2011年03月20日(日)

恐怖心を煽るデマに勝つには、「データを語る話術」がいる

テーマ:報道
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 海からホース800メートル=1号機北からくみ上げる―東京消防庁の連続放水

 東京消防庁のハイパーレスキュー隊は19日未明、がれきに阻まれながらも、海から約800メートルにわたってホースを伸ばし、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールへ放水した。同日午後には、1回目に作った「放水設備」で約7時間の連続放水に臨んだ。
 未明の放水作業は難航した。同庁によると、3号機周辺にはがれきが多く、岸壁が地震で崩壊しており、海水をくみ上げ大量送水できる「スーパーポンパー」を1号機北の海側に配置した。
 約50人が作業に当たり、手作業などでホースを約800メートル伸ばし、3号機の西側に置いた高所から放水できる屈折放水塔車に接続し、放水にこぎ着けた。20分>間で約60トンを放った。
 自衛隊の消防車や警視庁の放水車は貯水タンクなどの水を使っており、放水量が限られたが、東京消防庁の設備では高さ22メートルから無制限に放水でき、無人での作業継続が可能。隊員の被ばくを最小限に抑えながら、長時間の放水ができる。
 未明の放水終了後、隊員は設備を現場に残して退避し、午後に放水を再開。放水車のバッテリーが上がるトラブルもあったが、修理を済ませ、燃料を補給しながら作業を続けた。
 同庁は追加交代要員102人を派遣しており、プールへの放水に全力を挙げている。
 時事通信2011年3月19日(土)21:03

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 800メートルのホースで水を送るには、どれだけ元のところで水圧をかければよいのだろう。固い水道管と違い、フレキシブルなホースがそれに耐えられ、また詰まることもなく、脈動も起こさずというのだからすごい技術である。

 これは1条の光ではあるものの、一方では、

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 1~3号機、炉心は冷却状態…東電会見

 東京電力は19日午後7時頃から広報担当者が記者会見し、「福島第一原発1号機から3号機については炉心を冷却するための海水の注入が続いている」として、炉心が冷却された状態であるとの見方を示した。
 また、復旧に当たっている作業員のうち、6人が100ミリ・シーベルトを超える放射線量を浴びたことも明らかにした。
 厚労省が定める作業員の緊急作業時の被曝(ひばく)限度量は、これまで100ミリ・シーベルトだったが、今回の事故に限り、250ミリ・シーベルトに引き上げられており、限度の中に収まっている。
 このほか、農産物から規制値を超える放射線量が検出されたことについて「心よりおわび申し上げる。今後お客様から損害賠償などの申し出があれば、国とも相談しながらしっかり準備を進めていきたい」とも語った。
 読売新聞 3月19日(土)19時42分


 
3号機で原子炉の格納容器圧力が上昇 排出作業を検討

 東京電力は20日、東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所3号機で、原子炉内の蒸気を直接外部に排出する作業を検討すると発表した。原子炉の外枠にあたる格納容器内の圧力が上昇しているため。これまで蒸気を排出する際は水で放射性物質(放射能)を取り除く措置が取られていたが、今回の排出では外部に出る放射性物質の量が増えるとみられる。
 東電によると、格納容器内の圧力は20日午前7時現在で約3・4気圧。直近の3時間だけで0・6気圧上昇した。何らかの理由で格納容器内の蒸気が増えているとみられる。
 東電はまず最初に水を通した排気を追加的に行う。ただ、これまでの原子炉内への海水注入で水を通した排気ができなくなっている場合は、水を通さず直接蒸気を排出させて圧力を下げる。この際は放射線の被曝を避けるため、海水注入や配電などの作業は中断させる。
 産経新聞 3月20日(日)13時53分

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 炉の方の状況は一進一退、か。

 とんでもない高温が計測されていないのだからまだ人類側に分があるが、楽観はできないが、だからといって悲観論ばかり強調し、発表データの揚げ足を取って騒ぐのも、まったく反吐が出るほど下衆な行為である。

 今燃料プールに放水されている水も、温度が上がって一部が蒸発している中に放射能を獲得した分子が混ざっている。産経が書く圧力容器の蒸気はさらに。
 普段ならば建屋の中に封じ込められ、フィルターを通してしか外に出ない空気がそのまま放出されているのだから放射性物質の観測量が上がるのは当たり前のことで、注意は必要だがそれで人が死ぬというものでもないのに、それを大げさに取って「放射能がばらまかれている」という流言をいう人間がまだまだ多い。
 これらの分子が茨城県の野菜や福島県の水道から検出されたといえば、「ほれ見たことか! 関東は終わりだ! 保安院や東電は嘘を言っている!」と自分が嘘を言っていることを隠してデマを拡散する。

 彼らにすれば、

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 双葉町の1200人、さいたま市に役場ごと疎開

 東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所がある福島県双葉町の住民約1200人が19日、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナの一時避難所に「集団疎開」した。
 役場機能ごと移る異例の措置。町に戻るめどが立たない中、「移るならみんなで」と町民約6900人の2割近くが行動を共にした。
 町民はこの日、バス40台で避難先だった福島県川俣町の体育館を出発。夕方までにアリーナに着くと、支給されていた衣類や毛布などを抱え、アリーナ4、5階へ移った。一様にほっとした表情だったが、用意された車いすに乗る人や、毛布を敷いて早々に眠る人も。
 会社員の須藤美幸さん(36)は、長男拓也君(6)と父母の4人で避難。美幸さんは、小学校入学を控える拓也君について「まともに通えるのか不安だが、友達と同じ学校ならいい。買ったランドセルや学習机は家に置いたまま」とこぼした。拓也君は「サッカーがしたい」。
 農業西内重夫さん(68)は息子夫婦と孫ら6人で「疎開」。「故郷を去るのは悲しいが、しばらくは埼玉で頑張るしかない。地震は天災だが、原発事故は東電の人災」と憤った。
「双葉町 本部長」の腕章とジャンパー姿の井戸川克隆町長は公用車で先行。ボランティアらから「町長がんばれ」の声が飛んだが、硬い表情のまま。報道陣に「突然のことで毎日が精いっぱい。今後の対応はゆっくり考えたい。職員も不眠不休で働いたので、ゆっくり眠らせてあげたい」と話した。川俣町にある双葉町災害対策本部も近くアリーナに移転させ、住民サービスも再開させたいという。
 出迎えた上田清司埼玉県知事は「全面的に協力する」と約束したという。同県は1日3食の食事を提供する。アリーナ内にシャワーはあるが、風呂がないなど課題もあり、生活支援策を急ぐ。使用期限は今月末を想定するが、延長や県内他施設への移転も検討している。
 読売新聞 3月19日(土)19時37分

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 こういう事例は自分たちの「デマ」を裏付ける格好の証拠ということになるのだろう。

 実際には彼らのデマによって物流が滞り、

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 東日本大震災 被災者支援 「2次避難」必要

 政府は19日、首相官邸で副大臣会議を開き、東日本大震災で劣悪な環境下で避難所生活を強いられている被災者支援の課題として、被災地への食料や医薬品、燃料の搬送強化をはじめ、電気、水などのインフラが整備されている周辺に、「2次避難」させる必要があるとの方針を確認した。
 片山善博総務相は冒頭のあいさつで、「被災者の絶望を少しでも希望に変えることが災害対策の要諦だ。この非常時に各省が全力をあげて取り組むよう、努力をしてほしい」と求めた。
 2次避難については、受け入れ先がどの程度あるか、全国の自治体と協力して情報収集を進めることや、政府が主体的に被災者と受け入れ自治体との仲介役を担うことも申し合わせた。
 これに先立ち、政府の「被災者生活支援特別対策本部」の初めての実務者協議が、官邸で開かれ、被災者支援の態勢づくりの作業を本格化させた。同本部は、政府の「緊急災害対策本部」(本部長・菅直人首相)の下に設けられ、本部長には松本龍防災担当相、本部長代理に片山氏、仙谷由人官房副長官らが就いている。
 産経新聞 3月20日(日)7時56分

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 こういうことが考えられての流れの中で取られた処置に過ぎないのに。

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 福島の避難者を“宿泊拒否”

 厚生労働省によりますと、福島第一原発の事故を受けて福島県から避難した住民が周辺のホテルや旅館に宿泊しようとしたところ、拒否されたという苦情や相談が、18日に少なくとも3件寄せられたということです。このため厚生労働省は、避難した人たちが受けた放射線の量は極めて限られているとして、福島県から来ているというだけで宿泊を拒否することがないように宿泊施設を指導するよう、19日、都道府県に通知しました。
 NHK 3月19日 15時29分

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 こんなことが起きているのも、「半減期」の意味すら分からないほど放射性物質についての知識を欠く人間が拡散するデマのおかげというものだ(怒)。


「日本政府はデータを隠している! 外国のいうことの方が正しい!」という陰謀論者もいるが、その外国の知識というのも、

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 仏から作品来ず、印象派展を中止=政府が輸出停止―広島県立美術館

 広島県立美術館(広島市)は18日、来月5日から開催予定だった特別展「印象派の誕生」を中止すると発表した。フランス政府が日本向けの全ての美術品の輸出を停止する命令を出したとの連絡が同国から入ったためで、福島第1原発の事故の影響とみられる。
 同館によると、輸出停止の連絡は日本時間の17日夕に、現地の輸送業者経由で委託先の日本の企画会社に入った。輸出停止の理由ははっきりしないが、決定前には作品を所蔵する美術館から原発事故への懸念が伝えられていたという。
 特別展は5月29日まで、ミレーやルノワール、ゴッホなどの作品80点余を展示する予定だった。このうちフランスからの出品が6割を占め、今月25日に成田空港に到着の予定だった。広島の後は、愛媛県や沖縄県、熊本県で同様の展覧会が開催される予定だったという。
 時事通信 3月18日(金)19時52分

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 この程度なのだ。

 広島は65年前には今の福島など比べ物にならないほどの放射線にやられた土地。ヨーロッパでは今でも「かなりの放射能がある」と誤解している人も多い
 それが平気だと考えていたのならば、福島の事故が「どれほどのもの」で「どれほどの範囲に影響を及ぼす」かも分かるはずだが、このありさま。
 日本のメディアも頭が悪く、言葉の揚げ足取りに興じている人間が多くいるが、だからといって外国の報道こそが正しいとするのも、彼らがいう「情弱」の証であろう(冷笑)。

 福島第一原子力発電所は、まだまだ戦い続けなくてはならないほど予断を許さない状況なのは間違いない。
 が、「時速100キロで車が走っている高速道路を横断するのは安全とはいえない」という言い方しかできない者の言葉尻を捉えて「安全じゃないんだから危険なんだ! そんなもの潰せ!」という人間の言葉になど、耳を傾けてはいけないのだ。今のレベルの生活を維持したいならば、だが。


 それにしても、こんな状況だからある程度の情報錯綜はいたしかたないとはいえ、そういうところばかりに食いつくメディアをきちんとあしらえない東電や政府の説明能力の低さにもため息が出る。
 きちんとした言葉に耳を貸さないで騒ぐ人間に対処するためにまず「安全」を強調することが習い性になってきたおかげもあるのだろうが、「これこれこういう危険があるからこういうことをしている」という方向で説明のできる人間はいないのだろうか?



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