ここ2週間ほど、公立病院の経営方法について調査をしてきました。
現在、政令市には市立病院が40程度あり、それぞれの経営状況についてまとめ、
川崎市の川崎病院・井田病院の今後のあるべき姿を考えようという調査です。
市民の命に直結する大きな問題。
まだまだ結論は出ていませんが、公立病院として必要な医療水準を維持し続けてもらいつつ、
市の財政への負担が必要以上に増大していくことは避けなければいけない。
そんな視点で2週間過ごしていました。
そして、このタイミングで本当にショックな出来事が。。。
新潟市立の病院で研修医さんが自殺 、というニュースです。
新潟市は政令市であり、新潟市民病院は完全に直営の病院です。
直営病院ですから、もちろん今回調査対象に入っている病院で、2週間の間、
紙面のみでのお付き合いではありましたが、毎日のように目にしていた病院です。
新潟病院というのは、規模は市立病院の中では10本の指に入り、川崎病院とほぼ同じ規模です。
他人事とはまったく思えません。
お恥ずかしいことに、調査では今のところ病院自体を最小単位として見ていたので、
その中で勤務されている方々にはあまり焦点をあてられていませんでした。
もちろん、経営の観点から見ても医師の人数というのは非常に大切な要素のひとつですので、
医師や看護師など職員さんの人数については把握をしていました。
しかしどんな働き方をしているのかは置き去りにしていたと強く反省をしています。
今回のニュースは勤務時間が長すぎたのではないか、過労死ではないか、ということでした。
今後はこういった視点も加えて、引き続き公立病院のあり方について調査を続けたいと思います。
病院となるとお仕事の邪魔をしてはいけませんし、どこか視察というのは控えた方がよいのかな、
と考えていましたが、やはり紙ベースでわからないことが明確になった場合は一度見に行ってみることも考えてみようと思います。
新潟病院特有の原因があったのか、川崎でも同じことが起こりうるのか、
医師の数というのは最終的には国の施策によるところも大きいですが、
やはり市立病院を名乗っている以上は、責任は私たちにあると考えなければなりません。
あくまでも一つの角度から推測するのであれば、新潟病院が特徴的なのはベッドの利用率が非常に高いことです。
完全直営の市立病院の中では3番目の高さです。
規模としては川崎病院の方が大きいのですが、それにも関わらず入院患者さんは新潟病院の方が1割以上多い状況のようです。
いかにベッドの稼働率が高いかわかります。
病院経営的にはこれは嬉しいことと言えるのですが、その一方で仕事量が増えるわけになりますので、
医師への負担も相当なものがあったのかもしれません。
もちろん、外来患者の数が医師への負担にどのような影響があるのかなど多角的に考えなければなりませんので、
真相については詳しい調査結果が出ると思いますが、川崎市でこのようなことが起こらないように、
病院がいつでも安心して働ける場所、安心して診療を受けられる場所であり続けるために、
まだまだ知らないことが多いですからしっかり勉強させていただきたいと思います。