危機に直面している」(笑)とされる我が国の読売新聞が、


++++++++++++++++
 経産省全室施錠 世耕氏には記者が「敵」なのか

 報道機関を閉め出す動機と狙いは何なのか。経済産業省が、省内の全ての執務室を日中でも施錠する措置を始めた。取材対応は、会議室などの別室で行うという。
 世耕経産相は「情報管理を徹底するためだ」と説明する。「机の書類が見える状況は問題があり、改善の必要がある」とも言う。
 まるで記者が情報をかすめ取るのを警戒するかのような発言である。容認できるものではない。
 情報流出が即座に国や企業の不利益につながる金融庁や特許庁、原子力規制庁などは、大半の部署を施錠している。
 こうした例はあるにせよ、中央省庁で全室一律に施錠するのは、極めて異例だ。機密性の高い情報や文書を扱う外務省や防衛省でさえ、記者は一部の部署以外には入室できる。警察庁でも、施錠しているのは警備局に限られる。
 
報道機関の出入りが禁じられれば、記者が省内の異変を察知することが遅れる。不祥事などが発生しても、職員が外部の目から隠れて処理するのも可能だろう。
 経産省内には「情報公開のために、扉は常に開いておくのが、あるべき姿だ」との意見がある。
 報道機関は施錠措置の撤回を求めたが、世耕氏は「撤回しない」と拒んでいる。なぜ、そこまで 頑ななのか、理解に苦しむ。
(中略)
 報道機関との信頼関係を蔑ろにし、都合の良い情報だけを発信しようとする。そうした姿勢は、国民の不信感を高めるだけだ。
 読売新聞 03月01日 06:12

++++++++++++++++

 こんな「罵り社説」を書いていた。
 左巻きから「自民応援団」とレッテル貼りをされる読売にしては、珍しいといえるだろうか。


 ここで話になっている「施錠」というのは、昨月始まった、


++++++++++++++++
 経産省、執務室を施錠へ 取材や情報公開への影響は否定

 経済産業省は27日から、東京・霞が関の庁舎内の執務室を日中も原則施錠する。従来は来訪者が1階で受け付けした後、訪問先の担当者の自席で面談することがあったが、
今後は専用の面談室で応対する。世耕弘成経済産業相は21日の閣議後会見で「企業情報や通商交渉などの機微情報を扱っており、庁舎管理を強化する」と説明した。
 報道関係者にも同様の対応を取るため、庁舎内での取材活動に影響が出る可能性がある。報道への規制や情報公開の後退への懸念について世耕氏は「プレス対応や情報公開は非常に重要。取材対応にマイナスの影響がないようにしたい」とし、「大臣就任後、省内の情報管理を徹底した方がいいという問題意識を持ち、継続的に検討してきた結果だ」と述べた。
 霞が関の中央省庁では、各省庁で対応は異なるが、1階ロビーなどで受け付けをしたうえで、担当者が執務室内で対応するケースが多い。
 朝日新聞デジタル 2/21(火) 18:22

++++++++++++++++

 経産省のこの措置。


 もちろんこれでは朝日も、


++++++++++++++++
 経産省の施錠 密室化は不信を招く

 数ある省庁の中で、経済産業省は民間企業とも幅広く付き合い、情報交換を重ねることを強みとしてきた。そんな組織の特徴は、もはや過去のものになったのだろうか。
 今週初めから、経産省が各部署の執務室の扉に原則としてカギをかけ、開閉のたびに職員がカードなどで解除する運用を始めた。
訪問者とは面談専用のスペースで応接する。「情報管理の必要性が高まる中、行政の信頼性を確保するため」という。
 取材するメディア関係者にも同様の措置をとり
、「メモ取り担当の職員が同席」「広報室への報告を徹底」などの対応マニュアルも配られた。実際に、メモ取り担当の職員が雑談中さえ同席する事例が出ている。
 民間企業でも情報管理の徹底や広報対応の一元化が進んでいる。だが、行政機関と民間企業には大きな違いがある。企業が自らの利益を増やそうとするのに対し、行政はあくまで国民生活に資すべき存在だ。
 情報公開法はその第1条で「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」をうたっている。国民に開かれ、「知る権利」に応えることが原則だ。それこそが、行政への信頼性につながる。
 官庁に集まる膨大な情報の中に秘密保持を要するものはあるだろう。だが、部屋にカギをかけ、部外者を入れないという「密室化」が不可欠とは思えない。警察庁や国税庁でも施錠は一部の部屋にとどまる。
(中略)
 他省庁と比べて自由な気風で知られた経産省が、今回のように突出した対策をとれば、同様の動きが広がりかねない。折しも、南スーダンへの自衛隊の派遣や、国有地払い下げをめぐって、官庁の記録の短期間での「廃棄」が問題になっている。「知らしむべからず」の傾向が助長されてはならない。
 経産省には施錠の再検討を求める。取材対応マニュアルについては、記者会の抗議を受けて「改善」するとの姿勢を示しているが、明確な撤回が必要だ。
 朝日新聞デジタル 社説 2017年3月4日

++++++++++++++++

 批判の社説を書いていて、こちらの方はもともと政府攻撃ばかりを書きなれているためか、読売ほど冷静さを失っていないようで、南スーダンの話に飛ぶなどいつもの通りのすり替えに励んでいるが、言いたいことは同じ、「俺たちマスコミは権力の監視者なのだから、やりたいようにさせろ」というものである。

 なんと図々しいのだろう。
 常識で考えれば、たとえ担当者と話をするためでも、周りで他の職員が働いているところに外部の人間が勝手に入っていけることの方がおかしい。経産省は「そういうことは面談室でやるように」といっているだけで会見を禁止しているわけではない。


「空気を感じ取る」だの「隠蔽が進まないように」という彼らは、いったい自分にどんなセンサーがついているとでもいうのだろう。
 普通に考えればこれは、「勝手に室内をうろうろしていたら自然に目に入ってしまった」というエクスキューズで官庁の機密を見てしまうことを正当化しているだけではないか。


 この措置について産経新聞は、


++++++++++++++++
 複数の政府関係者は今回の措置について、日米首脳会談をめぐる情報漏洩疑惑が背景にあると指摘する。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を米国のインフラ投資に活用すると報道され、政府が全面否定した件だ。
 政府内では情報源が経産省内と見る向きが強く、世耕氏の首脳会談同行が直前にとりやめになった一因とも指摘される。世耕氏は今回の措置と報道とは「全く関係がない」とするが、政府関係者は「疑惑に過剰反応したと勘繰られても仕方がない」とため息をつく。
 産経新聞 3/1(水) 7:55配信 「経産省全執務室施錠 世耕氏『撤回考えていない』」より

++++++++++++++++

 と書く。
 

 読売の社説も朝日の社説も、略した部分で同じようなことを書いて、「政府の機密がばれたから報復」のような印象操作をしているが、(2017/02/04の記事、議員の仕事は他人の揚げ足取りではない!(怒))で指摘したように、この「アメリカへの貢ぎ物」話はマスコミが「安倍叩き」のために事実を歪曲して作ったものなので、今回の措置に「まったく関係ない」のは当然である。



 新聞各紙はこの経産省の措置を「信頼が失われる」だのというが、彼らは自分たちを「権力の監視者」と自認していたのではなかったか。いったい監視する相手との「信頼が大切」というのはなにか。それは「癒着」というものではないのだろうか。
 要するに彼らは「自分たちだけが自由に情報を得られるもの」と思いあがっているわけで、その立場を悪用して「報道しない自由」を行使しているその機会が制限されると騒いでいるだけなのだ。
 

 世耕氏は「机の書類が見える状況は問題があり」という。当たり前である。これを「俺たちメディアは『国民のための正義』なのだから見て当然」とするような人間たちが、なるほど、「特定秘密保護法」に反対したのも当たり前ということか。
 こんなものたちが騒いだからと「日本の報道の自由が危ない」というなど、笑止千万である。



 本日の装身具。


++++++++++++++++
 最古の折り鶴いつから? 謎に迫る武士アクセサリー発見


(写真、朝日新聞デジタルより。最古と鑑定された折り鶴の図柄が描かれた小柄(中西祐彦さん提供))

 折り鶴はいつから存在したのか。3羽の折り鶴が描かれた武士のアクセサリーが、16世紀末~17世紀初めの作と鑑定され、これまで最古とされてきた折り鶴の図柄よりほぼ1世紀古いことが分かった。専門家は、折り鶴が誕生した背景に迫る発見だとみている。
 日本刀のさやに差し込んだり、小刀の柄に用いたりした「小柄(こづか)」と呼ばれるアクセサリー。3羽の折り鶴や松が描かれた縦1・4センチ、長さ9・7センチの小柄を、日本刀剣保存会理事の中西祐彦さん(東京都大田区)が数年前に収集家から譲り受けた。
 中西さんが鑑定したところ、室町幕府の御用工人だった後藤家の6代目で、豊臣秀吉に仕えた後藤栄乗(1577~1617)の作と分かった。彫りの特徴が栄乗のものと一致し、江戸時代になると使われない技法で金を加工していることが確認された。安土桃山時代の終わりから江戸時代のごく初期にかけての作と判断できるという。
 これまでは、1700年前後に刊行された染め物の図案帳にある折り鶴の図柄が、最も古いとされてきた。それより約1世紀古いことになる。
 折り紙の歴史を研究する岡村昌夫さん(東京都国立市)は「描かれた折り鶴は横から見た図の後ろ半分が間違っている。折り方が普及する前の段階と考えていいでしょう」と話す。
 折り紙は贈答品を包装する武士の礼法として室町時代に確立した。この時期の和紙は長方形が基本なので、礼法の流派ごとに定めた縦横の比率を正確に習わないと折れなかった。
 江戸時代になると折り紙は町人の間に普及し、特に女性の人気を集めた。中でも折り鶴は正方形の紙を使い、特別に習わなくても折れるため広まったという。
 岡村さんは「折り鶴が礼法の一環として武家社会の男性の間で誕生したことを物語るもの」とみている。(渡辺延志)
 朝日新聞デジタル 2/22(水) 10:04

++++++++++++++++

 この頃「折り紙の起源はウリナラ」といっているまったく歴史史料のない国が出てきているから、こういうものは大切にしないとな。


 折り紙といえば子供や女の遊びのようにいう人間もいるが、昔からこういうこじゃれたものが好きなのは老若男女問わないのが日本の文化。

 先日、


++++++++++++++++
 今村復興相が「エヴァンゲリオン」ネクタイ なんで締めてるのか? 本人に聞いた


(写真、J-CASTニュースより。今村氏が着用していたエヴァンゲリオン柄のネクタイ)

 今村雅弘復興相(70)が2017年2月28日の参院予算委員会で、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のネクタイを着用していたことが、ファンの間で密かな話題を呼んでいる。
 いったい、今村氏はなぜ「エヴァ柄」のネクタイを選んだのだろうか。ネット上には、「(エヴァが)好きなのかな?」「政治家でも普通にアニオタが紛れてる時代」などと面白がって推測する声も出ているが、はたしてその理由は――。J-CASTニュースが、今村氏本人に聞いた。
(後略)
 J-CASTニュース 3/3(金) 10:30

++++++++++++++++

 こういうニュースがあり、復興相は「地元企業の応援で」などと言っていたが、別に恥ずかしがることもなく普通に「こじゃれた装身具」として身に着けることは、おかしなことでもない。

 まあ、このネクタイはそれにはちょっと趣味が悪いので、もっとデザインを考える必要があるけど。

 ただ、「インパクト」を考えればこれはこれでありかもしれない、エヴァだけに(笑)。




 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。